増村保造レトロスペクティブ

1964年7月25日初公開

1964年/カラー/90分/大映スコープ 配給:大映

2001年9月8日(土)から中野武蔵野ホールにてアンコール上映!!

(C)大映

サブ題名 (まんじ)

公開初日 2001/09/08

配給会社名 0058

公開日メモ 昨年11月ユーロスペースにて上映され大ヒットを記録、現在全国で順次上映中の「増村保造レトロスペクティブ」の、東京でのアンコールロードショーが決定!! ユーロスペースでの上映ではプログラムから外されていた、「うるさい妹たち」「恋にいのちを」の追加上映も予定。

解説


早過ぎたモダニスト、増村保造
1957年の監督デビュー作「くちづけ」で脚光を浴びて以来、約四半世紀の短い期間に57本の映画を撮り上げた増村保造。
強烈な自我をもち激しい愛憎を貫く人々。彼らが繰り広げる濃密な物語–増村保造が描き続けた人物・物語は、イタリア留学で得たヨーロッパ的人間観に根ざしているという。彼は旧来の日本映画がもつ情緒性を廃したクール&モダニスティックな演出で、知性と激しさが共存する新しい日本映画を作り上げた。しかし、日本映画の新時代を、先陣を切り走り抜けた増村保造は、時代の先を行き過ぎていたのか、これまで充分な評価が与えられてこなかった。彼は早過ぎたモダニスト」だったのかもしれない。

従来のヒロイン像とは異なる能動的な女性の美しさを、圧倒的な力強さでみせる増村保造の演出は、特に若尾文子とのコラボレーションで結実、「刺青(いれずみ)」「妻は告白する」「卍(まんじ)」「赤い天使」など数多くの傑作を作り上げた。他にも、「くちづけ」「巨人と玩具」の野添ひとみ、「暖流」の左幸子、「でんきくらげ」「しびれくらげ」の渥美マリ、「盲獣」の緑魔子、「遊び」の関根恵子(高橋恵子)、「大地の子守歌」の原田美枝子、「曽根崎心中」の梶芽衣子など、数多くの女優と組み、増村ならではの演出でその魅力を引き出してきた。また、「陸軍中野学校」の市川雷蔵、「兵隊やくざ」の勝新太郎、「黒の試走車」「黒の超特急」の田宮二郎など、当時のトップスターの男優たちと組んで、一級のエンターテインメント作品を作り出してもいる。
そして今日、増村保造はニューヨーク、パリ、ロッテルダムなどで行なわれた回顧上映によって、黒澤、溝口、小津につぐ日本映画界の巨匠として世界に認知を広げつつある。時代がようやく増村保造に追いつこうとしている。

 昨年11月ユーロスペースにて上映され大ヒットを記録、現在全国で順次上映中の「増村保造レトロスペクティブ」の、東京でのアンコールロードショーが決定!!
ユーロスペースでの上映ではプログラムから外されていた、「うるさい妹たち」「恋にいのちを」の追加上映も予定。

ストーリー

弁護士の妻・柿内園子(岸田今日子)は美術学校で出会った若き礼状・徳光光子(若尾文子)に恋心を抱いていた。学校内で同性愛の疑いを掛けられた二人はそれがきっかけでかえって仲良くなる。そんなある日、絵のモデルとして裸体を見せて欲しいと園子に頼まれた光子は2人きりの部屋で白い肌をさらした。激しく感情を高ぶらせる園子。いつしか互いに裸となり、二人は強く抱き合った…こうして光子と園子の密かな関係が始まり.光子の愛人(川津祐介)、園子の夫(船越英二)を加えて.奇妙な愛の物語を紡ぎあげていく。

スタッフ

企画:斎藤米二郎
監督:増村保造
助監督:崎山周
脚本:新藤兼人
原作:谷崎潤一郎
撮影:小林節雄
音楽:山内正
美術:下河原友雄
録音:須田武雄
照明:泉正蔵
編集:中静達治
スチール:薫森良民
製作主任:渡辺俊策

キャスト

徳光光子:若尾文子
姉内園子:岸田今日子
綿貫栄次郎:川津祐介
柿内孝太郎:船越英二
校長:山茶花究
梅子(徳光家女中):村田扶実子
清子(柿内家女中):南雲鏡子
春子(井筒屋仲居):響令子
先生:三津田健

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