原題:Life or Something Like It

キャリアあり。オトコあり。水曜日までは、完璧な人生だった。

2002年4月26日全米初公開

2002年/アメリカ映画/カラー/104分/シネマスコープ/ドルビーSR・SRD・DTS 字幕:古田由紀子 配給:20世紀フォックス

2010年06月25日よりDVDリリース 2007年12月21日よりDVDリリース 2007年05月25日よりDVDリリース 2003年11月21日よりDVD発売開始 2003年11月07日よりビデオレンタル開始 2003年7月26日より銀座シネパトス、新宿ジョイシネマにてロードショー

©2002 TWENTIETH CENTURY FOX FILM CORPORATION ALL RIGHTS RESERVED

公開初日 2003/07/26

配給会社名 0057

解説


 もし、自分があと1週間しか生きられないとしたら、あなたはどうするだろう。残された人生で、これまでとまったく違うことをする?それとも、自分が抱いてきた価値観を見直してみる?
 レイニー・ケリガンにとってこの質問はまったく縁のないものだった。輝くようなブロンドがゴージャスな美女レイニーは、シアトルのテレビ局の花形リポーター。今まさにネットワークで憧れのポストを手にいれようとしていた。彼女はテレビ界のセレブリティになるためにキャリア・プランを練り上げ、イメージに沿ってライフスタイルを作り変えてきた。物質的な豊かさに幸せを見出し、シアトル・マリナーズの首位打者、カルとの婚約にも大いに満足していた。完璧な仕事と完璧な住まい、完璧なファッションと完璧な恋人。レイニーは自分の人生は完璧だと思っていた。しかし、街角の預言者ジャックから自分の運命を告げられた時、すべては一変する……。
 「お前はあと1週間で死ぬだろう」。そう宣告されてからレイニーの“完璧な世界”はもろくも崩壊し、彼女は自分の人生を見直し始める。
 人生で最も大切なものは何?愛、それともキャリア?仕事、それとも家族?この映画は、レイニー・ケリガンというひとりのブロンド・ウーマンが真に輝く“ライフ”を見つけ出すまでの物語なのだ。
 アンジェリーナ・ジョリーに出演のオファーが入ったのは「トゥームレイダー」の苛酷な撮影が終わって休暇に入ろうとしていたころ。しかし、送られてきた脚本を読んでその素晴らしいメッセージに魅了された。見かけの成功ではなく、精神的な豊かさ。そこでは、彼女が常々思いを巡らしていたテーマが、軽やかなユーモアに包んで語られていた。そして、彼女は休みを返上し、初めてのコミカルな役柄に挑戦することになったのである。
 メガホンをとったのは「陽のあたる教室」「ロック・スター」のスティーヴン・ヘレク監督。彼は「この物語は、満たされることによって救われる心をテーマにしている」と語る。と同時に、ここには表面的なアメリカン・ドリームに対するコミカルな皮肉も込められている。自分の死と向き合って人生を見つめ直すことになったレイニーが本当の自分を見つけるまでの心の旅は、ユーモアと情感にあふれ、見る者の心を温かく包んでくれる。
 レイニーが自分にとって一番大切なものが何かに気づくにあたり、その成長の過程でキーパーソンとなるのが、犬猿の仲のカメラマン、ピートだ。“大嫌い”で始まる紆余曲折のラブ・ストーリーには、50年代の名作ロマンティック・コメディの楽しいフィーリングが漂っている。ピートを演じたのは、製作・監督・脚本・主演の4役をこなして高く評価された「マクマレン兄弟」や「彼女は最高」のほか、「プライベート・ライアン」や「15ミニッツ」にも出演しているエドワード・バーンズ。ジョリーとのジョークや毒舌のキャッチボールをして大いに笑わせてくれる。
 物語の発端を作る重要なキャラクターである預言者ジャックには「バーバー」「13ゴースト」のトニー・シャローブ。レイニーが憧れていた女性キャスターには「私に近い6人の他人」でアカデミー賞にノミネートされ、最近ではテレビシリーズ「ザ・ホワイトハウス」の大統領夫人として活躍しているストッカード・チャニング。要所を押さえた心憎いキャスティングだ。
 また、隙のない完璧な衣裳とプラチナ・ブロンドのヘアーでジョリーを50年代の悩殺的な女優を思わせる美女へと変身させたのは、「カラーパープル」の衣裳でアカデミー賞にノミネートされたアギー・ジェラルド・ロジャース。撮影はデ・パルマ監督とのコラボレーションで知られるスティーヴン・ブラム。「ドクター・ドリトル2」「アイス・エイジ」のデヴィッド・ニューマンがスコアを提供している。

ストーリー


 レイニー(アンジェリーナ・ジョリー)はシアトルにあるテレビ局の人気リポーターで、ブロンド・ヘアーにブランド物のスーツが似合うゴージャスな美女。全米ネットのキャスターを目指している彼女は、同僚のアンドレア(メリッサ・エリコ)とジムに通って必死に外見を磨いていた。モダンなインテリアに囲まれた豪華なマンションのベッドで一緒に目覚めるフィアンセは、シアトル・マリナーズの首位打者カル(クリスチャン・ケイン)。それはレイニーが夢に描いた通りの“完璧な人生”だった。
 レイニーの憧れはテレビ界のスター、デボラ・コナーズ(ストッカード・チャニング)。そして、レイニーが第2のデボラになる日はすぐ目の前まで来ていた。系列ネット局の番組「AM USA」の新キャスターに推薦されることになったのだ。ただし、全米ネットで通用する人材になるために、ボスからキャリアが長いカメラマン、ピート(エドワード・バーンズ)と組むことを命じられる。不満そうなレイニー。ピートとはいつも口論になるからだ。
 木曜日。レイニーとピートは街角の預言者ジャック(トニー・シャローブ)の取材に出かけた。まるでホームレスのようなジャックは、「今夜NFLの試合でシアトル・ホークスが19対13で勝ち、翌朝にひょうが降る」と預言する。天気予報で“晴れ”だと知っていたレイニーが預言を疑うそぶりを見せると、ジャックは「来週の木曜にあなたは死ぬ」と宣告する。きっとピートが企んだヤラセに違いない。しかしその夜、シアトル・ホークスは本当に19対13で勝利した。
 金曜日。レイニーはひょうの降る音で目覚めた。あわてて病院へ駆けつけるが「シアトルで一番健康」だと太鼓判を押される。ピートに問い詰めるが、彼はヤラセはやっていないと断言する。
 レイニーは暗い気分のまま、誕生日を祝うために父親の家を訪ねた。工場で25年間働き続けた父は、レイニーのキャリアには無関心。満ち足りた家庭生活を送っている姉グエンは、レイニーのプレゼントが去年と同じものだったことをなじる。帰宅したレイニーはニューヨークにいるカルに電話して相談しようとするが、彼は親身に聞こうとはしない。夜になって、レイニーはジャックのもとを訪れた。彼のほかの預言が当たらなければ、自分の命も助かるかもしれないと思ったのだ。金を渡して聞き出した預言は、翌朝9時6分にサンフランシスコで地震が起きるというものだった。
 土曜の朝。9時6分になってもテレビのニュースに変化はない。10分が経過し、レイニーは有頂天になった。とその時、発生から20分以上もたって地震の速報が流れ始める。絶望のどん底に突き落とされるレイニー。彼女が向かったのは、なぜかピートの家だった。かつて酔った勢いでベッドインした過去を持つ二人。一夜の誤りだったという思いが二人の仲をぎこちなくさせていた。ピートは「もし僕が1週間で死ぬなら、友人を訪ねて思い出を作る。大事な人に、言いたくても勇気がなくて言えなかったことを言う。預言は一つの解釈だから、運命を変えれば結果も変わる」と、“仕事が命”の生き方が問題だとレイニーを諭す。
 レイニーは姉の家に向かった。母が死んで以来、スレ違いが続いていた家族。レイニーは、豪邸で良い妻を演じていた幸せそうな姉が実は悩みを抱えていたことに気づく。
 日曜日。カルが帰ってくると部屋の中は散らかり放題。レイニーはコンタクトをはずして分厚いメガネをかけ、タバコを吸い、シャワーも使おうとしない。驚くカルにレイニーは二人が一緒に生きる理由を問いただした。堅い話が苦手なカルは彼女を連れて野球場に行き「ボールを打てば悩みも吹っ飛ぶ」とトンチンカンな対応。二人に破局が訪れるのは当然のことだった。
 月曜日。バス運転手のストの現場に、レイニーは酔っ払って現れた。生中継だというのに、ぐしゃぐしゃの髪にパジャマのズボンといういでたち。しかも、運転手の主張に賛同したのか、突然、ストーンズの「サティスファクション」を歌い出す。歌はあっという間にデモ隊や警備の警察官、街中でテレビを見ている人々、中継しているテレビ局員の間へと広がっていく。
 火曜日。レイニーはピートの寝室で目を覚ました。昨日の取材の後,酔いつぶれた彼女をピートが連れて帰ったのだ。ビデオで昨日の騒動を見て「人生おしまい!」と叫ぶレイニー。「人生には仕事より大切なことがある」とピート。彼が別れた妻と一緒に暮らしている息子を学校に迎えに行き、3人は遊園地に行ったりレコード店を覗いたりして楽しい時を過ごした。ピートは息子と会うために、ニューヨークからシアトルヘとやってきたのだった。その夜、二人はごく自然に結ばれた。
 水曜日。クビを覚悟で局に向かったレイニーは拍手で迎えられた。あの中継を見たネットワークが彼女の採用を決め、翌日、ニューヨークに来てほしいと連絡してきたのだ。初仕事は憧れの人デボラ・コナーズヘのインタビュー。大喜びするレイニーを、ピートは暗い表情で祝福する。「一緒に来て」と言うレイニー。「君は永遠に満足できない女だ。僕は違う。ここの生活に満足している」と、冷たい言葉を返すピート。
迎えのリムジンに乗って空港へ向かう途中、レイニーは父の家に寄った。今まで彼女は、父のお気に入りは姉だと思っていた。しかし、父がレイニーの子供時代のビデオを大切にしているのを見て、姉妹を同じように愛していたことに気づかされる。一方、ピートはまたしてもジャックの預言が当たって飛行機事故が起こったのを知り、レイニーの後を追おうとしていた。
 木曜日。ニューヨーク。レイニーは無事にインタビューを終えることができるのか?ピートは彼女の命を守ることができるのか?“満足できない女”に金曜日はくるのか…!?

スタッフ

監督:スティーブン・ヘレク
脚本:ジョン・スコット・シェパード、ダナ・スティーヴンス
製作:アーノン・ミルチャン
   ジョン・デイヴィス
   チー=リー・ウォン
   トビー・ジャッフェ
製作総指揮:リック・キドニー
      ケン・アチティ
      テディ・ジー
原案:ジョン・スコット・シェパード
編集:トゥルーディ・シップ
撮影:スティーヴン・ブラム,ASC
美術:ビル・グルーム
キャスティング:シャロン・バイアリー,CSA
音楽総監修:バド・カー
作曲・指揮:デヴィッド・ニューマン
衣装:アギー・ジェラルド・ロジャース
配給:20世紀フォックス

キャスト

アンジェリーナ・ジョリー
エドワード・バーンズ
トニー・シャローブ
メリッサ・エリコ
ストッカード・チャニング
クリスチャン・ケイン
ジェームズ・ギャモン
リサ・ソーンヒル
グレッグ・イッジン
マックス・ベイカー
アンドロメダ・ダンカー
ジェシー・ジェームズ・ラザフォード
ヴィーナ・スッド
エリック・スネルマン
セロン・ザーン

LINK

□公式サイト
□IMDb
□この作品のインタビューを見る
□この作品に関する情報をもっと探す
http://www.lifeorsomethinglikeit.com/
ご覧になるには Media Player が必要となります