原題:Legally Blonde

女は知性とハートで勝負する。

2001年7月13日全米初公開

2001年/アメリカ/シネマスコープ/SR・DTS・SDDS/1時間36分/字幕スーパー翻訳:戸田奈津子 配給:20世紀フォックス

2010年06月25日よりDVDリリース 2007年11月21日よりDVDリリース 2002年11月08日よりDVDセル&レンタル開始 2002年10月25日よりビデオ発売&レンタル開始 2002年4月27日より渋谷東急3系にて公開

公開初日 2002/04/27

配給会社名 0057

解説


超大作がひしめきあった2001年のサマー・シーズン、7月第2週の全米チャートを征したのは、製作費わずか1800万ドルの映画だった!
トータルで1億ドルに迫るスーパー・ヒットを記録し、はやくもパート2の製作が決定したその映画のタイトルは、『キューティ・ブロンド』。ハーバード・ロー・スクールに入学した天然ブロンド娘が、持ち前のポジティブさで周囲の偏見をクリア。一人前の法律家としてサクセスをつかまえていく姿を痛快モードで描いたこの作品は、見る人すべてに元気をくれる人生応援ムービーだ。
映画の公開と同時に全米中を虜にしたヒロインの名は、エル・ウッズ。全身ブランド・ファッションのお軽いブロンド娘が、ハーバードで生き残れるわけがない。周囲の色眼鏡を、めげない&落ち込まない精神ではじき飛ばし、どこまでも自分らしさを貫きながら胸のすく快進撃を続けるエル。見る者に爽快感と共感を与え、自分を信じる心を教えてくれる彼女は、『ワーキング・ガール』のべスや『エリン・ブロコビッチ』のエリンと同じく、<中身で勝負>のヒロインだ。そんなエルに、とびきりキュートな輝きを与えたのは、『クルーエル・インテンションズ』でブレイクし、『ハイスクール白書/優等生ギャルに気をつけろ』でゴールデン・グローブ賞候補にあがったリーズ・ウィザースプーン。自らもスタンフォード大学に在籍していた才媛の彼女は、ライアン・フィリップとの結婚と出産を経てますます輝く新世代のスター。今回は、「美しさ、知性、コメディのひらめき、そして天然ブロンドという、キャラクターに求められるすべてをリーズは備えていた」と、プロデューサーのマーク・プラットも太鼓判を押すハマリ役を得て、ジュリア・ロバーツに負けないアメリカの恋人の魅力を開花させている。
そのリーズを取り巻く共演者にも、注目の若手が勢揃いした。エルにロー・スクール入りのきっかけを与える政治家志望の恋人ワーナーを演じるのは、『タイガーランド』でヘミングウェイに憧れるインテリ志願兵を好演したマシュー・デイヴィス。エルの才能と本当の魅力を理解し、良きパートナーになるエメットには、『チャーリーズ・エンジェル』でキャメロン・ディアスのハートを射止めた男として、はたまたグウィネス・バルトロウの新恋人として脚光を浴びるルーク・ウィルソン。さらに、ワーナーの新しい婚約者で、のちにエルと女同士の友情で結ばれるヴィヴィアンには、『クルーエル・インテンションズ』のセルマ・ブレアが扮し、再共演のリーズと息ぴったりのライバル合戦を見せてくれる。
彼う若手を支えるのは、『タイタニック』のヴィクター・ガーバー、『アメリカン・パイ』のジェニファー・クーリッジ、『トゥルーマン・ショー』のボーランド・テイラーといった芸達者な演技陣。また、エルが手がける裁判の重要証人の役どころで、往年のグラマー女優ラクエル・ウェルチがゲスト出演しているのも見逃せない。
実際のロー・スクールの経験を元に書かれたアマンダ・ブラウンの小説を、ポップでカラフルな脚本に仕立てのは、『恋のからさわぎ』でデビューを飾ったカレン・マックラー・ラッツとキルステン・スミスの女流脚本家コンビ。ラッツは、エルと同様に大学でファッション販促を学び、女性社交クラブに在籍していた経歴の持ち主。その実体験をエルの世界の創造に惜しみなく反映させた脚本は、ファッショナブルな魅力にあふれている。劇中のエルが身につけるのは、プラダの靴やファー付きのボールペンといったビバヒル流の可愛いゴージャスなアイテム。それをひっさげてハーバードに乗り込んでいったエルが、トレーナー姿のアイビーリーガーの間に旋風を巻き起こす様子は、西海岸と東海岸のカルチャー・ギャップを物語るおかしさでいっぱい。後半、法廷に立つことになったエルが、ファッションと美容の知識をフル活用して裁判を有利に導いていく展開にも、女流脚本家ならではのビビッドな感性がおおいにいかされている。
監督は、地元オーストラリアで数々の短編を製作、この作品でハリウッド・デビューを飾ったロバート・ルケティック。エルをはじめとする登場人物の個性を引きたてながら、小気味良くエピソードを展開させるストーリー・テリングの腕前は、新人離れしたウマさ。美容院で繰り広げられるダンス・シーンに、『ベスト・フレンズ・ウェディング』のP・J・ホーガン監督に通じるミュージカル的なセンスも発揮している彼は、このあとミラマックスと3本の契約を結び、はやくも売れっ子の仲間入りを果たしている。
新鋭ルケティックをサポートするのは、ニコラス・ローグとのコラボレーションで知られる名撮影監督のアンソニー・B・リッチモンドをはじめとするベテランのスタッフたち。プロダクション・デザインは、『グッド・ウィル・ハンティング/旅立ち』などガス・ヴァン・サント作品でおなじみのメリッサ・スチュアート。編集は、アニタ・ブラント・バーゴインと、サム・ペキンパー作品で知られるガース・クレイブン。音楽は、『ベティ・サイズモア』『恋する遺伝子』のロルフ・ケント。オープニングに流れるHokuの軽快な”Perfect Day”も作品の魅力を増している。ボッテガ・ベネタ、モスキーノなどのブランドを起用した衣装は、ホイットニー・ヒューストンやREMのミュージック・ビデオで活躍するソフィー・デ・ラコフ・カーボネルが手がけている。

ストーリー



エル・ウッズ(リーズ・ウィザースプーン)は、ベル・エア育ちの天然ブロンド娘。ファッション販促を専攻する大学の成績は優秀で、女性社交クラブの会長をつとめるほどの人気者。自分を磨く努力を惜しまず、日夜ブランド研究にいそしむ彼女は、100%ビバヒル・ライクな人生をエンジョイしていた。そんなエルが何よりも心待ちにしていたのは、政治家をめざす恋人ワーナー(マシュー・デイヴィス)のプロポーズの言葉。しかし、運命のデートの日、ワーナーが切り出したのは、予想外の別れ話だった。「君はあまりにブロンドすぎる。議員の妻にマリリン・モンローはふさわしくない」
まさかの展開に、目の前が真っ暗になるエル。と思いきや、根はあくまでもポジティブなエルのこと。ハーバードのロー・スクールに進学するワーナーが、そこで花嫁候補をみつけるつもりだと気づいた彼女は、自分もハーバードに入ってワーナーとヨリを戻そうとファイトを燃やす。
ロー・スクール入学の条件は、LSATと呼ばれる検定試験で175点以上を取ること。エルも友人の応援を背に日夜猛勉強を開始。その甲斐あって試験の難関を突破した彼女は、コッポラ制作の、ビキニ姿でキメた自己PRビデオの効果も手伝って、見事合格通知を手にした。
だが、本当の試練はその後に待ちうけていた。チワワの愛犬ブルーザーとボッテガ・ベネタのバッグを抱えてハーバードに乗り込んだエルは、質実剛健をモットーにする象牙の塔では浮きまくった存在。ストロムウェル教授(ホーランド・テイラー)の最初の授業では、宿題を忘れたと言われて教室から追い出される始末。おまけに、再会したワーナーは、夏休みのあいだに婚約者をみつけていた。彼女ヴィヴィアン(セルマ・ブレア)は、エルの追い出しに加担したイヤミなエリート女。彼女の指に輝くハリー・ウィンストンの婚約指輪を見せつけられ、エルのむかつきは頂点に達する。
彼女が向ったのは、地元の美容室。「ロー・スクールに入った努力が無駄になったのよ!」と、マニキュア係のポーレット(ジェニファー・クーリッジ)に心の憂さを吐き出すエル。そんな彼女に、男運の悪さでは負けないポーレットは、「愛しているなら彼を取り戻すの!」と、エールを贈る。それからというもの、ポーレットはエルの無二の親友になった。
気を取りなおしたエルは、ワーナーたちの勉強会に入れてもらおうと積極アプローチ。しかし、ヴィヴィアンに入会を阻止されたうえ、彼女の言葉にだまされてパーティヘバニーガールの扮装で出かけていき、赤っ恥をかかされてしまう。そんなエルの姿を見かね、「君には別の道がある」と諭すワーナー。だが、この言葉が逆にエルのやる気に火を着けた。
キャラハン教授(ヴィクター・ガーバー)の授業で優秀な成績をあげ、裁判の助手に選ばれてみせる。新たな目標に向けて燃えあがったエルは、ハート型のメモ帖をiBookに持ち替え、積極的に授業に参加。精子提供の裁判をめぐる議論でワーナーを打ち負かし、キャラハンの注目を集めることに成功する。
そんなエルが、いよいよ実力を発揮するチャンスが訪れた。難しい殺人事件の弁護をつとめることになったキャラハンが、ワーナーやヴィヴィアンと共に、エルを助手に指名したのだ。奇しくも被告のブルック(アリ・ラーター)は、エルの社交クラブの先輩だった。
キャラハンを筆頭に、ブルックの弁護にあたるチームは、無罪を主張しながらもアリバイを隠し通すブルックを事件の犯人とみなしていた。しかし、彼女の無実を信じるエルは、秘密厳守の姉妹の誓いのもと、ブルックからアリバイを聞き出すことに成功する。
その活躍ぶりに人一倍心動かされた人間がいた。チームの新鋭弁護士エメット(ルーク・ウィルソン)だ。授業の初日、教室を追い出されて落ち込んでいるエルに励ましのアドバイスを与えて以来、エルを見守り続けてきた彼は、依頼人の心を開く術に長け、ユニークな角度から物事を捉えていくエルに優れた法律家の才能と女性としての魅力を見出していた。そして、あれほど反目しあっていたヴィヴィアンも、キャラハンにさからってまでブルックとの約束を守り通そうとするエルに、アッパレな思いを抱くようになっていった。
いよいよ裁判が始まった。ブルックは相変わらずアリバイを明かそうとせず、夫殺しの罪で起訴された彼女との浮気を告白するプール係のTバック男の証言に、弁護チームは苦戦を強いられる。そんなとき、休憩時間にすれ違ったプール係に靴のブランドがプラダだと言い当てられたエルは、彼がゲイだと直感。その情報をエメットが反対尋問に使ったことから、ブルックの浮気の事実は覆され、裁判は振り出しに戻った。
さっそくキャラハンからお褒めの言葉をもらったエルは、彼の事務所で見習い弁護士にならないかと誘われる。実力を評価され、エルは大喜び。だがそれも束の間、キャラハンはエルのスカートに手をのばしてきた。彼の目的が最初からセクハラだったことに気づき、激怒するエル。「ゲス野郎」の捨てゼリフと共に外へ飛び出した彼女は、弁護チームも学校もやめて故郷へ帰ろうと決意する。
この経緯をエメットから知らされたブルックは、次の裁判でキャラハンを解任。自分の運命を託す新しい弁護士を雇い入れた。その弁護士こそ、エル。ピンクのスーツ姿で颯爽と法廷に入場した彼女は、エメットを後見人に反対尋問の大舞台へ。果たしてエルは、この裁判に勝利することができるのだろうか!?

スタッフ

監督:ロバート・ルークティック
プロデューサー:マーク・プラット&リック・キドニー
脚本:カレン・マックラー・ラッツ&キルステン・スミス
原作:アマンダ・ブラウン
撮影監督:アンソニー・B・リッチモンド
プロダクション・デザイン:メリッサ・スチュアート
編集:アニタ・ブラント・パーゴイン&ガース・クレイブン
共同プロデューサー:デヴィッド・ニックセイ&クリスチャン・マクローリン
衣裳デザイン:ソフィー・デ・ラコフ・カーボネル
音楽:ロルフ・ケント
音楽スーパーバイザー:アニタ・カマラータ
キャスティング:ジョセフ・ミッドルトン

キャスト

エル・ウッズ:リーズ・ウィザースプーン
エメット:ルーク・ウィルソン
ヴィヴィアン:セルマ・ブレア
ワーナー:マシュー・デイヴィス
キャラハン教授:ヴィクター・ガーパー
ポーレット:ジェニファー・クーリッジ
ストロムウェル教授:ホーランド・テイラー
ブルック・テイラー・ウィンダム:アリ・ラーター
マーゴット:ジェシカ・コーフィール
セレナ:アランナ・ウバック
デヴィッド:オズ・パーキンス
チャツニー:リンダ・カーデリーニ
UPSの配達員:ダルース・卜一マス
イニッド:メレディス・スコット・リン
エンリケ:グレッグ・セラーノ
ウィンタム・ヴァンダーマーク夫人:ラクエル・ウェルチ

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