原題:Heavy Metal 2000

今再び宇宙に暗黒の支配をもたらさんと降臨した悪の権化タイラー。 それを阻止する為に立ち上がった4人の勇敢なる者たち。 寡黙な女戦士ジュリー、お調子者の相棒ジャーメイン、 「闇の間」の守護者である岩石人間ジーク、そして謎の賢者オーディン。 邪悪なる存在と封印を守る者たちとの宇宙の運命を賭けた壮大なる闘いが、 今こそ始まろうとしている。

2000年4月19日フランス初公開

1999年/アメリカ/カラー/87分/ドルビーデジタル/ビスタサイズ 配給:メディアスーツ

2002年02月28日よりDVD発売&レンタル開始 2001年11月17日(土)より俳優座トーキーナイトにてロードショー 以下全国順次公開

公開初日 2001/11/17

公開終了日 2002/01/18

配給会社名 0006

公開日メモ 伝説のカルト映画『ヘヴィメタル』から20年—。更にパワーアップしたスペクタクル・ノンストップ・アドベンチャー

解説



DC、マーヴェルの二大巨頭がキャラクター中心に築き上げてきたアメリカン・コミック界に、作家中心でアート志向の強いグラフィック・ノベルの衝撃を持ち込んだ雑誌『ヘヴィメタル』。フランク・フラゼッタ、リチャード・コーベン、バーニー・ライトソンといったスター絵師の重厚かつ華麗なビジュアル、エロティックでアダルトな世界観は「コミックは子供のもの」という概念を根底から覆し、全米の若者に熱狂的に迎えられた。また、雑誌を元に誕生したオムニバス映画『ヘヴイメタル』(81年)は、ロトスコ一プを多用た斬新なビジュアル・デサイン、ブール・オイスター・カルトやDEVO、ブラック・サバスなどを迎えた豪華なサウンドトラックで観るものをうならせた。だが、映画自体はカルト人気を博したものの、その後続編が製作されることはなく、やがて十年の歳月が流れた。子供向けのアニメーション映画に満足できない『ヘヴィメタル』の読者は、飛躍的な進歩をとけたティズニ一作品を横目で眺めながら、気合いの入ったアダルトなアニメメーションの登場を待った。
そして2001年、『ヘウィメタル』は銀幕に還ってきた。それも最強の布陣で!
『ヘヴィメタル FAKK2』のプロットを担当したのは、ニンジャ・タートルの生みの親として有名なケヴィン・イーストマン。それを当代随一の人気絵師サイモン・ビズレー(『バットマンVSジャッジ・ドレッド』、『LOBO』など)がビジュアライズしたこの映画は、雑誌『ヘヴィメタル』の魅力、つまりパワフルかつエロティックなヒロイン、細部まで描き込まれたメカの数々、銀河を股にかけたスケール感などを余すところなくブチ込んだ、まさにノンストップ・アドベンチャーてある。
86年にケヴィン・イーストマンか思いついたストーリーは、宇宙全体を巻き込んだ一種の宗教戦争ものとでも呼べるものである。そのアイデアを元にサイモン・ビズレーとエリック・タルボットが描き上げたグラフィック・ノベルが原作『MELTING POT』だ。96年に『ヘヴィメタル FAKK2』を映像化することに強く惹かれたが、まだ物足りなさを感じていた。そんなケヴィンの前に現れたのが、後に生涯の伴侶となったジュリー・ストレインその日とである。マンガから抜け出てきたかのようなスーパー・ボディのジュリーはケヴィンに新たなインスピレーションを与え、前作のコンセプトにジュリーを加えたものが、映画『ヘヴィメタル FAKK2』として結実することになった。
本作では“B級映画の女王”として君臨するダイナマイト・ボディ、ジュリー・ストレインがヒロインのモデルとなり、声優も兼ねている(実生活ではケヴィンの妻でもある)。また、悪役タイラーの声を演じるのは『スターシップ・トゥルーパーズ』のラズチャック中尉で健在ぶりを見せつけた“カナダのシャック・ニコルソン”ことマイケル・アイアンサイド。脇を固めるのは80年代ボップスタ一の大物にして、最近では、ウエディングシンカーにも出演していたビリー・アイドルだ。監督の一人、ミシェル・ルミールは、81年の『ヘヴィメタル』にアニメ一夕ーとして参加していた経歴を持つ。それもあってか、『ヘヴィメタル FAKK2』のヒロイン、ジュリーは前作の『ターナ』を思わせるほか、やはり前作の『デン』のそれとよく似たトカゲ人間たち(醜竜族)も登場、さらに、人間を狂気に導く謎の物体(前作ではロッククナーと呼ばれる謎のだった)などなど、ファンをニヤリとさせるディティールも充実。進化したCGによるド迫力の空中戦、極彩色を抑えた渋い色調など『ヘヴィメタル』らしさも満点だ。
重低音が鳴り響く漆黒の宇宙で、今、ジュリーの冒険が始まる。

text by Yoshiki Takahashi

ストーリー


宇宙の辺境にある小惑星で仲間と採掘作業を行っていたタイラー。そこで彼らは緑に輝く不思議な物体を掘り出す。タイラーがその物体に手を触れた瞬間、彼の体には恐るべき悪のパワーか宿ってしまう。悪の権化と化したタイラーは仲間たぢを殺して船を手に入れると、緑に輝く物体に導かれるまま、賢人たちの住む星ユロボリスを目指して進み始めた。ユロボリスには「闇の間』と呼ばれる場所が封印されており、緑に輝く物体は「闇の間」の封印を解くための「鍵」であった。封印されている「闇の間」の中には、飲む者に不死を与える命の水が勇いているという。その水は大昔に宇宙を支配した凶暴なる種族アラケシアンのパワーの根源であった。
最初にタイラーとその軍隊が向かったのは過度のバイオハザート地域でありFAKK2(連邦指定ケトン生成キルソーンレベル2)に指定されている惑星エデンである。だがそこはFAKK2とは名ばかりの、心穏やかな人々が住む平和な星であった。そこを徹底的に破壊し住民を惨殺し遺体を運び去るタイラ一。彼はエデンの住民たちの遺体が必要たったのだ。なぜなら、かつてこの星はアラケシアンが命の水の貯蔵庫として使用しており、それが染み込んだ大地を経由して、今でも住民たちの体の中には命の水の成分が残っているからだ。ひとり生き残った女戦士シュリーは自らファック(FAKK)ジュリーと名乗り、家族と仲間の復讐のためにタイラーの後を追う。
次にタイラーが向かったのは猥雑と退廃が支配する巨大な宇宙港ネオ力ルカッタ。その一画にあるクラブで快楽に耽るタイラーを、ジュリーは間違いなく蜂の巣にした筈だった。だが彼は死んでおらず手榴弾をばらまいて平然と去っていった。エデンの住罠たちの体から抽出した命の水の効力であった。ただしそれは一時的な効力しかない。なおもタイラーを追うジュリー。
ついにタイラーはユロポリスにやって来た。醜竜たちの住むジャンターという町の近くにたどりついた彼は、まず醜竜たぢを手なずけることに成功する。ジュリーもユロボリスに到着し、謎の賢人オーディン、岩石人間ジークと行動を共にすることになった。ジュリーは彼らに案内され賢人たちが守る聖地へと入る。「闇の間」はその中にあった。一方タイラ一は醜竜たちを率いて聖地を襲うべく進軍を開始する。もしタイラーが「闇の間」の封印を解き命の水を手に入れれば、彼は無敵の神となり宇宙の支配者になってしまう。それだけは阻上しなければならない。
そしていよいよ戦闘が始まった。裏切り者の出現によって、ジュリーたちの奮闘も空しくタイラーの軍隊は「闇の間」に向かって着実に進み、とうとう「闇の間」の眼前までやって来た。タイラーは「闇の間」に続く階段をひとり駆け上がる。それを見たジュリーも後を追い、タイラーとの一騎打ちがいよいよ始まった……。

スタッフ

エグゼクティブ・プロテューサー:ジャック・プチグルー、ヴェルナー・コ一二ク
                フィリップ・ディアス
ライン・プロデューサ一:ダニエル・ジュベール、ハスミッグ・マランジアン
プロテューサー:シャック・プチクルー、ミシェル・ルミール
監督:ミシェル・ルミール、マイケル・コールドウェイ
原作:ケヴィン・イーストマン、サイモン・ビスレー、エリック・タルボット
脚本:ロバート・ペイン・キャビーン
撮影:ブルーノ・フィリップ
編集:フリジット・ブロー
音楽:フレデリック・タルコーン
音響デザイナー:シルヴァン・プルゴー
美術監督:サイモン・ビズレー、ケヴィン・イーストマン
ポストプロダクション・ディレクター:マイケル・ワチニック、アンドレ=ジル・ガイニエ
                  クリスティーナ・ジャン
ボイスディレクター:マイケル・ドノバン
プロダクション・デザイナ一:八ーレイ・ブテラ
曲:ビリー・アイドル

キャスト

声の出演
ジュリー:ジュリー・ストレイン
タイラー:マイケル・アイアンサイド
オーディン:ビリー・アイドル
ケリー:ソ一二ャ・ボール
ジーク:リック・ジョーンズ
セント・ジョーメイン:ピエール・コール

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