原題:Asako in Ruby Shoes/純愛譜

ソウル⇔東京 響きあう ふたつの魂

2000年/日本・韓国/117分/

2004年11月25日よりDVD発売開始 2002年4月21日ビデオ発売&レンタル開始 2001年10月6日より渋谷シネパレスにてロードショー公開

公開初日 2001/10/06

公開終了日 2001/10/26

配給会社名 0003

解説



「八月のクリスマス」「シュリ」、そして「JSAー共同警備区域ー」と話題作、ヒット作が出現し、世界が熱い関心を寄せる韓国映画。その韓国映画界をリードする製作会社シネマサービス(大ヒット作”Two Cops”シリ-ズのカン・ウソク監督が設立)が、日本映画の大手=松竹の出資と協力を得て、新たな話題作を誕生させた。
 ソウルと東京を舞台に、無垢なふたつの魂が不思議な“つながり”によってめぐり逢うまでを、優しく細やかに描いた“物語”、それが「純愛譜」である。

生きる目的を見い出せないまま、唯一心の手応えを得られるのはインターネットのサイトだけというソウルの青年ウイン。絆のない家族との暮らしの中で孤独感を募らせ、死への憧れにとらわれていく東京の少女・彩。この二人の男女を通して浮き彫りにされるのは、愛を信じられなくなった現代の若者たちが、それでも手応えのある何かを求め続けずにはいられない茫漠とした虚無感と焦り。そんな彼らがめざすのが、真っ白い氷の大地アラスカ。まさに魂の純真さを象徴する、この美しくも厳寒の地で、彼らは新しい人生に巡り合えるのだろうかーー?

主演のウインを演じるのは、いまや人気、実力ともにハン・ソッキュを凌ぐ韓国NO.1スター、イ・ジョンジェ。「イルマーレ」(9月公開)、「インタビュー」(10月公開)、「情事」(近日公開)など、主演作の日本公開が相次いで予定され、ブレイク間違いなしの俳優。ヒロインの彩=“朝子”を演じるのは、現在、日本のTVドラマ・CMなどで活躍中の新進、橘実里。本作のオーディションで最も輝きを放っていた女優として、監督・プロデューサーの厳しい審査を通過し、初の大役に挑んだ。今後の活躍が期待される、今注目の女優である。この二人を支えて、大杉漣、余貴美子、ダンカンら、第一線の実力派たちが脇を固めているのも見どころ。
 監督は、長編第一作目「情事」(イ・ジョンジェ主演)の大ヒットで、数々の映画賞を受賞したイ・ジェヨン。これが長編第2作目ながら、さりげない日常の中に現代人の孤独を浮き彫りにさせた描写やリアリティのある演出が、新鮮な魅力を放っている。
 撮影は、日本、アラスカ、韓国の3ケ国で行われ、イ監督のもと、日本での撮影は主として日本人スタッフが、アラスカ及び韓国での撮影は韓国人スタッフが担当。通常と異なり、キャメラマンも日韓で別々に立てられたが、これは、東京とソウルの空気感の違いを描きたいという、監督の狙いによるものである。両国のスタッフが時に熱く競い合い、時に本格的な共同作業に取り組んだという意味でも、「純愛譜」は注目の一作である。

ストーリー



ウィン Seoul. 27. male. Single.

 洞(韓国の区の下の単位)事務所の末端公務員であるウイン。彼の日課は細々とした報告書を書くことと区域内の各家庭を訪問してゴミ捨て方法の確認や税金の通知を渡すことなど単純なことばかりだ。ある日から彼の薬指は感覚が無くなり、そのため報告書すらまともに書けなくなってしまう。そんな彼は、毎晩接続するインターネットの世界に夢中になっている。
 ある日ウインの日常に一人の女性が入り込む。洞事務所に開設された製パン講座のアシスタントであるミア。何故か彼女に引かれてしまったウインは、彼女を覗き見したり後を追ってみたりする。しかし彼女はレズビアンである。虚脱感に陥ったウインはその晩、新しく発見したインターネットサイト‘REALMREALM’に接続する。‘靴を履いた朝子’が出演するサイト、ミアに似た彼女の姿にウインは驚く。そしてウインは‘朝子’にのめり込む。馴れない英語でファンレターを送るウイン。“I Want to meet you some day…”

彩 Tokyo. 18. female. Single.

 予備校生の彩(あや)。祖母から息を止めて自殺した祖父の話を聞いた彩は、死を自ら選択するという事に憧れを感じる。そして彼女は自分も息を止めて死ぬ決心をする。死の場所として今日と明日が交差する空間である日付変更線を思い浮かべる彩。「私が昨日死んだのか今日死んだのかわからなくなるでしょ?素敵なことじゃない。」日付変更線を越える飛行機のチケットを買うため、彩はインターネットの美少女覗きサイトに出演する。カメラマンが言う。「君は純粋の結晶体だ。アラスカから発信されるサイトに載るんだよ。世界の人々の淋しさをあの雪のように真っ白に浄化するんだ。」靴に格別な愛情を持つ彩は、自分の好きな靴を履いて出演する。そのため彼女は‘靴を履いた朝子’と名付けられる。ある日ウインからファンレターが届く。英語の読めない彩は外国人の友達を尋ねるが、彼は強制出国になったという。ゴミ箱に捨てられたウインの手紙…

今日でも昨日でもないところ Alaska. ウイン&彩

 ついに飛行機のチケット代を手に入れた彩。しかしそのお金が盗まれ、もう一度出演することになる。画像の中で最後の挨拶をする彩。「これが最後です。私はこれ以上みなさんとお会いすることが出来ません。旅に出るんです。」動画像を撮ったお金で彩は日付変更線を越える飛行機のチケットを買う。いつかカレンダーの絵で見たアラスカに向かうための…一方、彩の最後の挨拶を見たウインもこのサイトの発信地であるアラスカへと向かう。同じ飛行機に乗るがお互いの存在を知らぬまま席に着く二人。ウインの後ろの方に彩が座っているが、彼は気付かない。息づかいが少しずつ荒くなり、大きく息を吸い込む。そして息を止める彩。ウインはこのような行動に全く気が付かないでいたが..

スタッフ

製作:シネマサービス 松竹
制作:KOO&FILM 松竹
プロデューサー:クー・ボンハン
監督・脚本:イ・ジェヨン
撮影監督:近森眞史、ホン・ギョンポ
エンディングテーマ
「月のない夜 道のない場所」歌:クリスタル・ケイ

キャスト

ウイン:イ・ジョンジェ
彩、"朝子":橘実里
彩の父:大杉漣
彩の母:余貴美子
キム・ミニ
粟田麗
キム・ヨンチョル
キム・サンミ
ダンカン
柳ユーレイ

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