サタン・スクール／美しき悪魔

カルトホラーとして名高い70年代の名作を『ビバリーヒルズ高校白書』のシャナン・ドハーティ主演でリメイク。若手女優陣のセクシーな魅力、初代『チャーリーズ・エンジェル』のケート・ジャクソンの共演も見逃せない！

【チェック・ポイント！】

　なんか、『チャリ・エン』風のジャケットですが、出演者の中に元チャーリーズ・エンジェルのサブリナ役ケイト・ジャクソンが出てるんだから、こりゃ正統でしょう（笑）。まぁ、冗談はさておき、それでも実はこのケイト・ジャクソンの出演は、本作のポイントの一つであります。
　本作は73年に製作されたテレ・フィーチャー『女子大生悪魔の体験入学』のリメイク版。残念ながら日本でもＴＶ放映のオリジナル版は個人的には未見なのだが（ビデオ化してくれないですかね？＞メーカー様各位）、妹の死に不審を覚えた姉が、調査のために妹の大学に編入してくるとそこでは…という物語のアウトラインは、オリジナルもリメイクも同じようだ。オリジナル版のヒロインは、『ヘルハウス』の霊媒役などで日本にも根強いファンがいるパアメラ・フランクリン。そして、彼女を魔の世界に引き込もうとする悪魔を信奉する女子大生を演じていたのが、ケイト・ジャクソンだったのだ。オリジナル、リメイクを繋ぐ生き証人みたいなものですか。今回は、大学の教師役と色々な意味（笑）で出世して…るのかな？。このあたりは、各自で確認してください。
　その女子大学では、歴代５人組の女子大生が悪魔と取引を行ない学校ではトップクラスの成績で、卒業後に絶大な権力を得て世界を牛耳っていたというお話。“ファイブ”と名乗る彼女たちには、『スカルズ−髑髏の誓い−』にも通じる、秘密結社の伝説がスパイスとして加えられているのが、ちょっと面白い。悪魔の力を得た女子大生達は、動物や霧や影状の姿に変身し邪魔者を襲う。このあたりは、もっぱらＣＧＩによるモーフィングなどで描かれているが、恐怖度はちょっと大人しめ。ただ、冒頭でベスの妹に襲いかかるレゲエのおじさんみたいな長髪を振り乱し、虚ろで崩れたような口元の悪魔の描写は、なかなか不気味で迫力だ。
　ヒロインのベス＝カレンを演じているのは、『ビバリー・ヒルズ高校白書』の…というより個人的には『ヘザース』でノニーを虐めるヘザーの一人を演じていたのが印象深いシャナン・ドハーティ。超自然の力を秘めた少女役だが、ラストの活躍はちょっと唐突。製作総指揮は『チャーリーズ・エンジェル』『ビバリー・ヒルズ青春白書』等のＴＶ界の大御所アーロン・スペリング。監督のクリストファー・レイッチも、やはりＴＶ界での仕事が多いようだが、『ティーン・ウルフ２』などの劇場用監督作品も撮っている。
（殿井君人）