2001年8月3日ビデオレンタル開始 2001年7月14日よりBOX東中野にて公開

(C)BS- i /オフィス・シロウズ

公開初日 2001/07/15

公開終了日 2001/08/03

配給会社名 0220

公開日メモ 「こんなはずじゃなかった!」地道に堅実に暮らしてきた零細工場の社長がふとした事から『最悪』の事態に巻き込まれていく。ささやかな夢を追いかけただけなのに...。

解説

原作は奥田英朗の『最悪』(講談社刊)。’99年に発売されるや「本年度最高の比類なき犯罪小説」として大きな話題を呼んだこの原作には、瞬く間に映像化・映画化のオファーが殺到しました。現在ハリウッドでも映画化が企画されているこの『最悪』を、主演・沢田研二、監督・大森一樹という強力なコンビで製作し、第一級のエンターテイメント作品に仕上げました。

「ただ格好いい役はもういい。今だからできるカッコ悪い役を演じたい」と語る沢田研二が、その言葉どおり「下町の零細工場のオヤジ」という役どころを髪を振り乱して大熱演しています。
 共演は『ナビィの恋』の西田尚美。仕事や日々の生活に押し潰されかけていた女子銀行員が、「事件」をきっかけに自分を取り戻していく、という難しい役を可憐にハツラツと演じてくれました。また『アンドロメディア』の原田健二と『ラブ&ポップ』の三輪明日美の若い二人が、「事件」の主役でもある銀行強盗コンビ役で、沢田研二を相手に堂々と渡り合っているのも見物です。

ほかに斉藤洋介、角替和江、塩屋 俊、松重豊など大森一樹作品らしい充実したキャストたちがドラマに可笑しみと深みをもたらしています。

 脚本は『シャブ極道』『風を見た少年』の成島出、撮影は『ラヂオの時間』『ナビィの恋』の高間賢治など、地上波テレビドラマではあり得ない映画界の精鋭スタッフが大森監督の元に集いました。
 打ち上げの席で、原作者の奥田英朗さんに「原作よりオモロクなりましたで」と言い切った大森一樹監督渾身の自信作です。

ストーリー

零細町工場の社長・川谷信次郎(沢田研二)。バブルに踊らず地道にやってきた信次郎にひとつの転機が訪れる。仕事仲間から“夢のマシーン”と言われる“タレパン”(タレットパンチプレス)の購入を勧められたのだ。ここを人生の勝負時と見た信次郎は、妻・春江(角替和枝)の心配をよそに、資金融資を約束するやり手の銀行マン・高梨(入江雅人)の言うがまま、信金の定期を解約し、親兄弟から借金し、“夢のマシーン”に向かって突き進む。
 が、タレパンが搬入されたその日、融資の話が白紙となってしまう。顔面蒼白の信次郎、さっそく銀行に駆け込み直談判も高梨はウス笑いを浮かべて肩を竦めるだけ。信次郎が怒りに任せて“トラの子”の預金1000万円を解約したその時、なんと、二人組の強盗が銀行になだれ込んでくる。ビビッた高梨が、解約したての信次郎の1000万を強盗に差し出したから、信次郎の怒りは頂点に達する。

「ふざけんなコノ野郎! おい、そこの強盗! バッグを貸せ、俺が金を詰めてやる!」

気がつくと信次郎は強盗と一緒に車で逃走する身になっていた。何故か自ら人質を買って出た銀行員・みどり(西田尚美)が逃走経路を指示する。訳もわからず混乱する若い強盗・和也(原田健二)とめぐみ(三輪明日美)。4人が立て籠もった先は銀行の保養所であるコテージだった。
 テレビでは、信次郎も銀行強盗の一味と報じられ絶体絶命の状況に。このガキみたいな強盗は何なんだ? この人質はどういうつもりなんだ? 大体俺は何でここにいるんだ? パニックになりながらもいつしか人質のみどり、そして銀行強盗の若い二人にも奇妙な親しみを感じてしまう信次郎だが、この最悪の状況から抜け出る方法は見つからない。抜き差しならない状況からの突破口はあるのか? そして、怒りと絶望のどん底にいる信次郎はどのように立ち上がっていくのか?
 小さなトラブルから後戻りの聞かない事態に追い詰められていく中年男の“最悪”を切なくも可笑く描く上質のエンターテイメント作品。

スタッフ

監督:大森一樹
原作:奥田英朗
脚本:成島出

キャスト

沢田研二
西田尚美
原田健二
三輪明日美
斉藤洋介
角替和枝
塩屋 俊
松重 豊
甲本雅裕
入江雅人

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