原題:Intimite

セックス、 それは純愛。

2001年サンダンスフィルムフェスティバル出品 2001年ベルリン映画祭3部門受賞 金熊賞(最優秀作品賞) 銀熊賞(最優秀主演女優賞:ケリー・フォックス) 嘆きの天使賞(最優秀ヨーロッパ映画賞)

2001年3月28日フランス初公開

2000年/フランス・イギリス・ドイツ・スペイン/ドルビーSRD/SDDS/121分/ 翻訳:古田由紀子 提供:日本ヘラルド映画、アミューズスピクチャーズ 配給:日本ヘラルド映画

2002年08月23日よりDVD発売&レンタル開始 2002年08月23日よりビデオ発売&レンタル開始 2002年1月12日より恵比寿ガーデンシネマにてロードショー公開

公開初日 2002/01/12

配給会社名 0058

公開日メモ 彫刻のように美しいセックスシーンか映画の中心を占めるが、セックスだけを描く作品ではない。結婚に愛を見いだすことができなかった男女がセックスだけの関係の中に初めて親密(インティマシー)を見つけていく過程を余すことなく描いた今だかってない真のラブストーリーてある。『

解説



“インティマシー”それは親密、それはセックス。『インティマシー/親密』と名付けられた本作はお互いの素性も知らず、言葉も交わさないまま、水曜日ごとにセックスする男と女、ジェイとクレアが描き出される。彼らは愛に傷ついた普通の男女であり、セックスしてそれだけですむ筈はなく、やがて肉体だけの関係を越えて純粋な愛を感じていくのだった。『インティマンー/親密』は彫刻のように美しいセックスシーンか映画の中心を占めるが、セックスだけを描く作品ではない。結婚に愛を見いだすことができなかった男女がセックスだけの関係の中に初めて親密(インティマシー)を見つけていく過程を余すことなく描いた今だかってない真のラブストーリーてある。『ラスト・タンゴ・イン・パリ』『シェルタリング・スカイ』そして『アイズ ワイド シャット』に続く愛の傑作、それが『インティマシー/親密』。本作はその衝撃的な愛を描き、話題作『トラフィック』を抑えての2001年ベルリン映画祭でグランプリ、主演女優賞、ヨーロッパ映画賞の3部門を見事、受賞した。
監督に当たるのは舞台の大演出家てあり映画監督としても『王妃マルゴ』『愛する者よ列車に乗れ』で数々の映画賞を受賞しているパトリス・シェロー。シェローは前作の完成後、ハ二フ・クレイシの小悦『ぼくは静かに揺れ動く』を読み最上級の誠実さ、自我の裏返しの残酷さと喜びをシェローは感じ映画化を決意した。クレイシは脚本を手がけた『マイ・ビューティフル・ランドレット』でアカデミー賞最優秀脚本賞にノミネートされ脚光を俗びているイギリスの人気作家てある。脚本はシェローと、『人生で』『可能の天使』のアンヌ=ルイーズ・トリヴィディクが共同に手がけた。アンヌ=ルイーズは女性の方の登場人物、クレアを担当し彼女に何が起こり、誰に出会い、どういう生活から逃れ、またそこに戻っていったかを描いた。そして本作の舞台は、フランスよりずっと固く、閉鎖的な英国社会を背景にしていなければ物語は成立しないと考え、撮影は冬のロンドンで行われた。撮影監督は『愛する者よ列車に乗れ』てもシェローが指名したエリック・ゴティェ。シェローはゴティェか撮影した1シーン、1ショットのフィルムを、さまざまなヴァージョンに編集していった。主演のジェイを演じるのはグローブ座の演出・主演のヘッドを務め、現在イギリス演劇界で最も注目を集める名優マーク・ライランス。ライランスはスピルバーグの映画出演依頼も断るほどの演劇人だか、本作のシナリオに惚れ込んでの主演となった。クレアを演じるのは『エンジェル・アット・マイ・テーブル』のケリー・フォックス。本作の演技で主演女優賞を受賞、クレアの友人ベティ役を演じたマリアンヌ・フェイスフルは、ミック・ジャガーとキース・リチャーズの初期の曲でレコードデビューし、『あの胸にもういちど』アラン・ドロンと共演して人気を博した個性派女優だ。
本作は一組の男女のセックスと純愛を提起している。男と女の肉体はどのように機能するか、それにはどれくらいの時間が必要か、シェローはそれをあますことなく描いていく。その手段として、シェローはシナリオに忠実でアドリブなしのセックスシーンを寅出した。彼の目的は何か特別なものを見せるのてはなく、単に何も隠さずに見せようということだった。このように作り上げられた愛の傑作『インティマンー/親密』は21世紀を予感させる新しいラブストーリーの幕明けとなるにちがいない。

ストーリー

冬のロンドン。水曜日の昼下がり、女は男の部屋を突然訪れた。二人は一言も交わさず、愛を交わした。そして女は何もいわず街に消えた。男の名はジェイ、一年前にスーザンと離婚した元ミュージシャンのバーテンダー。仕事にも不満を抱え、ジェイは10年間一緒に暮らした妻と二人の息子達を時々思い出す。息子は無邪気にジェイになつき幸せな日々だったが、ジェイは友人のヴィクターだけに相談し、妻には何も告げずジョン・レノンのサイン入り写真だけをもって家を出た。ある日、ジェイのバーに新入りのイアンか雇われる。ジェイはイアンに何故か親しみを覚える。ジェイとイアンの仲をヴィクターは不安に感じる。翌週も女はジェイの元にきて、何も言わすにセックスをした。ジェイはいつしか彼女がやってくる水曜日を楽しみにしていた。翌週も彼女と愛を交わし、女が心地よい眠りに落ちたとき、ジェイは彼女を初めて見つめた。行きずりに知り合っていきなり自分のアパートを訪れた彼女を単なるセックスの相手だと思っていたが、若い体ではないその裸体にジェイは初めて親密さを感じた。そして、彼女か出ていくときジェイは愛おしく見つめながら後を追った。彼女はやがて、ドレスを抱えなから小走りに別の場所へ向かう。ジェイがその姿を探すと地下に劇場かあった。女はテネシー・ウィリアムの『ガラスの遊園地』で主役を演じ、観たことのない別の彼女の顔があった。そして、ジェイか座った席の隣には太ったアンディと少年がいた。芝居がはねてアンディがジェイに自分の妻クレアのことを話す。ジェイは夫も息子もいるクレアが、毎週水曜日に訪れてセックスをするのは何故なのか戸惑う。ジェイはもう水曜日を待つことは出来ず、バーにクレアの姿を求めて通い始める。芝居も上寅されていない日に、バ一にやってきたジェイはビリヤードに興じるアンディと対面する。ジェイはタクシーの運転手アンディと会話するうちに水曜日にセックスする女との様子を語ってしまう。
クレアは舞台て演じる以外にワークショップで演技指導していた。年老いたベティと青年ガ演じる『人形の家』のノラが家を捨てて若い愛人の元にいく場面で、彼らの演技をクレアはヒステリックに指導する。彼らの演技に自分とジェイの姿をだぶらせてしまうのだった。ある日、クレアの姿を見つけて追いかけるジェイは姿を見失うが、反対にクレアが胸が熱くなる思いでジェイの姿を追う。だが、彼が向かった先は自分か舞台に立つバ一だった。その時、互いに何も知らず何も語らず、ただ抱き合うことで二人の関係かうまくいっていたと信じていたクレアはルールが破られたことに気づく。一方、彼女の夫アンディもクレアが不倫し、その相手がジェイであると察し、彼に自分はクレアを愛し離婚などしないと告げる。アンディに自分の不倫を気づかれた事によってクレアはジェイから遠ざかろうとしていく。しかし、クレアを愛してしまったジェイは彼女を待つしかなかった…。

スタッフ

監督:パトリス・シェロー
脚本:アンヌ=ルイーズ・トリヴィディク、パトリス・シェロー
原作:ハニフ・クレイシ(アーティストハウス刊『ぼくは静かに揺れ動く』)
撮影:エリック・ゴティエ
録音:ギヨーム・シアマ、ジャン=ピエール・ラフォルス
美術:ヘイデン・グリフィン
衣装:カロリーヌ・ド・ヴィヴェーズ
編集:フランソワ・ジュディジエ
音楽:エリック・ヌヴー
エグゼクティヴ・プロデューサー:パトリック・カサヴェッティ、ジャック・アンスタン
製作:テレマ・プロダクション、ステュディオカナルフランス
   アルテフランスシネマ、フラノス2シネマ、アソルフィルム
   WDR/ARTE、ミカドフィルム

キャスト

ジェイ:マーク・ライランス
クレア:ケリー・フォックス
アンディ:ティモシー・スポール
ヴィクター:アリステア・ガルブレイズ
イアン:フィリップ・カルヴァリオ
ベティ:マリアンヌ・フェイスフル
ジェイの妻:スザンナ・ハーカー
パム:レベッカ・バルマー

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