リストラ・マン
原題:OFFICE SPACE
通勤ラッシュ、いやみな上司、単調な仕事、リストラの嵐… あなたは、今の会社に満足ですか?
1998年/アメリカ映画/98min 発売:20世紀フォックス ホーム エンターテイメント/販売:ビクターエンタテインメント(税抜:15,000)
2001年6月15日ビデオ発売&レンタル開始
(C) 1998 Twentieth Century Fox Film Corporation.All Rights Reserved. (C) 2000 Twentieth Century Fox Home Entertainment,inc.All Rights Reserved. “Twentieth Century Fox,"“Fox"and their associated logos are the property of Twentieth Century Fox Film Corporation and are used under license.
解説
シニカルなアニメ『ビーバス&バットヘッド』の監督が初の実写作品に挑戦、会社に疲れた全てのサラリーマンに贈る痛快リベンジ・コメディ。会社で働いた経験のある人だったら、誰でも思わずうなずいてしまうシーンの数々。心の奥底では、誰もがやってみたいと思っているに違いないリベンジの数々。そんな、会社に疲れた全てのサラリーマンの心を癒す珠玉のコメディです。全米興行収入では10,000,000ドル突破のヒット作。
ブラッド・ピットの愛妻で、TVシリーズ『フレンズ』でも大人気のジェニファー・アニストンほか豪華キャストにも注目。
【チェック・ポイント!】
自分自身の趣味とリリースされる作品の割合とから、いきおいホラー・SF系の作品が多めになりがちな“必見!未公開ビデオ作品”ですが、今月は、コメディ系がなかなか豊作。「これは劇場で観たかった!」と思える作品が2本ありました。
まず、1本目は『リストラ・マン』。ロック好きのぐうたら少年が主人公のおバカアニメ『ビーバス&バットヘッド』(日本ではビデオ化)や、アメリカの本当に一般的なオヤジたちを主人公にしたアニメ・シリーズ『キング・オブ・ザ・ヒル』(FOXチャンネルで放映中)などのクリエイターであり、声優も務めるマイク・ジャッジの劇場版実写映画の初監督作品で、やはり彼自身が91年に監督した同タイトルの短編アニメーションがベースとなっている。
本作の主人公は30歳手前のサラリーマン、ピーター…ってことで、前出の二つのアニメ・シリーズの中間くらいの設定です。朝の通勤ラッシュの描写がマイ・カーであるあたりが、いかにもアメリカ的ではあるけれど、レポートの表紙を巡って複数の上司から繰り返されるどうでもよさそうな注意、必要な時には決して思い通りに動かないオフィス機器、毎週押し付けられる休日出勤、わざとらしさがムカツクレストランのウェイターと、多分会社勤めをしたことがある者なら誰でも少なからず経験があるうんざりするような日々の描写が、笑わせながらも身につまされて、ひじょうにうまい。また主人公を取り巻くキャラクターたちも、実は小心なくせに虚勢を張りつづけるヤツ(名前はマイケル・ボルトン−笑−)とか、決してきちんとフル・ネームで呼んでもらえないサミアなど、自分の周りを見渡せば必ず身近にいそうなリアルさで、このあたりはさすが『キング・オブ・ザ・ヒル』のクリエイターって感じ。他にも、瓶底メガネでいつもブツブツ独り言をいい続け、上司にいじめられ続ける使えない中年男ミルトンの情けなさも出色。このキャラクターは、原点となった短編アニメでも憐れな主役を勤めていたようだが、本作でも誰にも聞いてもらえない恨み言をいいながら、意外な活躍?でラストを決めます。
毎日が日を追うごとに前日よりも悪くなっていくと感じているピーターが、ある出来事をきっかけに、休出はサボり遅刻はし放題と周りを気にせず意のままに生活を始めたことにより、逆にその態度が会社の経営コンサルタントに気に入られ出世することになり…という筋立ては昔ながらのハリウッド・コメディの王道っぽいが、勿論ピーターはそんなことでは満足せずに、首が決まった仲間達を巻き込んで会社に対してのリベンジ・マッチとなるわけだ。この方法がまた、『スーパーマンⅢ/電子の要塞』で有名(…と台詞でもしっかり言及)な方法だったりするのも、笑わせます。でも自分でもやってみたいと思うのは、やっぱりむかつくコピー機をバットで完膚なきまでに破壊する場面だよね。
ピーターと恋仲になるウェイトレス、ジョアンナを演じているのは、『私の愛情の対象』やTVシリーズ『フレンズ』などのジェニファー・アニストン。ナチュラルな魅力をふりまいて、ピーターの人生で最も大事な存在になっていくヒロインを好演している。なお、ジョアンナに仕事上の注意をネチネチとつける嫌味なレストラン・オーナーを演じているのは、監督のマイク・ジャッジ本人だ(クレジットはウィリアム・キング名義)。(殿井君人)
ストーリー
ラッシュ渋滞・閉ざされたオフィス空間・退屈な仕事・嫌味な上司、そんな毎日にうんざりしたピーターは、セラピーに行った。そのセラピーの効果か、彼は今までとは別人のようになってしまう。レストランで働くジョアンを食事に誘ったり、休日出勤をサボったり、仕事中にオフィスのパーテーションを取っ払ったり、上司の命令も何のその…。リストラ専門のコンサルタントに好印象を持たれ逆に昇格した彼は、仲間と会社の資金横領を企てる。だが、2年後に降り込まれてくるはずのお金が、何と3日後に入金されてしまい…。
スタッフ
監督・脚本:マイク・ジャッジ
制作総指揮:ガイ・リーデル
製作:ダニエル・ラパポート、マイケル・ローテンバーグ
撮影:ティム・サースッド
編集:デビッド・レニー
音楽:ジョン・フリッツェル
プロダクション・デザイナー:エドワード・T・マッケポイ
キャスト
ピーター・ギボンズ:ロン・リヴィングストン
ジョアンナ:ジェニファー・アニストン
サミール:アジャイ・ナイードゥ
マイケル・ボルドン:デヴィッド・ハーマン
ミルトン:スティーヴン・ルート
LINK
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