原題:MY BLOOD BONE

骨の数だけ…人が死ぬ。

2001年/日本/81分/カラー/ヴィスタ/モノラル 配給:ジェイ・ブイ・ディー、グローバルエンタテインメント

2002年11月15日よりDVDレンタル開始 2001年11月10日より新宿シネマカリテにて公開 2001年6月16日より盛岡フォーラムにて独占公開

公開初日 2001/11/03

公開終了日 2001/11/30

配給会社名 0173

公開日メモ 直木賞作家・高橋克彦原作の本格派ホラームービー

解説


直木賞作家・高橋克彦原作を初の映画化!
「緋い記憶」で直木賞を受賞、現在放映中のNHK大河ドラマ「北条時宗」の原作者、盛岡在住の作家・高橋克彦の傑作短編「私の骨」の映画化である。
実家の床下から子供の骨の入った骨壷が見つかり、偶然にも主人公と同じ誕生日の日付けが壷の底に刻まれていた。骨の正体をめぐるミステリーを中心に現実と幻想が交錯する……。
原作の舞台、盛岡でのオールロケ。滝沢村の前田彫刻工房、岩手大学の演習林、神子田朝市、一ノ倉邸など美しいロケーションが不思議な静寂を醸し出している。

新人監督が描く哀しい恐怖(ヒューマンホラー)。
本作が第1回監督作品になる荻野憲之は、脚本家・石森史郎氏に師事する30歳。「原作は〈骨〉の発見により自分の呪われた過去が暴かれていく話。映画では〈骨〉から〈血〉〈肉体〉へと発展させ、人と人との間にある歓びや苦しみ、存在するための闘いを追いたいと思った」という演出意図を、独自の映像表現で、ヒューマンホラーという新しいジャンルに挑んでいる。

田口トモロヲ、絶妙な演技!
 出演は「鉄男」「御法度」など数多くの映画に出演している田口トモロヲ。苛酷な撮影状況下、複雑なキャラクターを淡々と演じている。
ヒロインに「時をかける少女」の中本奈奈。エキセントリックな役柄をクールに熱演。主人公の要役に、実力派の水野ゆふ、舞台で蓄積した彼女の演技カは観る者を驚かせる。友情出演の石立鉄男、映画初出演のグラフィック・デザイナー小笠原正勝、ベテラン映画監督の渡辺護がワキを固めている。

ストーリー


「血と暴力」の小説家・佐藤英一は亡き父が森にいる幻想を見た — 父は何かが入っている麻袋を鉄パイプで殴っている。そして、鉄パイプを自分に渡し、おまえも殴れというが……麻袋は苦しげに蠢いているのだ。

雪深い街 — 人柱と書かれた古文書とともに、実家の床下から見つかった骨壷を家にもって帰る英一。妻・槙子が息子・隆を連れて出ていってしまっている淋しい家で、英一は何を思ったのか、骨を並べてみたりする。そのとき脳裏によぎるのは……隆の腕を折ってしまったときのこと。
英一は恩師である大学教授の大野に相談を持ちかける。古文書に記されている「人柱」とは一体、何なのか?大野は英一をからかいながらも、その行く末を案じるのだった。
その頃、英一の周りで奇妙な現象が起こり始める。それは遠くから忍び寄ってくる陰と、家の中で遊んでいるような影が巻き起こしているのだ。そして英一は偶然にも骨壷の裏に自分の生年月日が刻まれていることを発見する。
一体、誰の骨なのか?佐藤英一は小さい頃に死んで、かわりにどこからか子供を連れてきて育てたのではないか?それが自分なのか?英一は纏わりつく苦しみから逃れるように、その骨を捨ててしまうのであった。

英一に好意を寄せる姪・さと美は古文書に隠された恐るべき事実を知る。それは英一の祖先が自分の娘を人柱にしなければならなかったとき、たまたま誕生日が同じだった巡礼の娘を替わりに生き埋めにしたという哀しき過去。遠くから忍び寄ってきた陰は……のろいを込めた巡礼の母娘。それでは家の中で遊んでいるような影は一体?ある日の夜、英一は自分の体からもう一人の「自分」が産まれてくる夢を見る。そしてその「自分」はあろうことかさと美と抱き合っているのだ!夢なのか、現実なのか?さと美と抱き合いたいというのは英一の本心なのか?英一の悲鳴は全てを否定しようとしていたが、虚しく木霊するだけであった。

隆の誕生日の翌日は英一の誕生日だった。この日、さと美は槙子を自分の部屋に呼びだして佐藤家の秘密を語る。同じ頃、英一は大野から英一にまつわる秘密を聞かされていた。

人柱にされた巡礼の母娘の呪いで佐藤家は男子が生まれなくなった……寺からの養子であった父の力からか奇跡的に生まれた佐藤英一……英一が二歳のときに重い病気にかかり、父は英一と同じ誕生日の子供をさらってきて人柱にした……。

産まれてきた「自分」は英一のために人柱にされた……父が殺した少年だったのだ!己の血に流れている罪に英一はもだえ苦しむ。しかし、さと美にのりうつった巡礼は、英一を弄ぶように容赦なく隆を傷つけた。『同じ誕生日の子供を人柱にすれば息子は助かる』妻の言葉に動揺する英一。壊れかけた家族を取り戻すため、英一はその手で他人を殺められるのか?
隆と同じ誕生日の子供をさらった「自分」は、森の中で英一を待つ。嘲笑う過去の因習の下で、今、決断の時が迫ってきた!

スタッフ

監督:萩野憲之
原作:高橋克彦(角川ホラー文庫刊)
製作:安井ひろみ/生駒隆始
脚本:井川耕一郎/松村浩行
撮影:鈴木史郎
照明:西村幸雄
音楽:是枝雅英

キャスト

田口トモロヲ
中本奈奈
水野ゆふ
石立鉄男(友情出演)
小笠原正勝
渡辺護
山口久美子
嶋沙耶香
木村マミ
西田真吾

LINK

□公式サイト
□この作品のインタビューを見る
□この作品に関する情報をもっと探す