増村保造レトロスペクティブ

1961年1月27日初公開

1961年/モノクロ/93分/大映スコープ 配給:大映

2001年9月8日(土)から中野武蔵野ホールにてアンコール上映!!

(C)大映

公開初日 2001/09/08

配給会社名 0058

公開日メモ 昨年11月ユーロスペースにて上映され大ヒットを記録、現在全国で順次上映中の「増村保造レトロスペクティブ」の、東京でのアンコールロードショーが決定!! ユーロスペースでの上映ではプログラムから外されていた、「うるさい妹たち」「恋にいのちを」の追加上映も予定。

解説

早過ぎたモダニスト、増村保造
1957年の監督デビュー作「くちづけ」で脚光を浴びて以来、約四半世紀の短い期間に57本の映画を撮り上げた増村保造。
強烈な自我をもち激しい愛憎を貫く人々。彼らが繰り広げる濃密な物語–増村保造が描き続けた人物・物語は、イタリア留学で得たヨーロッパ的人間観に根ざしているという。彼は旧来の日本映画がもつ情緒性を廃したクール&モダニスティックな演出で、知性と激しさが共存する新しい日本映画を作り上げた。しかし、日本映画の新時代を、先陣を切り走り抜けた増村保造は、時代の先を行き過ぎていたのか、これまで充分な評価が与えられてこなかった。彼は早過ぎたモダニスト」だったのかもしれない。

従来のヒロイン像とは異なる能動的な女性の美しさを、圧倒的な力強さでみせる増村保造の演出は、特に若尾文子とのコラボレーションで結実、「刺青(いれずみ)」「妻は告白する」「卍(まんじ)」「赤い天使」など数多くの傑作を作り上げた。他にも、「くちづけ」「巨人と玩具」の野添ひとみ、「暖流」の左幸子、「でんきくらげ」「しびれくらげ」の渥美マリ、「盲獣」の緑魔子、「遊び」の関根恵子(高橋恵子)、「大地の子守歌」の原田美枝子、「曽根崎心中」の梶芽衣子など、数多くの女優と組み、増村ならではの演出でその魅力を引き出してきた。また、「陸軍中野学校」の市川雷蔵、「兵隊やくざ」の勝新太郎、「黒の試走車」「黒の超特急」の田宮二郎など、当時のトップスターの男優たちと組んで、一級のエンターテインメント作品を作り出してもいる。
そして今日、増村保造はニューヨーク、パリ、ロッテルダムなどで行なわれた回顧上映によって、黒澤、溝口、小津につぐ日本映画界の巨匠として世界に認知を広げつつある。時代がようやく増村保造に追いつこうとしている。

 昨年11月ユーロスペースにて上映され大ヒットを記録、現在全国で順次上映中の「増村保造レトロスペクティブ」の、東京でのアンコールロードショーが決定!!
ユーロスペースでの上映ではプログラムから外されていた、「うるさい妹たち」「恋にいのちを」の追加上映も予定。

ストーリー

後に《女賭博師》シリーズで一斉を風靡した江波杏子の第一回主演作品。行方不明の父親を追いかけ、甲府へとむかった加納清司は目の前で父親を殺されてしまう。父親に隠された秘密とは何か。清司を中心に、父親を殺した男の娘、美琴、父親の親友で清司の会社の社長である花田、清司に想いを寄せる花田の娘らの運命が交錯する。

スタッフ

製作:中泉雄光
企画:川崎治直
監督:増村保造
助監督:崎山周
脚本:川内康範 下村菊雄
原作:川内康範
撮影:小原譲治
音楽:西山登
主題歌:ビクターレコード
作詞:川内康範
作曲:吉田正
唄:松尾和子 和田弘とマヒナスターズ
美術:渡辺竹三郎
録音:渡辺利一
照明:久保田行一
編集:中静達治
スチール:板垣公章
製作主任:大岡弘光

キャスト

加納清司 :藤巻潤
加納義次 :大山健二
富士美琴 :江波杏子
富士照代 :水戸光子
中溝泰助 :浜村純
花田いずみ :富士真奈美
花田重造 :山茶花究
玉井刑事 :高松英郎
竹林志津子 :倉田マユミ
李玉堂 :神山繁
岩村編集長 :潮万太郎
中村記者 :小山内淳
渡辺博士 :伊東光一
田岡医師 :仲村隆
刑事 :原田[言玄]
女中A :村田扶実子
女中B :目黒幸子
芸妓A :千歳恵美
芸妓B :美山かほる
芸妓C :曽根綾子
男A :大川修
男B :水村晃

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