廃墟から鉄屑を盗み出せ! 極限状況を生き抜く、痛快サバイバル活劇

2002年/日本・韓国/カラー/ヴィスタサイズ1:1.85/ドルビーデジタル/133分/ 配給:シネカノン

2004年02月21日よりDVDリリース 2004年02月13日よりビデオリリース 2002年11月30日よりシブヤシネ・アミューズ&新宿武蔵野館にて熱血ロードショー!

公開初日 2002/11/30

配給会社名 0034

公開日メモ 廃墟から鉄屑を盗み出せ! 極限状況を生き抜く、痛快サバイバル活劇

解説


「原作は凄い小説だけど、本当に映画化できるの?」「総製作費に5億円かけて、韓国に巨大なオープンセット、集落から鉄道、川まで作って、40年以上昔の風景を完全に再現してるらしい」「俳優たちは4ヶ月間、セットの中で合宿生活。撮影は無茶苦茶、大変だったらしい」製作中から業界関係者やメディアで様々な憶測をよんだ話題作、遂に完成。映画作りの常識を覆し、他のどんな作品にも似ていない捉破りの熱血作が、遂にスクリーンにその姿を現す!!

廃墟から鉄屑を盗み出せ!
極限状況を生き抜く、痛快サバイバル活劇。

 1958年、戦後の焼跡が残る大阪。立入禁止の兵器工場跡に忍び込み、鉄屑を運び出して売り払うタフな連中が実在した…その名は「アパッチ」。川沿いに集落を構えて貧しい生活を営んでいた彼らは、ある日、対岸の広大な廃嘘に「お宝」が埋まっていることを知る。明日の生活のために船で運河を渡り、警察に追われながら真夜中に鉄を掘り起こすパワフルでユーモラスな日々。だが次第に取締りは厳しくなり、アパッチは警官隊に最後の闘いを挑むのだが…!?
 
主演・山本太郎が熱い熱い!喧嘩、友情、家族、切ない恋…短<も鮮烈な青春群像。 今もっともエネルギッシュな映画俳優、山本太郎。「主人公・金義夫を演じるのは僕しかいない!」と惚れこむだけあって、一直線でちょっとお茶目なキャラを堂々と演じ切る。『バトル・ロワイアル』の中学生、『光の雨』の連合赤軍を超えるハイテンションなパワーに思わず釘付けだ。「運命の恋人」役には韓国の新人女優ユー・ヒュンギョン、そのピュアな停まいが鮮やかな印象を残す。ヒロインを奪おうとする悪役・山田純大のクールな存在も圧倒的。さらに樹木希林、風吹ジュン、唐十郎、奥田瑛二ら豪華競演陣が華を添え、集落に生きる人間たちのリアルな息づかいが聞こえてくるようだ。 異分野のコーポレーションが産み出した、他作品では得られない興奮。  原作は梁石目の傑作長編小説。直木賞候補にもなったスケールの大きな題材に挑んだのは劇団・新宿梁山泊の座長を務め金守珍。韓国でのオープンセット撮影を敢行したこともあり、演劇で培った破天荒なまでのエネルギーをフィルムに充満させることに成功している。がむしゃらに生きる人間たちの圧倒的なパワーを封じ込めた本作品は不況が慢性化した今の日本社会において「サバイバル"生き抜く力」の本質を見つめ直した、痛快な人間活劇だ。

ストーリー




舞台は昭和30年頃・大阪。戦後10余年を過ぎた大阪には、まだ戦争が影を落としていた
 かつてアジア最大の兵器工場であった大阪造兵廠跡近辺の朝鮮人集落に住むコリアン。女たちは家族のためせわしなく働き、仕事の無い男たちはぐだぐだと一日を過ごしている。
 ある日、集落の住人であるヨドギ婆さんは造兵廠跡の廃墟に戦後から放置されてきた兵器の残骸である鉄屑を掘り起こして売り飛ばし、大金を得る。その噂は瞬く間に集落に広まり、住民たちは、ヨドギ婆さんから情報を得るべく、あの手この手で懐柔しようとする。朝鮮戦争後も鉄の値は高く、鉄屑も高く売れた。皆が鉄屑拾いで一山当てる夢にうかれていた。そのとき、かつてこの集落にいた金義夫が何かに追われるように帰ってきた。 

 義夫をはじめ、男たちは総出で鉄屑探しに精を出す。しかし兵器の残骸とはいえ国家財産であるため、警察の目を忍び、夜の闇に紛れての辛い作業であった。そんな日々の中、美しい娘・初子と義夫は互いに惹かれあうようになる。初子は集落の住人・ヤン婆さんの姪で、戦争で孤児になり、最近ここに移り住んできたのであった。
 ほどなく鉄屑の窃盗を阻止しようとする警察との攻防が始まったが、そのころ、かつて自分の父と兄を殺して刑務所に入っていた健一が、情婦を連れて部落に舞い戻ってくる。相変わらずの残忍さ、やくざ仲間とつるんでいる様子などに、住民は脅えた。一方、警察との攻防は次第にエスカレートしていき、ついには死者を出すに至る。

 とはいえ部落唯一の飯のタネである鉄屑集めは止まるはずがない。そんな中、李三元が誤って警官を殺してしまうという事件が起こる。警察の追及は事件を契機にますますきびしくなり、血眼になって彼らを追いつめてきたのだ。一方、健一はつるんでいたやくざ仲間に追われ、殺される。追われる最中、健一は盗んだ金を義夫に託すのだった。その金を警察に届けた義夫は健一を殺して金を奪ったと誤解され、激しいリンチを受けた。やっとの思いで釈放された義夫は、開き直って堂々と昼間から鉄屑を持ち出しはじめた。

 警察の最後の手入れが間近に迫り、みな切羽詰まって、逃げ出しはじめた。初子も部落を離れることになり、義夫のもとを訪れる。二人は、最後を惜しむように抱き合うのだった。そのわずかな逢瀬の最中、警察の威信をかけた、大規模な手入れが始まる。義夫は初子を床下にかくまい、自らは警官に立ち向かっていった。
 なぜ、義夫は追われていたのか。この混乱の中でその理由も明らかにされる。そして義夫はさらにアナーキーに生き続ける。それが彼の生きる道であった。朝鮮人集落が権力によって跡形なくこわされていっても。

スタッフ

監督:金守珍
製作:SIDUS、有)夜を賭けて
脚本:丸山昇一
音楽:朴 保
撮影:チェ・ジョンウ

キャスト

金義夫:山本太郎
新井初子:ユー・ヒョンギョン
高山健一:山田純大
金敬子:風吹ジュン
高山フネ:樹木希林
ヤン婆さん:李麗仙
ヨドギ婆さん:清川虹子
鉄屑屋:唐十郎
若林刑事:奥田瑛二

LINK

□公式サイト
□この作品のインタビューを見る
□この作品に関する情報をもっと探す