原題:Lisa

たとえ死がふたりを別つとも、想い出だけは奪えない—。

第9回フランス映画祭横浜2001出品作品::http://www.nifty.ne.jp/fanta/france2001/

2001年1月10日フランス初公開

2001年/フランス/109分/DTS / Dolby Digital 協力:ナド・エンタテイメント 配給:ギャガ・コミュニケーションズKシネマグループ

2003年09月02日よりビデオレンタル開始 2003年09月02日よりDVDリリース 2003年2月8日(土)より、シネ・リーブル池袋にてロードショー

公開初日 2003/02/08

配給会社名 0025

解説


名女優ジャンヌ・モローとフランス若手No.1俳優ブノワ・マジメルが共演。
フランステレビ界の重鎮グランブラ監督の描く自伝的なモチーフに共感し、結集した豪華キャスト&スタッフたち
第二次世界大戦下に散った、伝説の銀幕スターとの生涯唯一の恋。
引き裂かれた過去を取り戻すかのように、彼女は静かに語りだす。

 妖しいまでの美貌で女性ファンを魅了し、『ピアニスト』でカンヌ映画祭主演男優賞を史上最年少で受賞したフランス映画新世代の旗手ブノワ・マジメルと、未だにフランス映画史上、最高の至宝として君臨し続けている伝説的な大女優ジャンヌ・モロ−が共演する哀切極まりない悲恋の物語である。
 ブノワ・マジメルが演じるのは若い映画監督サム。第二次世界大戦前夜に活躍し、謎の失踪を遂げた伝説の銀幕スターの生涯を探っていくうちに、ナチス・ドイツの占領下、広大な森林に囲まれた宮殿のようなサナトリウムを舞台に引き起こされた悲劇が浮かび上がってくる。銀幕スターにはリザという恋人がいた。ジャンヌ・モロ−が軽やかに演じている品のいい老婦人リザは、今も50年前の甘美な愛の思い出に囚われたまま生きている。リザの口から語られる忌まわしく、また美しい記憶。やがて現在と過去が微妙に浸透し合い、リザは次第に、その若い監督に、かつての恋人の面影を見出していく。彼も、リザを通して、ユダヤ人としてのル−ツを確認し、真に自分が撮るべき映画のテ−マを発見してゆく。
 占領下でのフランス人の対独協力者によるユダヤ人狩り、そして、反ナチ抵抗運動を描いた映画には、フランソワ・トリュフォ−監督の『終電車』(81)やルイ・マル監督の『ルシアンの青春』(73)や『さよなら子供たち』(87)など数多くの名作がある。これらの作品に共通するのは、監督自身の切実で自伝的なモティ−フが込められていることだろう。長い間、テレビで活躍していたピエ−ル・グランブラ監督が、26年ぶりにメガフォンをとった『銀幕のメモワ−ル』も、ユダヤ人としての彼自身のアイデンティティを賭けた、どうしても撮らなければならなかった集大成的な作品といえよう。
 若き日のリザを『TAXi』のマリオン・コティア−ルがみずみずしく魅力的に演じ、銀幕スターシルヴァンには『ロマンスX』のサガモア・ステヴナンが扮している。二人が初めて結ばれるのは何と映画館の銀幕の裏。シルヴァンを撮影したラッシュ・フィルムが上映されているスクリ−ンの裏側でのラブシ−ンは不思議なエロティシズムが漂っている。そして、二人が撮影所でフレッド・アステアとジンジャ−・ロジャ−スよろしくダンスを踊る、至福に満ちた場面も印象的だ。サムの父親役には、国民的なシャンソン歌手のミシェル・ジョナズが特別出演している。音楽のガブリエル・ヤーレが、ジョ−ジ・ガ−シュインの「ラプソディ・イン・ブル−」を活用し、叙情的な美しいスコアを聴かせるのも話題のひとつである。

ストーリー



 25歳の映画監督サム(ブノワ・マジメル)は、第二次大戦前に活躍し、その後、消息不明となった伝説の銀幕スター、シルヴァン・マルソ−(サガモア・ステヴナン)の生涯をドキュメンタリ−にする企画を立てる。唯一の手がかりは、1939年に撮影された『女王マリュ−シュカ』の現場でシルヴァンとともに映っている、リザという署名のある女性の写真だった。サムは品のいい老婦人となったリザ(ジャンヌ・モロ−)に会うが、自分の名を隠し、過去を語りたがらない。しかし、サムの熱意によりリザは第二次世界大戦によって引き裂かれ、彼女の人生を変えてしまった生涯唯一の恋を回想し始める・・・。
結核に冒されていたリザ(マリオン・コティヤ−ル)はサナトリウムで療養していたのだが、映画の撮影で訪れていたシルヴァンと恋に落ちたのだ。
 やがて、第二次世界大戦が勃発し、フランス全土がドイツに占領され、ナチのユダヤ人狩りが始まった。そして、いよいよレジスタンスと対独協力者同士の陰惨な対立が顕在化してゆく。カトリックとして育てられたユダヤ人のシルヴァンは捕虜収容所を抜け出してくるが……。
 胸が締めつけられるような思い出をたどりながら、リザは次第にシルヴァンとサムを重ね合わせていることに気づく。一方、サムも、戦時下、ナチの粛清によって孤児となり、戦後を懸命に生き抜いてきた両親の口から意外な事実を聞かされることになる。不治の病で余命いくばくもない父(ミシェル・ジョナズ)を映画に出演させることを決意したサムは、自らのアイデンティティを見つめ直し、撮るべきテ−マを発見したのだった。

スタッフ

監督:ピエール・グランブラ
音楽:ガブリエル・ヤーレ
撮影:ウォルター・ヴァンデン・エンデ

キャスト

ジャンヌ・モロー
ブノワ・マジメル
マリオン・コティアール
サガモア・ステヴナン
ミッシェル・ジョナズ

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