原題:The Trench

1916年ソンムの戦い その序曲はあまりにも哀しく鳴り響く

1999年9月17日イギリス初公開

1999年/イギリス/カラー/Dolby Digital /95分/ビスタサイズ 配給:彩プロ

2005年03月02日よりDVDリリース 2001年10月5日ビデオ発売&レンタル開始 2001年8月4日(土)より新宿シネマカリテにてレイトショー公開

公開初日 2001/08/04

配給会社名 0106

公開日メモ 20世紀人類の最大の愚行とも言われる1916年「ソンムの戦い」。イギリス軍がド イツ軍との攻勢境界線突破を目的に強行したこの戦い、攻撃側であるイギリス軍 にわずか2時間で6万人にも及ぶ死傷者をもたらした。本作は激戦直前の48時間を 舞台に兵士たちを描いたドラマ。

解説



第一次大戦中に起こった、20世紀最大の愚行と呼ばれる〈ソンムの戦い〉。本作は、2日間で6万人の命を奪ったこの悲劇の前夜48時間を、戦闘に参加した青年兵士たちの眼を通して描いた、感動のヒューマン・ドラマである。
1916年夏、イギリス軍はフランス北部ソンムで最大の攻撃への準備をしていた。17歳の新兵ビリーたちは地下に張り巡らされた暗い塹壕の中で、ドイツ軍への攻撃命令が下る時を待っていた。ビリーの兄が敵の砲弾に倒れ、他の仲間たちにも死が襲う極限状態。若者たちの胸には張り裂けんばかりの重圧がのしかかっていく。ついに小隊に突撃命令が下った。恐怖と不安が押し寄せる中で、塹壕を出たビリーたちは、敵軍に向かって突き進んでいく……。
塹壕の中、しかも48時間という限られた場面設定を巧みに用い、極限状況に追い詰められた人間たちをドラマチックに描いた、舞台劇を思わせる完成度の高いオリジナル・シナリオを執筆し、監督したのはウィリアム・ボイド。小説家として数々の賞に輝き、自身の小説を脚色した『グッドマン・イン・アフリカ』、『チャーリー』などの脚本家として著名な彼の監督デビュー作である。この大物新人監督を助けるために、超一流イギリス映画人が集結した。撮影監督は『眺めのいい部屋』『ハワーズ・エンド』でアカデミー撮影賞にノミネートされたトニー・ピアース=ロバーツ、編集は『キリング・フィールド』でアカデミー最優秀編集賞を受賞、『ミッション』でもノミネートされたジム・クラーク。プロデューサーはイギリスで最も創造力に富んだ製作者の一人で『エドワードⅡ』(デレク・ジャーマン監督)のスティーブ・クラークホール。
兵士たちにはイギリスを代表する若手俳優たちが起用された。主人公のビリーはTV『EASTENDERS』で注目されたポール・ニコルズ。ほかの兵隊たちは『ヒューマン・トラフィック』のダニー・ダイヤー、『オスカー・ワイルド』のジェームズ・ダルシーほかが演じている。また、新兵たちを指揮する軍曹は『エリザベス』のダニエル・クレイグ、中尉は『トゥームレイダー』『ノッティング・ヒルの恋人』のジュリアン・リンド=タットといった中堅俳優が扮し、濃密なドラマを引き締めている。

ストーリー




1916年の真夏。6月29日。フランス北部のソンムで、イギリス軍は第一次大戦最大の攻撃を開始する準備に勤しんでいた。地下に掘り巡らされた塹壕の中で、攻撃命令を待つ新兵たち。ビリー(ポール・ニコルズ)、デル(ダニー・ダイヤー)、ダベントリー(ジェームズ・ダルシー)、ビリーの兄エディー(タム・ウイリアムス)ら。全員が志願兵だが、かなり疲弊、樵埣している。
デルが手に入れたヌード写真を見たビリーは、その中の1枚に映った女が、自分の知っている郵便局勤めの女だと思い込む。ビリーは彼女に一目惚れだった。小隊の指揮を執るのは、テニソンの詩集を読み、任務への重圧からか酒に浸るハート中尉(ダニエル・リンド=タット)と、職務に忠実で厳格なウィンター軍曹(ダニエル・クレイグ)。そんな中、エディーはドイツ兵の様子を見ようと穴から覗き見たために狙撃され、口部を撃たれ病院へ運ばれる。また、給食部隊に指名された3人はあっけなくドイツ軍の爆弾の直撃を受け、全員が絶命。それを発見したビリーは強いショックを受ける。青年兵たちは次々と肉親や友を失い、重苦しい空気が隊に充満していく。だが、攻撃の時間は刻々と近づいてくる。
小隊に第一波として、攻撃に出る命令が下る。決戦を前に、自らの足を撃ち抜き、戦いを放棄する者も現れた。ビリーは不安と恐怖の中で、抱き続ける郵便局の女への淡い恋心を胸に、戦いに出る決心をする。
7月1日早朝、ついに戦いの火蓋が切って落とされた。いきなり軍曹が撃たれる。青年兵士たちは、塹壕にかけられた梯子をよじ登り、戦場に向かう。隊列がソンムの丘の草むらを、爆撃の中、勇敢に前進する。己に向かって、また自らの悲しい運命に向かって……。

スタッフ

監督・脚本:ウィリアム・ボイド
プロデューサー:スティーブ・クラーク=ホール
撮影監督:トニー・ピアース=ロバーツ
編集:ジム・クラーク
音楽:イヴリン・グレニー、グレッグ・マルカンギ

キャスト

ビリー:ポール・ニコルズ
ウィンター軍曹:ダニエル・クレイグ
ハート中尉:ジュリアン・リンド=タット
デル:ダニー・ダイヤー
ダベントリー:ジェームズ・ダルシー
エディー:タム・ウィリアムス
ベックウィズ:アンソニー・ストラッチャン
チャーリー:シァラン・マクメナミン

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