原題:AKIRA

もう始まっている、もう止まらない… —ネオ東京—

東京国際ファンタスティック映画祭2001出展作品::http://www.nifty.ne.jp/fanta/tokyo/

1988年7月16日日本初公開(オリジナル版)

1988/日本/124分/カラー/Digital5.1ch/ビスタサイズ/DLP/ 配給:アキラ製作委員会/テアトル東京

2003年11月22日(土)〜12月26日(金)テアトル池袋にてレイトロードショー! 2002年11月9日(土)〜11月29日(金)連日20:50〜テアトル池袋にてレイトロードショー! 2001年10月25日DVD発売 1998年7月16日劇場公開作品

(C)1988 マッシュルーム/アキラ製作委員会

サブ題名 デジタルサウンドリニューアル版

公開初日 1998/07/16

配給会社名 0001

解説


核戦争勃発の鍵を握る超極秘計画〈アキラ〉をめぐり、人間のもつ潜在能力を開発実験する軍や、それを追う反体制ゲリラ組織、新興宗教団体、若者達のエネルギーがぶつかり合い、火花を散らす。破壊か創造か、想像を絶する終焉に向けて、〈アキラ〉の力が動き出す……。
連載開始直後から話題を呼び、単行本が発売されるや人気が爆発、300万部を突破するベストセラーとなった『アキラ』が遂に映画化される。脚本・監督とも、原作者である大友克洋が担当する。’83SF大賞を受賞した『童夢』、映画『迷宮物語』、、数多くの名作を生み出してきた、今や日本のコミック・アニメ界の先頭を切る鬼才である。
『アキラ』では、各カットが細密画のように綿密に描き込まれ、IC(集積回路)の配線図を思わせる。そして息つく間もないスピーデイなアクションシーンは圧巻。作品の中ではこれらが最高の映像技術をもって息づき、エキサイティングな人間ドラマが構築される。そして根底に流れるテーマはといえば、破壊のあとの再生への熱い願いなのである。
この映画は8社による共同製作で、製作費はアニメ史上最高の10億円、使用するセル枚数は破格の15万枚!いかにこの『アキラ』が大プロジェクトかおわかり戴けただろう。映画は原作のダイジェスト版ではなく、新ストーリーである。絵コンテ、脚本、監督と1人何役もこなす監督は、フィルムアップ前にセリフを録音するプレスコ方式を採用し、動きのリアルさを追究するなど、映画への意気ごみは凄い。
大友監督からのメッセージをお届けしよう。
「現実の向こうには宇宙の彼方にも続く世界が拡がっているのです。より大きなスペクタクルとカタルシスに挑戦してみたい。」

『アキラ』——それは未体験の刺激!!

『アキラ』の原作は300万部を超えるベスト・セラーであるが、若い世代のハートをガッチりつかんでいるその魅力はどこにあるのだろう。
ズバリ、『アキラ』とは、現在を生きる若者の頭脳、感覚に投与される“刺激”といってもいい。モノ、情報が氾濫している現状に、若者たちは飽きている。マンネリズム——この状態を打破するには、「何か」起こってほしい、「刺激」がほしい、と願っている筈だ。そしてそれは映画に登場する主人公の鉄雄にも当てはまる。バイク集団のメンバーと同様に、職業訓練校での生活に飽き飽きし、生気を取り戻すのはバイクで突っ走り、スピード感を手に入れるときだけ。そんな鉄雄がラボに拉致され、強力な薬を投与され続けた結果、特殊能力に目覚めていく。薬による刺激で鉄雄は変わる。以前は抑えられていた憎悪の感情がむき出しになり、狂暴になり、より強い刺激を求めるようになる。そして鉄雄にとって最大、かつ極限の刺激となるのが、30余年前に・核戦争勃発の原因をつくった少年、アキラの発する超能力なのだ。
もっと、もっとと刺激を求める若者達。しかしその刺激が彼らの手に負えない程大きなものだったら、また刺激を悪用しようとする者が出現したらどうなるのだろう?それこそ世界は破壊の地と化すかもしれない。現代から近未来に向けて、何らかの起爆感を抱いている若者達の感性に、『アキラ』の発信音は確実に届いているのだ。

’80年代の「近未来<サイバーパンク>映画」遂に日本にも誕生

ハイテクと憂欝が交錯し合い、そこには明らかに退廃の影が落ちている近未来世界を描いたサイバーパンクとよばれる作品・映画が80年代になって続々と生まれ、今、世界的に注目を集めている。20年前、10年前でさえ、描かれることのなかった、80年代のSF世界なのだ。『ブレードランナー』、『未来世紀ブラジル』等がその最先端を行くものだったが、この『アキラ』も双方と肩を並べる作品なのである。テクノロジーとバイオレンスが支配する近未来都市=ネオ東京。スクリーンに描かれる、そう遠くはないこの近未来空間に、私達は忽ち吸収されてしまうだろう。

ストーリー



1988年7月、関東地区に新型爆弾が使用され、第3次世界大戦が勃発した。そして、31年—東京湾上に構築されたメガロポリス=ネオ東京は、翌年のオリンピック開催を控え、かっての繁栄を取り戻しつつあった。
2019年のある夜、ネオ東京郊外の閉鎖された高速道路に侵入するバイクの一団が合った。健康優良不良少年、金田をリーダーとする職業訓練高校の生徒達だ。一団は無人のはずの路上で突然現われた掌に26と記す奇妙な小男と遭遇、先頭を行く島鉄雄は転倒、負傷する。この26号=タカシは、アーミーと対立するゲリラが求める最高機密=アキラと間違われ、軍事基地にあるラボ(研究所)から連れ出され、アーミーに追われていたのだ。あっけにとられる金田達の眼前に突如軍用ヘリが下降、26号と同じようなしわだらけの子供27号=マサルの乗るカプセルと大佐が降りて来て、26号と倒れた鉄雄をヘリに収容して飛び去った。
翌日、警官に取調べを受けた金田達は美少女ゲリラ、ケイと知り合う。彼女も『アキラ』を追っていた。その頃、鉄雄が運び込まれたラボでは大佐が鉄雄の脳波に関する報告を受けており、鉄雄が魅力ある研究の素材であることが告げられる。強力な薬の連続投与により、鉄雄はタカシがもつのに似た不思議な力に覚醒し始め、看護婦を襲ってラボを飛び出した。
夜の街を爆走する鉄雄は暴走族クラウンの襲撃にあうが、駆けつけた金田の一隊に救われる。逃げ遅れたクラウンの一員を半殺しにし、制止する金田に「俺に命令すんなァ!」と凄む鉄雄の体から、凄まじいエネルギー波が放電された。「アキラーッ!?」と叫ぶ鉄雄の姿に驚天する金田達、鉄雄の内部で何かが変りつつあった。
ネオ東京市街ではゲリラとアーミーの銃撃戦が始まり、各所で火災が発生、大混乱となる。ゲリラの主導者根津、新興宗教団体の教祖ミヤコ様はネオ東京の崩壊と「アキラ」の覚醒を予言していた。金田は銃撃戦からケイを救い、ケイの仲間の竜らが住むアジトへ向かった。
一方、鉄雄が連れ戻されたラボでは深刻な事態が発生していた。ラボの奥深く存在する異様なベビー・ルームを訪れた大佐に、タカシとマサルの仲間キヨコ(25号)が恐ろしい予言をしたのだ。
「アキラくんが…恐い夢を見たの。人がいっぱい死んで、街が壊れて…。」
狼狽した大佐はアキラの眠りを確かめに秘密基地へ飛んだ。アキラは基地の地下深く、デュワー壁に囲まれた絶対零度の世界で眠り続けている——不安な予感にかられて大佐は緊急会議を召集、アキラの目覚めが生む国家的規模の災厄に対処すべく、莫大な予算を要求する。
ゲリラと合流した金田は鉄雄を取り戻すべく、下水道から基地へ潜入。ケイと共にラボのアーミーと一線を交え、一大アクションシーンが展開する。目ざすは鉄雄のいるベビー・ルーム!
いまや想像を超えるパワーに覚醒しつつある鉄雄は、意識の中に現れては消える「アキラ」の存在に苛立ち、凶暴な力でキヨコ達を屈服させると共に、居合わせた大佐に激しくアキラの居所を詰問する。
キヨコ、タカシ、マサルは鉄雄の存在に危機感を抱き、行動を開始した。ベビールームからのコントロールでケイを動かし、アキラの眠るカプセルへ向かう鉄雄を襲わせるが、炸裂するエネルギー波の中、アキラのカプセルがまわりのケーブルを引き千切りながら浮上した!
アキラは目覚めたのか!?大佐はネオ東京を守るため、鉄雄もろともアキラを葬り去ろうとすSOLを発射。そして金田と鉄雄の最後の戦いが始まった!結末に向けてドラマは意外な展開を見せていく……。

スタッフ

原作・監督:大友克洋(講談社・ヤングマガジン連載)
製作:アキラ製作委員会
(講談社・毎日放送・バンダイ・博報堂
・東宝・レーザーディスク・住友商事・東京ムービー新社)
脚本:大友克洋、橋本以蔵
作曲・指揮:山城祥ニ
キャラクターデザィン:大友克洋
作画監督:なかむらたかし
作画監督補:森本晃司
美術:水谷利春
音楽:芸能山城組(ビクター)
音響:明田川進
録音:瀬川徹夫
撮影:三沢勝治
編集:瀬山武司
アニメーション制作:東京ムービー新社
配給:東宝

[デジタルサウンドリニューアル版]
製作:アキラ製作委員会
(講談社、毎日放送、バンダイビジュアル、博報堂
、東宝、パイオニアLDC、住友商事、トムス・エンタテインメント) 
配給:アキラ製作委員会、東京テアトル

キャスト

金田:岩田光央
鉄雄:佐々木望
ケイ:小山茉美
大佐:石田太郎
竜:玄田哲章
ドクター:鈴木瑞穂

大竹宏
北村弘一
池水通洋
渕崎由里子
大倉正章
荒川太郎
草尾毅

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