原題:KURO NO TENSHI 2

銃を枕に眠れ

1999年日本映画/カラー/配給:松竹

2001年7月25日DVD発売 1999年11月13日より公開

公開初日 1999/11/13

配給会社名 0003

解説

“黒の天使”が再び舞い下りた。

女殺し屋・魔世は、ある暴力団幹部の暗殺という任務の遂行に失敗してしまう。この事件を契機に、夫を失うこととなった花屋のすず、組長のボディガードで、誤ってすずの夫を撃ってしまった山部、そしてかつて暴漢に襲われた所を山部に救われた魔世、3人の運命が奇妙にもつれ合っていく…。
81年から「ヤングコミック」に連載された石井隆の同名劇画をベースにしたこのシリーズ、前作『黒の天使vol.1』では、葉月里緒菜、高島礼子の二人の天使が華麗に暴れまくり強烈なアクションシーンを見せてくれたが、今回ヒロインの“黒の天使”魔世を演じるのは、映画、ドラマ、舞台にと幅広く活躍、その中性的魅力で男性、女性を問わずファンを魅きつける天海祐希。宝塚歌劇団で鳴らしただけあり、激しいアクション・シーンを始めすべての身のこなしにキレがあり、格好良くさまになっている。そして、その殺し屋としての強さとは裏腹に、10年前に負った心の傷を未だ癒せずにいる哀しみや弱さが魔世というキャラクターをより魅力的にみせている。この「強さと弱さ」、「明と暗」がそのまま映画全体に深みを与えている。21世紀を目前に、ここに新たなるアクション・ヒロインが誕生した!
共演は、魔世を10年前に暴漢から救ったことがあり、誤って一般市民であるすずの夫を撃ってしまう暴力団組長のボディガード・山部役に『トカレフ』の大和武士。ボクシングで鍛え上げた肉体をフルに生かし、ダイナミックなアクションと心優しき一面をうまく表現しきっている。また、事故に巻き込まれて夫を亡くしてしまう花屋の女・すず役には片岡礼子。運命のいたずらに翻弄されながらも復讐へと向かっていく一途でけなげな女性を体当たりで演じている。
他にも、伊藤洋三郎、寺島進、野村祐人、山口祥行ら個性派俳優が揃い踏みし、見ごたえある「競演」をしているが、中でも特筆すべきは、魔世に指令を与える「黒のママ」を演じる鶴見辰吾である。女性顔負けの色気を漂わせ、画面をみて驚く人も多いはずの注目シーンである。
今や“石井隆ワールド”の代名詞ともいえる「運命に翻弄される女と男」、「夜と雨」、「哀しみと復讐」といったドラマチックな要素に、濃密でキレのあるアクションが溶け合い、さらに俳優たちの持つ演技力をも十二分に引出したこの『黒の天使vol.2』は、まさに石井演出の結晶ともいえる作品なのである。

ストーリー

“黒の天使”、そう呼ばれる女殺し屋・魔世(天海祐希)は、黒のママ(鶴見辰吾)からの指令を受け、地下駐車場で東陽組二代目(小林滋央)の命を狙っていた。そこへもう一組のヒットマンが現れる。何者かの裏切り。ひるんだ魔世の横を、東陽のボディガード・山部(大和武士)の撃った銃弾がかすめ、偶然通りすがった若い夫婦の夫を貫く。魔世は、山部の顔に見覚えがあった。10年前、暴漢に襲われた所を助けてくれた命の恩人である。あの事件で山部は誤って殺人を犯し、母親は自殺していた。そのことを新聞で知った魔世は、山部の人生が自分のせいで転落したと10年間罪悪感にさいなまれ苦しんでいたのだった。
一方、駐車場での事故で夫を失ったすず(片岡礼子)は、ショックのあまりに流産してしまう。悲しみにうちひしがれたすずは、東陽の兄弟分であり、東陽組乗っ取りを目論む矢崎(伊藤洋三郎)の回し者から、「夫を殺したのは東陽だ」と吹き込まれ、復讐のための拳銃を手にする。
任務をしくじった魔世は、再び東陽殺害に挑む。場所は、横浜のディスコ。そこへ、復讐を誓ったすずが現われ、東陽に銃口を向けるが失敗、矢崎の一味に囚われてしまう。良心の咎めを感じた山部は、すずを助け出し、脱出を図る。
一方、東陽を殺害した魔世は、報酬の支払いを渋る矢崎に激怒、東陽組を敵に回すはめになる。何とか脱出し、山部らと落ち合う魔世。かつて自分の人生の転落のきっかけとなった女と、愛する男を殺害した男。奇妙な宿命を背負った3人が皮肉にも寄り集まることになる。
そして3人は、山部の敬愛する東陽を裏切り、すずを陥れ、そして魔世を踏みにじった張本人・矢崎との決着に臨むのだった…。

スタッフ

原作・脚本・監督:石井 隆

キャスト

天海祐希
大和武士
片岡礼子
伊藤洋三郎
鶴見辰吾

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