原題:Home sweet hoboken

拝啓、ジョン・カサヴェテス様。こんな映画創りました——。 インディー映画へオマージュ

1999年/アメリカ映画/92min/カラー/ドルビーSR/アメリカンビスタ 製作:CUC+フジテレビジョン/配給:株式会社パルコ

2001年11月2日よりシネクイントにて日本凱旋レイト・ロードショー公開

(C)1999Home Sweet Hoboken LLC.

公開初日 2001/11/02

公開終了日 2001/11/16

配給会社名 0077

公開日メモ 『ホーム・スウィート・ホーボーケン』は、ニューヨーク大学在学中から映像クリエイターとして米国を拠点に活躍する俊英、細谷ヨシフミが、伝説の映画監督ジョン・カサヴェテスヘの憧れを形にした、日本人監督による生粋のアメリカ映画。

解説



『ホーム・スウィート・ホーボーケン』は、ニューヨーク大学在学中から映像クリエイターとして米国を拠点に活躍する俊英、細谷ヨシフミが、伝説の映画監督ジョン・カサヴェテスヘの憧れを形にした、日本人監督による生粋のアメリカ映画。
アメリカでインディペンデント映画を製作する者にとって、ジョン・カサヴェテスの存在は特別なもの。現代人の内に潜む葛藤、ダイレクトな感情表現、即興演出、そしてザラついた現実感から醸し出される映像テイストは、いまやインディの雄となったジム・ジャームッシュをはじめとする多くの映像作家たちに脈々と受け継がれている。
『バッファロー66』で強烈なカリスマ性を発揮した個性派監督ヴィンセント・ギャ□が、来日時のインタビューでカサヴェテスと比較され激怒したエピソードなど、良くも悪くもインディを語るには欠かせない存在だ。実際、カサヴェテス映画の常連、ベン・ギャザラが出演するというだけで、実に多くの俳優やスタッフを惹きつけることができたという『ホーム・スウィート・ホーボーケン』。監督の細谷は『チャイニーズ・ブッキーを殺した男』で、ギャンブルの借金で首が回らなくなったストリップ小屋のオーナーを哀愁たっぷりに演じたベン・ギャザラに憧れ、ダメもとで今回の出演を依頼。幸運にもギャザラ本人が脚本をいたく気に入り、ついに細谷の夢のキャスティングが実現した。
退屈な町ホーボーケンに突然降ってわいた1000万ドルの指輪をめぐってのドタバタ騒動。おカネがすべての若者VS人間中身で勝負の老人たちのストーリーが、コインの裏と表のように絶妙に交差しながら展開していくオフビート・コメデイ。
舞台のホーボーケンはハドソン川を挟んでマンハッタンを望むニュージャージー州の小さな町。ニュージャージーと言えば『クラークス』、『チェイシング・エイミー』のケビン・スミスが思い浮かぶが、そんなスミス作品にもよく登場するニュージャージーのホワイトトラッシュ(白人の落ちこぼれ)を主役にした、どこかジム・ジャームッシュや『ボトル・ロケット』のウエス・アンダーソンを紡佛させる、ちょっとオフビートでチャーミングなアメリカン・コメディに仕上がっている。
アメリカのサンダンス・チャンネルでもオンエアされ話題を呼んだ、『スリーピー・ヘッズ』から4年、ロスをベースに活躍する日本人監督、細谷ヨシフミがインディ映画の父、ジョン・カサヴェテスに捧げる、グローバル・スタンダード・ムービー『ホーム・スウィート・ホーボーケン』。NAKATA、ICHIRO、SHINJO等、世界での活躍がめざましいアスリートたちに続き、いよいよ映画界にも、ハリウッドにジャパニーズ・パワーを炸裂させるパイオニアが登場した。

ストーリー



泥棒がスクランブル、人生はギャンブル、
消えたダイヤは1000万ドル!?
全米の警察、マスコミ、エイリアンまでが大騒ぎのオフビート・コメディ。

死んだダンナの形見の指輪が、実は30年前にルーブル美術館から盗まれた世界的に有名な赤いダイヤモンドだったことが判明し、持ち主のベスおばあちゃんは一躍時の人に!案の定1000万ドルの指輪を狙ってあっちからこっちから、怪しい人物がぞくぞくと出没。なぜか孫たちも争奪戦に加わって、静かな下町ホーボーケンは大騒ぎ!
舞台はマンハッタンの川向こうにある小さな町ホーボーケン。ベス・フラワーズ(63)は夫を亡くしてからもこの町に住み続ける未亡人。同居人はいい年をしてヒゲ面でだらしない兄・ゲイブ(22)と香港映画マニアで同じくだらしのない弟・ブラッド(20)という、デキの悪いナマケモノの孫たち。働くのが大嫌いなゲイブとブラッドにベスはかなり辞易している毎日…。
そんなある日、ベスは古い宝石類を処分してヨー口ッパ旅行に出かけるつもりで鑑定師のジョージを家に呼ぶ。ガラクタを鑑定をするジョージに、ベスはペンダントとして身につけているダイヤの指輪もついでに鑑定してもらうことにする。「死んだ主人のくれた結婚指輪なの」。その指輪をルーペで覗いたジョージは震える手を必死に押さえてトイレに駆け込み、慌てて相棒に電話をかける。「最高の大穴だ!少なくとも10万ドルは固いぜ!」。ジョージは、その指輪をニセモノのガラス玉だと嘘をつき安く買い取ろうと試みるが、ベスは「ダンナの形見だから」と決して手離そうとしない。どうせ二束三文にしかならないのなら、思い出を大切にしょうと心変わりしたのだ。このジョージの電話を盗み聞きしたゲイブは大興奮。自分たぢのピザ屋を開く夢を持っていたゲイブとブラッドは、指輪を
盗む計画を企てる。
その頃ホーボーケンには、ルパン級に有名な宝石泥棒のウェンデル(65)と若いアジア系のコソ泥、ジョンが潜伏していた。二人はコンビで仕事を続けていたが、ジョンのあまりのドジぶりにたまりかねたウェンデルはコンビを解消。一方、指輪を手に入れるためにプロの仕事師を捜していたゲイブとブラッドは、クラブで偶然ジョンに出会う。香港映画マニアのブラッドは、ジョンを香港のアクション・スター、リー・リンチェイと勘違いし声をかけたのが運のつき。酔った二人はジョンに指輪の話をしてしまい、さらにゲイブは指輪を盗んでくれたら2000ドルを払うと、ジョンに約束してしまう。翌朝、さっそくジョンはベスを誘拐…したつもりが連れてきたのは隣人のキャシー。こうしてドジな孫たちの指輪強奪作戦は次々と失敗に終わる。
数日後、ベスが別の店で例の結婚指輪を鑑定してもらった結果、その宝石が実はルイ十五世の王冠と同じ「ラ・レジョン」という驚くべき歴史を持つ世界最高峰のダイヤであることが判明。このニュースはテレビでも大々的に報道され、ホーボーケンーの町は大騒ぎ。ベスは瞬く間に時の人となる。たまたまこのニュースを目にした大泥棒ウェンデルもまた大仰天。ふらっと立ち寄ったダイナーのテレビには、大学時代にひそかに恋心を抱いていたベスが映っていたのだ。
指輪の価値はなんと1000万ドルとも推定され、争奪戦はさらにヒートアップ。あっちこっちで繰り広げられるスクランブルな人間模様。おカネは本当にヒトをダメにするのか!?

スタッフ

監督・脚本:細谷ヨシフミ
プロデューサー:吉川優子、関口大輪(フジテレビ)
共同脚本:ニック・フェイズ、クリスト・アセフィ
エグゼクティヴ・プロデューサー:高橋勝(CUC)、河村雄太郎(フジテレビ)
共同エグゼクティヴ・プロデューサー:宅間秋史(フジテレビ)、篠木廣幸(CUC)
共同プロデューサー:ジル・ホーランド、ロビン・ニョール
アソシエイト・プロデューサー:エリック・コベロフ
撮影監督:ジェフリー・エプレット
編集:ナンシー・ノヴァック、ケイコ・デグチ
美術:ケ二一ス・マクレオド
衣裳:リン・ファルコナー
音楽:ジョシュア・ストーン
音楽スーパーバイザー:キャロル・スー・ベイカー、ジョナサン・ハフター
キャスティング:ロビン・ニョール

キャスト

ウェンデル:ベン・ギャザラ
ベス:エリザベス・アシュレイ
ゲイブ:ジェイスー・バルトック
ブラッドー:リー・ホルムズ
フォンタンブルー:アイザックー・バンコール
デブラスコ:トーマス・ジェイ・ライアン
キャシー:アイーダ・タトゥ一ロ
ジョン:ケン・ルン
スーザン:アナ・ギャステイヤー
ジョージー:リチャード・カインド
トワイラ:シャーリーズ・ミシェルセン
コニー:デビー・マテノポウロス
ホートーン:デッチコシ・トゥールマン
銀行員:デイヴ・コニグ
八ーヴ:アダム・ネルソン

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