原題:Go!

17歳のマグマ爆発、 “激レア野郎”出現——!

サンダンス・NHK国際映像作家賞日本部門'99

2001年/日本映画/ビスタサイズ(1:1.85)/カラー/108min/DTSステレオ 製作:日活株式会社/株式会社NHKエンタープライズ21/ソニーPCL株式会社 特別協力:株式会社フォーシーズ PlZZA-LA 配給・宣伝:日活株式会社

2004年02月27日よりDVDリリース 2001年10月6日よりシネ・リーブル池袋にてロードショー公開

(C)2001 日活/NHKエンタープライズ/ソニーPCL

公開初日 2001/10/06

公開終了日 2001/11/02

配給会社名 0006

公開日メモ 西野康助、高校2年生。なんとなく高校へ通って、放森後はピザ屋でバイト。携帯亀話でチャラい会話の毎日。イラつくことにかけては電光石火。だが、壊したカメラがもとで知り合った年上の女性に、怒涛の初恋—!彼女のリクエストに応えるべく、死ぬほど練習し、やっと満足のいくピザを焼けるようになった時、彼女な故郷・長崎に掃っていた。「長崎まで、ピザ届けに行ってくるよ、俺」康助の中に超ド級のマグマが沸騰し、奇跡の“激レア野郎”が謹生。1300kmの「はじめてのおつかい・熱血篇」が切なくも激しく幕を開けた—!

解説



西野康助、高校2年生。なんとなく高校へ通って、放森後はピザ屋でバイト。
携帯亀話でチャラい会話の毎日。イラつくことにかけては電光石火。
だが、壊したカメラがもとで知り合った年上の女性に、怒涛の初恋—!
彼女のリクエストに応えるべく、死ぬほど練習し、
やっと満足のいくピザを焼けるようになった時、彼女な故郷・長崎に掃っていた。
「長崎まで、ピザ届けに行ってくるよ、俺」
康助の中に超ド級のマグマが沸騰し、奇跡の“激レア野郎”が謹生。
1300kmの「はじめてのおつかい・熱血篇」が切なくも激しく幕を開けた—!

17歳のマグマ爆発、
“激レア野郎”出現——!

ケイタイ・メール・出会い系。お手軽彼女・カンタンH。それが、所謂イマドキ高校生の行勒パターン。ところがどっこい、ひとりだけ、そうは行かないヤツがいた。自分のカラダにムチ打って、汗かき、ベソかき、恥かき、○○カキ(!?)、愛をGETするため、とにかく無茶苦茶に頑張る熱血野郎が現れた!イマドキ珍しい、そんなヤツ…我々は、愛情こめてヤツを“激レア野郎”と呼ぶ。
好きになった年上の女性のために、東京から長崎まで宅配用のスクーターで、自分で作ったビザを運ぶ17歳の主人公・康助のドンドン上がるボルテージ。17歳のマグマ爆発、“激レア野郎”出現!!
「17才のカルテ」「ヴァージン・スーサイズ」「EUREKA」—。空虚な時代の空気を感じ取り、いつしかネガティブなパーツばかりが目立ってしまったティーンエイジャー、17歳。精神のもろさばかりが、映画でもメディアでも一人歩きしている17歳。日本で横行するティーンエイジャーたぢによる、驚くばかりの犯罪からは、大人の理屈が通らない、彼らのルール・彼らの理由が社会とまったく馴染んでいないことが判然とする。「イラつき」という、瞬間沸騰湯沸かし器のようなエネルギーがあるのにもかかわらず、「一生懸命・感動する」という熱を持たない彼ら。だがしかし、本当は、ひどく熱っぽい=感動しやすいのに、そのそぶりすら大人には見せないだけ——?かつての17歳が、必要もないのに無茶をしていた頃の熱。無軌道に、やみくもに走っては滑って転んでいた頃の“一目の高熱”。17歳だった頃のあなたの熱は、どこから来てどこへ行ってしまったのだろうか?微熱では収まらないこの熱が、やっと映画に還ってきた!あの熟が体の芯まで一気にぶり返す〈ティーンエイジ爆発映画〉の登場である。一触即発の高熱マグマを抱えた活火山が、少年に姿を変えて大噴火する。17歳のほとばしるエネルギー、その大事な部分を細部まできちんと汲みとった、「熱血ポジティブ17歳映画」なのだ。

ロバート・レッドフォードが認めた、
新世紀の起爆剤・矢崎充彦

本作品の脚本は、サンダンス・NHK国際映像作家賞99受賞作品である。今や世界中の映画バイヤーが押しよせるサンダンス・フィルム・フェスティバル。世界的に有名な俳優・映画監督・製作者であるロバート・レッドフォードによって運営・主宰されているサンダンス・インスティテュートでは、今や「カリスマ」「回路」などで次々と新しい映像を送り出す鬼才・黒沢清監督が早くから見出されている。そしてサンダンスは1995年度から日本に於いて、オリジナル脚本をもとに、次世代を担う新しい映像作家を発掘・支援するプログラムをNHKと共同でスタートさせた。2000年度までの受賞作16本からすでに13作品が映画化。各国で高い評価を得、数々の賞を受賞している。中でも1999年の受賞作「彼女を見ればわかること」は、2001年春、日本でも大ヒット。そんな中に、この「Go!」があった。エネルギッシュに無鉄砲に、脚本は転がり続けて一つの熱い映画が完成した。メガホンをとったのはこの脚本の作者・矢崎充彦。無感情で暴力的だというレッテルを貼られている「17歳」から、まったく別の側面を見出し、爽やかな後味の残る青春映画を創り上げたのは、彼の鋭い人間観察カ、そして自分の気になるものを丁寧に追うという、こだわりに他ならない。ロパート・レッドフォードが次なる黒沢清として見出した彼の、フレッシュな感性を生かした次回作が大いに期待される。まさに映画界の“激レア野郎”だといえよう。

ほとばしるエネルギーで魅了する、熱い役者布陣——

突然変異の17歳、“激レア野郎”の西野康助を演じるのは、ちまたの女子中・高校生の間でダントツの人気を誇る、元カリスマ高校生・高田宏太郎。現代的なルックス、186cmという長身から、高校在学中にファッション誌のモデルで大プレイク、レギュラー2誌を持つ人気ぶり。そのナチュラルな佇まい・演技力には次世代の浅野忠信・永瀬正敏を彷彿させる空気がある。すでに主演映画2本が公開され、人気度・知名度がアップ。俳侵としての成長が楽しみである。共演は、日本映画界の重鎖、重厚でシリアスな役柄から、思いもよらないシュールな済技を見せて笑わせるCMまで幅広い活竃を見せる山崎努。巨大ハーレーで風と自由を追い求める元祖“激レア野郎”をミステリアスに、コミカルに演じて強い印象を残す。康助の母親・尚美役に美保純。母として、女としての生き方の難しさを確かな存在感で演じきった。華奢で芯の強いフリーの女性カメラマン、康助に社会のルール、大人のルールを示し、あっという間に姿を消してしまう女性・令子には、TVドラマなどで活躍する椋木美羽。その他、苅谷俊介、大河内奈々子、渡辺裕之、伊集院光。さらに、ボクシングの元世界チャンピオン・川島郭志が登場する。
この映画の主題歌「Sleeping Butterfly」は、1995年のデビュー以来、爆発的なヒットを放ち続けるシンガーソングライター・山崎まさよしが担当。本物の蝶になって飛び回る前の、まだ「眠っている蝶」。この映画の爆発力、覚醒力を如実に顕した、「Go!」する人々への力強い応援歌である。
砂漠に吹く熱風が、いつしか様々なモノに姿を変えてゆく過程が、ドンドン転がるポップなストーリーとは裏腹に丁寧に描かれている本作品。1300km走って告白しにいくヤツ、イマドキいないレアな奴。だが、映画を見終わったあと、“激レア野郎”はもっと居るはずだ、と確信するのは、きっとあなただけではないのだ。

ストーリー


クリスマスのイルミネーション輝く東京。新宿のビザ・チェーン店でバイトする高校2年生・康助。長めの茶髪。「ダルめ」に高校に通い、「カネね一から」バイトして、なんとなくその二つの間で悶々としている。今日もデプ店長と喧嘩になり、「オレ、も〜バイトやめっから!」と最後の宅配に臨んだわけだった。イラつきながら乱暴に角を曲がった時、誰かをジャイロ(宅配用スクーター)にひっかけた。「きやああっ!」舗道に倒れ込む若い女性。飛ぶ黒いバッグ。最悪の日だ。さらにイラついた。「ポーツとしてんなよ!」思わず毒づいた。彼女は猛然とバッグに向かった。「ああっもうっ!」台無しになった、高級そうなカメラのレンズ。「弁償
してもらうからね」それが、飯塚令子との出逢いだった。
「とにかく、カネ作んね一と」弁償金額は見当もつかないし、親にも頼めない。母親の尚美はパリパリの雑誌編集者だ。コースケの父とは去年、離婚した。彼女は、あまりコースケの顔を見ない。コースケなら独りでも大丈夫、とでもいうように。
休日。有り金握って、コースケは令子の住まいを訪れた。絶対足りてない千円札の東。「残りは何とかするから…待ってくれよ」令子はコースケを誘ってパスに乗った。バスを降り、公園を歩いた。令子は長崎出身であることや、プロのカメラマンであることを少し、話してくれた。喫茶店に入って、お茶を飲んだ。「これ、もういいよ」テーブルに置かれたままの弁償金を、令子は押し戻した。「えっ?」「そのかわり、今度ビザ持ってきて。あなたの焼いたやつね」そう言って令子はコースケのマヌケ面をカメラに収め、行ってしまった。
夜、コースケはバイト先の店に忍び込んだ。とりあえず一枚、焼いてみた。激マズ。どうしても、旨いピザを作りたい。そう思ったら、止められなかった。粉とソースとトッピングにまみれて、コースケがピザみたいになったとき、満足の一品が焼き上がった。
届けに行ったのに、令子は田舎に帰ってしまっていた。しょぼくれて帰宅し、すっかり冷めたビザを母親の前に置いてみた。「オレのビザ、食ってみてよ」尚美は仕事から顔を上げなかった。後で、と言われた。ヒイヒイと涙をこらえながら下を向いているうちに、コースケの中でハラが決まった。
長崎までビザを届ける、と1つた時ダチの明は、バッカじゃね一の、みたいな顔をしていた。ジャイロにビザの箱とアイス・パックを山ほど積んだ。「じゃ、俺いくわ」夜明けの多摩川大橋…。

スタッフ

製作総指揮:中村雅哉
製作:酒井治盛
企画:高橋康夫/明石知幸
監督・脚本:矢崎充彦
原案:矢崎充彦/まつざわなおと
プロデューサー:横手実/飯野恵子
撮影:栗山修司
照明:鳥越正夫
美術:山田好男
録音:横野一氏工
編集:普島信一
スクリプター:荘原はる
キャスティング:中澤サカキ
助監画:池上純哉
製作担当:白石治
ラインプロデューサー:田口聖
音楽プロデューサー:佐渡岳利
音楽:中尾淳
主題歌:「Sleeping Butterfly」山崎まさよし(POLYDOR)

キャスト

高田宏太郎
椋木美羽
美保純
伊集院光
松重豊
山崎裕太
沢木哲
堀つかさ
松本竜介
町野あかり
光石研
寺田農
苅谷俊介
大河内奈々子
渡辺裕之
川島郭志
山崎努

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