原題:Hart's War

200人の命か、ただ1つの正義か。 前線は、それぞれの心の中にあった。

2002年/アメリカ映画/カラー/スコープサイズ/ドルビーSR・ドルビーデジタル・SDDS・DTS/125分/ 字幕翻訳:菊池浩司/サウンドトラック:ユニバーサルミュージック 配給:ギャガ・コミュニケーションズ

2004年09月08日よりDVD発売開始 2003年02月21日よりDVD発売開始 2002年9月28日(土)より丸の内ルーブル他、全国松竹・東急系にてロードショー

公開初日 2002/09/28

配給会社名 0025

公開日メモ 想像を超えるサスペンス・ミステリー超大作!ブルース・ウィリスとスピルバーグ監督『マイノリティ・リポート』に抜擢された新鋭コリン・ファレルが激突! 二人の<心の闘い>と感動的な結末の行方は!?

解説


想像を超えるサスペンス・ミステリー超大作!

ブルース・ウィリスとスピルバーグ監督『マイノリティ・リポート』に抜擢された新鋭コリン・ファレルが激突!
二人の<心の闘い>と感動的な結末の行方は!?

スペクタクル映画の醍醐味、謎解きサスペンス・ミステリーの妙味、そして、人間の究極の選択をみつめたヒューマンなドラマ。3つの魅力のエッセンスが極上のハーモニーを奏でるビッグな話題作が本作「ジャスティス」である。捕虜収容所という極限状況の中で、真実の追求と大義の選択を迫られる若きエリート将校ハート。鍵を握る叩き上げ軍人のマクナマラ大佐。彼らの<心の闘い>をドラマチックに描き出した本作は、ナチスがアメリカ人を裁く軍事法廷と、同一軸で進行する脱走計画というエキサイティングな状況のもとで、物事の本質に辿り着く若者の心の旅を壮大に問いかける骨太のサスペンス・ミステリー超大作だ。
ドイツ軍捕虜収容所のアメリカ人区画をメインのステージにした物語を、ダイナミックに動かしていくのは二人の登場人物。一人は、26歳の法学生トーマス・W・ハート中尉。親のコネで中尉の肩書きを与えられた彼は、周囲から「世間知らずのお坊ちゃん」とみなされ、収容所内でも孤立した立場に立たされる。もう一人は、アメリカ人捕虜を統括する立場にあるウィリアム・A・マクナマラ大佐。ナチスの大佐からも一目置かれている彼は、他の何よりも任務を重んじる誇り高きプロの職業軍人だ。この二人が、アメリカ人捕虜の間で起こった殺人事件の裁判をめぐって真っ向からぶつかりあう。被告の冤罪を晴らすことを目的に、真実と正義を追い求めるハートと、その真実と正義に目をつぶることで軍人としてのより大きな目的を達成しようとするマクナマラ。彼らの葛藤から浮き彫りにされるのは、「人間として何が正しい生き方なのか?」という根源的な問いかけだ。その果てに、二人が下すそれぞれの決断。裁判と脱走計画が並行して行われる緊迫した状況のもと、正義でも大義でもなく、自らの胸に抱いた信義を貫く道を選ぶハートとマクナマラの姿には、誰もが熱い感動を覚えずにはいられないだろう。
ハート中尉を演じるのは、『タイガーランド』(00)でボストン映画批評家協会の主演男優賞を受賞したコリン・ファレル。本作のあと、スピルバーグ監督、トム・クルーズ主演の『マイノリティ・リポート』の大役を射止めた彼は、ハリウッドの次世代を担うスターとして注目を集める期待の新星。そのハートの前に立ちはだかるマクナマラ大佐には、『アルマゲドン』(98)、『シックス・センス』(99)のスーパースター、ブルース・ウィリス。ここではドッシリと風格のある演技を披露、多層的に織り上げられたドラマの重みをいっそう確かなものにしている。
脇を固める役者陣も個性的な顔ぶれがそろった。殺人事件の被害者になるベッドフォードには、『ハイロー・カントリー』(98)、『ピッチブラック』(00)のコール・ハウザー。ベッドフォード殺しの犯人として裁判にかけられるスコット中尉には、『グリッター きらめきの向こうに』(01)、ジェニファー・ロペス主演『Angel Eyes』(01)のテレンス・ハワード。また、ベッドフォードの手で罠にはめられるアーチャーには、『ザ・ハリケーン』(99)のレズラ役で強い印象を残したヴィセラス・シャノンが扮している。

現代ハリウッド最高のストーリー・テラーの一人
『真実の行方』『オーロラの彼方へ』のグレゴリー・ホブリット監督

監督は、巧みなストーリー・テリングで定評のあるグレゴリー・ホブリット。監督デビュー作の『真実の行方』(96)ではスリリングな法廷サスペンスに、そして『オーロラの彼方へ』(00)では父と子の絆を描くヒューマンなドラマに才能を発揮した彼にとって、両方の要素を兼ね備えた本作は、またとない題材。加えて、今回は大規模なアクション・シーンにも腕の冴えを見せ、全編を堂々の大作にまとめあげている。またホブリット監督は新鋭俳優の発掘にも定評があり、『真実の行方』ではエドワード・ノートンを、『オーロラの彼方へ』ではジム・カヴィーゼルを、そして本作ではコリン・ファレルを起用。その確かな目は本作でも健在といえる。
『理由』(95)の原作者としても知られるジョン・カッツェンバックの小説を、超一級の脚本に仕立てたのは、『ボルケーノ』(97)のビリー・レイと、『父の祈りを』(93)でオスカー候補になったテリー・ジョージ。撮影は、『オーロラの彼方へ』に続いてホブリット監督と組むアラー・キヴィロ。編集は、『真実の行方』、『オーロラの彼方へ』でホブリット監督と組み、『インサイダー』(99)でオスカー候補にあがったデヴィッド・ローゼンブルーム。音楽は、『エマ』(96)でアカデミー賞を受賞し、『サイダーハウス・ルール』(99)、『ショコラ』(00)でも同賞の候補になったレイチェル・ポートマンが手がけている。

ストーリー



トーマス・W・ハート(コリン・ファレル)は、イェール大学で法律を学ぶ26歳の青年。1944年、徴兵されてヨーロッパ戦線に送られた彼は、父親が上院議員だったことから中尉の肩書きを与えられ、ベルギーのアメリカ軍司令部で安全な任務についていた。しかし、上官を空挺部隊本部へ送り届ける途中、米兵になりすましたドイツ軍に捉えられた彼は、拷問を受け、連合軍の秘密を白状したことで殺されずに、バルジの戦いで捕虜になった兵士らと共にアウクスブルク郊外のドイツ軍捕虜収容所へ送られる。
ナチスのビッサー大佐(マーセル・ユーレス)が管理する収容所で、ハートが最初に目にしたもの——それは、ロシア人捕虜たちの公開処刑だった。ドイツ軍の残忍な歓迎のやり方に、憤りと恐怖を覚えるハート。しかしそれよりも彼の注意をひいたのは、処刑された兵士に向って敬礼を捧げるウィリアム・A・マクナマラ大佐(ブルース・ウィリス)の姿だった。マクナマラは、アメリカ人捕虜のリーダーで、ビッサーからも一目置かれる存在だった。さっそく彼のもとで事情聴取を受けたハートは、拷問のことを偽り、マクナマラから「嘘つき」のレッテルを貼られ、一般の兵士と同じCバラックの宿舎に送られる。
その宿舎の中心人物は、ベッドフォード(コール・ハウザー)という名のメンフィス出身の2等軍曹だった。調達屋をする彼から新しいブーツをプレゼントされたハートは、陽気でタフなベッドフォードに好感を抱く。しかし、まもなくその印象が覆される出来事が起こる。同じCバラックに同居することになった黒人少尉のスコット(テレンス・ハワード)とアーチャー(ヴィセラス・シャノン)に対して、ベッドフォードがあからさまな人種差別の行為に出たのだ。それはエスカレートする一方で、ついにベッドフォードの罠にはめられたアーチャーがナチスに処刑される事態にまで発展する。
だが、事はそれだけではすまなかった。米軍の空襲があった晩、アメリカ人区画にある劇場の裏手でベッドフォードの死体がみつかり、スコットが犯人として逮捕されたのだ。現場に駆けつけたマクナマラは、ビッサーに対して裁判の開催を要求。ハートをスコットの弁護人に指名し、自分にすべてを報告するように命じる。ナチスが陪審員を務める茶番劇の主役に、自分が非力であるがゆえに指名されたことに気づき、歯がゆい思いにかられるハート。しかし、スコットの無実を信じる彼は、情報をよこせと迫るマクナマラと対立しながら、真実を探る道を歩み出す。
その間も絶え間なくのしかかる、マクナマラのプレッシャー。彼は、なぜこれほどまで自分のシナリオどおりに裁判が進むことを望むのか?自身も若き日にアメリカへ留学し、イェール大学で学んだナチスのビッサー大佐は、アメリカ人捕虜の中に芽生えた対立を楽しむかのようにハートの弁護活動に影で協力する。疑惑にかられながらも調査を進めていったハートは、やがて驚くべき事実をつきとめる。それは、マクナマラを首謀者とするアメリカ人捕虜達が、裁判の最終日<評決の日>に、劇場の地下に掘ったトンネルを通じて脱走する計画だった。計画を知ったハートは、スコットの命の重さをかえりみず、裁判でナチスを引き付け、脱走劇の隠れ蓑に利用しようとしたマクナマラに激しく詰め寄る。
 同時にベッドフォード殺人事件の犯人と真相を知ったハートに、最後の日は刻一刻と近づく。葛藤にさいなまれ、心を引き裂かれる思いで最終弁論の法廷に立つハート。果たして彼は、どんな決断を下すのか!?
 そしてハートの下した決断を知った、マクナマラがとった行動は・・・。

スタッフ

監督:グレゴリー・ホブリット
脚本:ビリー・レイ、テリー・ジョージ
製作:デヴィッド・ラッド、デヴィッド・フォスター、アーノルド・リフキン
製作総指揮:ウルフガング・グラッツ
原作:ジョン・カッツェンバック
撮影監督:アラー・キヴィロ
美術:リリー・キルバート
編集:デヴィッド・ローゼンブルーム
衣装:エリザベータ・ベラルド
音楽:レイチェル・ポートマン

キャスト

ウィリアム・A・マクナマラ大佐:ブルース・ウィリス
トーマス・W・ハート中尉:コリン・ファレル
リンカーン・A・スコット少尉:テレンス・ハワード
ヴィック・W・ベッドフォード軍曹:コール・ハウザー
ワーナー・ビッサー大佐:マーセル・ユーレス
ピーター・A・ロス大尉:ライナス・ローチ
ラマー・T・アーチャー少尉:ヴィセラス・シャノン

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