原題:ON AIR

テレビドラマの裏側には、もっと面白いドラマがあった。

東京国際ファンタスティック映画祭2001出展作品::http://www.nifty.ne.jp/fanta/tokyo/

2001年/カラー/ビスタサイズ/ステレオ/113min(7巻) クリエーター/フラミンゴ・ビュー・カンパニー作品 配給:フラミンゴ・ビュー・カンパニー

2002年07月25日よりDVD発売開始 2002年07月12日よりレンタル開始 2002年3月9日より中野武蔵野ホールにてロードショー公開!!

公開初日 2002/03/09

配給会社名 0265

公開日メモ 連続テレビドラマ「ハートVIPへ、ようこそ」は、そんなユニークなシチュエーションで高視聴率をマーク!…のハズだったが、番組制作スタッフ達のもくろみは見事に外れ、視聴率は毎週停滞する。そしてついに、打ち切りの決定が下された。 突然打ち切りになった連続テレビドラマの最終回を巡って右往左往する、テレビマン逢のコメディー。

解説


東京都知事の恋の相手は、なんとキャバクラ嬢。
連続テレビドラマ「ハートVIPへ、ようこそ」は、そんなユニークなシチュエーションで高視聴率をマーク!
…のハズだったが、番組制作スタッフ達のもくろみは見事に外れ、視聴率は毎週停滞する。
そしてついに、打ち切りの決定が下された。
突然打ち切りになった連続テレビドラマの最終回を巡って右往左往する、テレビマン逢のコメディー。
テレビドラマの裏側には、もっと面白いドラマがあった。

俳優の鶴見辰吾が、1987年の『卒業プルーフ』以来、14年ぶりにプロデュースを手がけた劇場用映画『ON AIR』。テレビの現場を支える中心的な年齢であり、仕事でもプライベートでも背負うものが多くなる30代後半……『ON AIR』は、そんな中年を前にした最後の青年期を過ごすテレビマン達を措<コメディである。 映画『ON AIR』を作るスタッフ・キャストもまた、30代後半が中心。テレビの中核を担うスタッフ・キャスト達が、自らの思い入れを込めて作品を作り上げた。キャストは、実力派の俳優達が結集。いずれもテレビの世界の住人達を、おかしくも愛情たっぷりに演じている。鶴見の役どころは、慢性的に資金繰りに苦しむ製作会社の専務で、連続テレビドラマ「ハートVIPへ、ようこそ」のプロデューサー・大場鉄郎。いつも金欠でヒーヒーしているが、モノづくりにかける情熱だけは人一倍という熱血漢を、魅力的に演じている。 シナリオライターの中原夏生を演じるのは、ドラマのみならずバラエティ番組でも大活躍中の杉田かおる。その確かな演技力は『ON AIR』でも健在だ。鶴見との共演と言えば「3年B組金八先生」を思い出される方も多いはず。鶴見・杉田のコンビ復活は、テレビ大好き人間にはたまらないプレゼントだ。また、「東京都知事とキャバクラ嬢の恋」というテレビ・ドラマのプロデューサー役を、石原良純が怪演しているのも目が離せない。俳優、気象予報士、作家と多彩な才能を見せる石原良純。彼が現都知事のご子息であることは、話題となった著書「石原家の人々」を引き合いに出すまでもない。そして、今年女優の松居一代との結婚で幸せいっぱいの船越英一郎が扮するのが、物語の謎の進行役・小牛田である。一見スマートに見えて、実はコテコテの小牛田の存在も、この映画のひとつの見所になって一いる。この他、木村拓哉主演のテレビドラマ「HERO」のバーテンダー役でブレイクした田中要次。テレビ・映画・Vシネマに欠かせない役者として監督達に信任の厚い四方堂亘。舞台を中心に活路する鈴木普介、矢代朝子など、実力派のキャスト達が、その個性を競っている。監腎は、『2人のマジカル・ナイト』以来、10年ぶりの劇映画となる牛山真一。最近では、NHKの「世界わが心の旅」などのドキュメンタリーで活躍する牛山監督だが、今回の『ON AIR』では、得意のコメディで、その演出力を遺憾なく発揮している。牛山監督は、「太陽にほえろ!」「ふぞろいの林檎たち」、そして石立鉄男の一連のシリーズなど、かつて自分が愛したテレビ・ドラマヘの思いを、この映画に込めているという。 音楽は、石井隆監督作品などの個性的な映画で注目を集めている安川午朗。初めてコメディ映画の音楽を担当し、意欲的に取り組んでいる。 『ON AIR』はまさに、テレビ・ドラマをこよなく愛する人達が、テレビ・ドラマをこよなく愛する人達に送る、「テレビの世界の住人達」の物語である。

ストーリー



酔った客達で賑わうキャバクラ、ハートVIP。そこに、人目を避けるように座る一組の男女の姿があった。東京都知事の大石(渡辺裕之)とキャバクラ嬢のレナ(湯原京子)である。張りつめた表情の大石が、レナにプレゼントの指輪を差し出したその時、二人にカメラのフラッシュが浴びせられる。唖然とする二人に、カメラを構えた男は言い放った。「大石都知事、キャバクラ嬢と熱愛。……来週のトップ、これでいただきだ!」
この夜放送予定の連続テレビドラマ「ハートVIPへ、ようこそ」の第八話は、今後のドラマチックな展開を予感させてプレビューを終えた。しかし、編集室でそのドラマを見ていた制作会社のプロデューサー大場鉄郎(鶴見辰吾)の心は晴れなかった。というのも、局のプロデューサーの橋本(石原良純)から、明日の撮影分のリハーサルを中止し、メインスタッフを集めておけという連絡が入ったのだった。撮影中止とは、よくよくのことである。暗い表情で編集室を出ていく大場の後をそっと追うのは、大場の物語の語り部を自称する小牛田と名乗る謎の男(船越英一郎)。ある時は、スタジオの世話係として、またある時は画面に向かって話の状況を解説するこの男の案内で、大場プロデューサーの波乱の物語は始まるのだった。
集合場所のリハーサル・ルーム(そこには、キャバクラの店内を想定したセットが組まれている)に集まってくる番組関係者達。大場の後輩でアシスタント・プロデューサーの池田紀彦(田中要次)。いつも沈着冷静だが、何事か秘密を隠すフリーのディレクター・黒崎静(四方堂亘)。リハーサルが中止になったのを知らずに来てしまった物見高い脇役専門の劇団俳優、江戸川豊(鈴木晋介)。番組プロデューサーの大場鉄郎とシナリオライターの中原夏生(杉田かおる)という現在別居中の夫婦。キャバクラ嬢レナを演じる鈴木彩花の所属事務所の社長・木村晶子(矢代朝子)。晶子は、彩花の事で何か心配事を抱えている様子である。…そして素性の知れない謎の案内人・小牛田。それぞれ、都合や思惑を抱える人物ばかりである。やがてやって来たテレビ局のプロデューサー橋本修は、彼らに向かって言い放った。「『ハートVIPへ、ようこそ』は、次の第9話で打ち切りが決まった」
ずっと低迷が続く視聴率にスポンサーはかんかんで、ついに最終勧告が突きつけられたというのだ。予想していたとはいえ、一同はショックを隠せない。潰れかけた制作会社の専務でもある大場は頭を抱え、彩花を連れて独立した晶子は、「打ち切りなんてイメージが最悪だ」と橋本に噛みつくなど、稽古場は轟然。臍を曲げたライターの夏生は、帰ると言い出す始末である。
そんな状況の中、現実的な指摘をしたのは黒崎だった。当初13回で完結させる予定で作ってきた物語を、次の回で終わらせなければならない。必要なのは新しい最終回のシナリオだった。しかも、準備や撮影許可の関係で、ロケセットとして借りている“ハートVIP”の店内だけで話を作らなければならない。この至難の状況に対処する為には、ここで争っている暇はなかった。彼らの事情に係わらず、次の放送日はやって来る。テレビとはそういうものだった。しかたなく、全員で最終回のストーリーを考え始めるだが…。
打ち切りの場合には、セオリーというものがある。それは主人公が死ぬか外国に行くかだと主張する黒埼。ハッピーエンド以外にあり得ないと譲らない夏生。記録より記憶に残る番組にするために、思い切って意表をついた設定にすべきだと言い張る大場。それぞれの思惑もからんで、ドラマの最終回は迷走する。果たしてストーリーはまとまるのか?大場と夏生の夫婦の関係は?そして、小牛田の正体は何者なのか?…「テレビの世界の住人達」のドラマは、波乱含みの様相を深めるのだった。

スタッフ

エグゼクティブ・プロデューサー:斉藤義仁、鶴見辰吾
監督・プロデュース:牛山真一
脚本:関口準、牛山真一
音楽:安川午朗
撮影:村瀬清、迫信博

キャスト

大場鉄郎:鶴見辰吾
中原夏生:杉田かおる
橋本修:石原良純
黒崎静:四方堂亘
池田紀彦:田中要次
江戸川豊:鈴木晋介
木村晶子:矢代朝子
鈴木彩花:揚原京子
大石都知事:渡辺裕之(友情出演)
西条俊英:小橋賢児
謎の男小牛田:船越英一郎

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