原題:JERUSALEM

感動、そして涙。 封印されていた禁断の一大叙事詩が遂に日本上陸。

1996年/スェーデン=デンマーク=ノルウェー=アイスランド合作/160min 発売:東北新社

2001年6月28日DVD発売

解説

スウェーデンの片田舎から聖地エルサレムを目指したキリスト教徒たちの宿命と愛の物語を実話に基づいて描いた壮大な一大叙事詩『エルサレム』。ノーベル賞作家セルマ・ラーゲルレーブが綴った原作を『ペレ』『愛の風景』で2度のカンヌ国際映画祭パルム・ドールに輝く巨匠ビレ・アウグスト監督が一生涯を賭して撮りあげた渾身の一作である。しかし、カルト的なキリスト教徒の描写が議論を呼び、1996年の発表当時から世界公開は小規模なものに止まり、日本でもビレ・アウグスト幻の最高傑作として長く封印されていた経緯があった。

厳寒のスェーデンと灼熱のエルサレムの対比から生まれる厳しくも豊かな映像美。そして、抗し難い運命に翻弄される若者たち。3時間におよぶストーリーには映画が表現しうる最高の要素が凝縮され、観るものの魂に深い感動を与える。そして、壮大な一大叙事詩に相応しいラストシーンは涙なくして語ることはできない。そんな、世界の遺産とも言うべき本作をどのような理由があるにせよ未発表のままにしておけないという、映像化を望む多数の声に答え、日本初登場となった。

ストーリー

イングマール一家が何世代にも渡って治めてきたスウェーデンの片田舎にある小さな村。厳しい自然の中、正義感溢れる統率力で村人の厚い信頼を勝ち得てきたビッグ・イングマールが突然の事故でこの世を去った。息子のリトル・イングマールはわずか10歳。幼すぎる彼に代わり、姉コリンが土地を引き継ぐことに。やがて、成長したイングマールは幼なじみの愛するゲートルードとの再会を夢見ながら、人里離れた山奥でひっそりと暮らしていた。そこへ、“癒しと地上の天国—エルサレム—へ”の夢を掲げヘルガムという狂信的な牧師が村へやってきて布教活動を始める。必死に抵抗するゲートルードたち。村に舞い戻ったイングマールに待ち受けていたのはヘルガムの信奉者となったコリンがエルサレムへの資金を捻出するため、彼が受け継ぐはずの土地を売り払ってしまった事実であった。その上、イングマールはゲートルードとの仲までも姉によって引き裂かれてしまう。そんな中、村人たちは次々にヘルガム牧師に感化され入信していった。ついにヘルガム派一行は聖地“エルサレム”へ向け旅立つ。その先に待ち受ける試練も知らずに…。傷心のイングマールは旅立つ一行の中にゲートルードの姿を見つけていた。

スタッフ

監督・脚本:ビレ・アウグスト
原作:セルマ・ラーゲルレーブ
製作:イングリッド・ダールベリ
撮影:イェリン・ベルション
美術:アンナ・アスブ

キャスト

ウルフ・フリベリ
マリア・ボネヴィ
ベニラル・アウグスト
マックス・フォン・シドウ
オリンピア・デュカキス

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