ジャングル

コロンビア・トライスター・インターナショナル・テレビジョンが放つ、新世紀アクション・アドベンチャー大作！
アフリカの奥地に孤児として残された白人の少女が、猛獣たちに囲まれて成長し、ジャングルの王女として悪と闘う活躍を描く。原作は、Ｓ・Ｍ・アイジャーの人気コミック。
85年に日本でも放映されたＴＶ版『チャーリーズ・エンジェル』のタニア・ロバーツ主演作『シーナ』の再映画化である。主演はモデル出身のジーナ・リー・ノリン。彼女が特殊な力を使って動物に変身するシーンのＳＦＸを、『コンタクト』のジミー・ロバーツが手掛けている。監督は、同ジャンルの高回転作『イン・アマゾン』のジョン・カッサー。

【チェック・ポイント！】

　邦題及びジャケットからはちょっと判りにくいかもしれないが、上記のリリース資料にもあるとおり、本作はジャングル・ヒロインものアメ・コミ『シーナ』のＴＶドラマ化である。『シーナ』…あぁ、なんと懐かしくも甘酸っぱい響きだろう…てなことを思うのは、30代中・後半くらいの世代だと思う。そう、この原作84年に一度、大味帝王ジョン・ギラーミン監督の手により映画化されている。もっとも日本ではビデオ・バブルの頃にソフト化はされたけど、一般公開は地方併映のスプラッシュ公開扱いだった。それでも、同世代のジャンル・ファンの多くに、未だにこの作品を大切にしている（笑）ものが多い理由の大部分はのは、前作『ミラクル・マスター／７つの大冒険』の奴隷女役に続き、半裸っぽい原始ルック風ジャングル・コスチュームのヒロイン・シーナ役でボンクラ野郎どもを魅了した、タニア・ロバーツさまの力であることは間違いのないところ。『マッド・フィンガーズ』で、水着姿の所をハーヴェイ・カイテルに犯される姿も淫靡でドギマギさせられましたが、健康的なエロスと気持ち大人の魅力がミックスされた女ターザン風２作品の方がより思い入れは深いよね。
　というわけで本題のＴＶシリーズ版『シーナ』こと『ジャングル』ですが、ヒロインのシーナ役はモデル出身で、男女沢山水着物語な『ベイ・ウォッチ』シリーズに出ていたジーナ・リー・ノリン嬢。『チャーリーズ・エンジェル』からのタニア姐御とも通じるナイスなキャスティングって感じでしょうか。アンジェリーナ・ジョリーみたく、怖い域にまでは達していない程よさのへの字口が、いい感じだ。ジャングルで孤児となり育ったシーナが、動物の気持ちを感じ取ることによって動物に変身し、また泥塗りメイク姿で伝説の存在“ダラクナ”として、ジャングルの平和を乱すものと戦うという設定だが、モーフィングによる動物への変身シーン…例えば本ビデオのファアースト・エピソードの豹に変身する場面の下肢が変形・変身する場面など…は妙にそそられるっす。
　本ビデオは、伝説の怪物“ダラナク”探検ツアーのガイドをつとめるカッターとひょんなことから出逢ったシーナが、ジャングルを荒らしダイヤを根こそぎにしようとする悪徳鉱山業者と戦うファースト・エピソードと、墜落した軍事衛星の秘密を巡ってロシアとアメリカが秘密の奪取もしくは隠匿のために危機に瀕したジャングルを、シーナとカッターが救おうと奮闘するエピソードの２話構成となっている。シリーズ第１話にあたるファースト・エピソードはもとより、セカンド・エピソードもカッターの前歴が明かされるものだったりと、シリーズに最初にふれるにはもってこいの構成だ。あまりうっそうとした暗さが感じられないジャングルの描写など、ＴＶらしさを意識させる残念な部分もなくはないが、このビデオを見る限り、娯楽シリーズとしてはＯＫ！な感触で、是非続刊を期待したい。
（殿井君人）