原題:IMPOSTOR

侵略者は捕獲し、複製する。

2001年/アメリカ/102分/ビスタサイズ/SR・SRD・SDDS/ 配給:ギャガ=ヒューマックス共同配給

2002年2月21日DVD発売&レンタル開始 2002年2月21日ビデオ発売&レンタル開始 2001年10月27日より丸の内ピカデリー2他全国松竹東急系にてロードショー

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公開初日 2001/10/27

配給会社名 0025/0145

公開日メモ 『ブレードランナー』『トータル・リコール』そして『マイノリティ・リポート』 自分の存在の証明を探す闘いを描くSF作家フィリップ・K・ディック 最新映画化作品!

解説




『ブレードランナー』『トータル・リコール』そして『マイノリティ・リポート』
自分の存在の証明を探す闘いを描くSF作家フィリップ・K・ディック 最新映画化作品!
2001年、再びSF映画の傑作が誕生した。原作は数々の名作を発表し、近年その超大作映画化が続くフィリップ・K・ディック。今やSF映画の古典でありベンチマークとなったリドリー・スコット監督による『ブレードランナー』、ポール・バーホーベン監督による娯楽アクションSF超大作『トータル・リコール』、スティーブン・スピルバーグ監督がトム・クルーズ主演で極秘裏に製作を行い、その公開が待たれる『マイノリティ・リポート』。これらに続く最新映画化作品『クローン』は、人間としての存在とは?自分は誰なのか?何処に行くのか?など、数々のディック作品に描かれているテーマに、追われる男のスリルとアクションを加え、存在の否定とその証明をめぐる闘いを描くSFアクションミステリーである。
観客の想像力を超える戦慄のラスト!予想もつかない衝撃のトリック!
映画界最高のスタッフ&キャストが観客を驚愕させる!!
主演は『アポロ13』『身代金』のゲイリー・シニーズ。その的確な演技と表現力で、共演の俳優を凌ぐリアリティを作品に与えてくれる名優である。今回、クローン人間爆弾にすり替わったと疑われ、地球保安局に追われながら、自分の存在を証明しようと悪戦苦闘する男の不安と怒りを見事に表現している。その妻に『12モンキーズ』『ラスト・オブ・モヒカン』のマデリーン・ストウ。疑われた愛する夫が、本物なのか偽者なのかを決めあぐね、愛と疑念の間で揺れる役を好演する。クローン人間を追い、未然に抹殺していく保安局の少佐に怪物的な名演を観せるヴィンセント・ドノフリオ。近作では『ザ・セル』の昏睡状態の殺人犯役や、古くはスタンリー・キューブリック監督の『フルメタル・ジャケット』の気が狂う新兵役などが思い出される。今回は追跡する男を颯爽と演じる。
 監督はモーガン・フリーマン、アシュレイ・ジャッド主演でヒットしたサイコスリラー『コレクター』のゲイリー・フレダー。今作でも未来を舞台に、SFの要素にスリルとサスペンスを大胆にブレンドした演出の冴えをみせる。脚本は『隣人は静かに笑う』のエレン・クルーガー。今回も心臓が高鳴るスリラーストーリーを書き上げている。その他、音楽は『ブレイド』『リバー・ランズ・スルー・イット』のマーク・アイシャム、撮影を『マグノリア』『8mm』のロバート・エルスウィットが担当している。
「お前は改造され、爆弾が埋め込まれたクローン人間だ。
もはや本物の人間ではない、偽者(IMPOSTOR)なのだ!」
その存在を否定された男の逃亡と真実究明の闘いが始まる!!
未来、地球は宇宙からの侵略者との闘いを繰り広げ、攻撃の被災を免れた都市は防御シールドで覆われている。侵略者攻略の要となる爆弾を研究開発するエリート科学者のスペンサー(ゲイリー・シニーズ)と、宇宙の戦地から戻ってくる大量の負傷兵の治療に当たる医師のマヤ(マデリーン・ストウ)は夫婦であるが、お互いの微妙な立場から最近しっくりいっていない。そんなある日の朝、研究所に出勤する途中でスペンサーは、地球保安局の一員であるハサウェイ(ヴィンセント・ドノフリオ)に捕らえられる。彼はスペンサーに「お前はスペンサーではない、スペンサーは既に殺されている」と告げる。クローン人間であるスペンサーの体の中には爆弾が仕掛けられていて、目的のターゲットに近づくと自動的に爆発すると言うのだ。必死で否定するスペンサーだが、ハサウェイは以前捕らえたクローン人間の解体=体内から爆弾を撤去する映像を見せる。それは「自分は人間である」と泣き叫ぶ、哀れなクローン人間の最後であった。クローン人間は、自分が人間であるとインプットされていて、自白させることはできないのだ。
スペンサーに残された道は、偽者(IMPOSTOR)として処理されるしかないのか。自分の存在証明をかけたスペンサーの闘いが始まった・・・。
全世界に先駆け、日本先行公開!(8月1日現在)
現実的な“クローン人間”問題
『ブレードランナー』が公開された1982年当時は、まだ現実的な問題ではなかったクローン技術。93年にアメリカの研究チームが人間の胚のクローン作りに成功して以来、技術は急速に進歩し、96年にはイギリスの研究チームがクローン羊「ドリー」を誕生させ、世界に衝撃を与えた。
そして今年8月、クローン人間計画がイタリアなどの医師による専門チームにより、11月に着手されるというニュースが発表された。これはクローン技術による、子どもを希望する200組の不妊症カップルを対象に行われるもの。この計画が成功すれば世界初のクローン人間が誕生する。クローン人間の現実化まで、今まさに秒読みの段階に入ったといえる。

ストーリー




人間爆弾逃亡
西暦2079年、地球は異星人ケンタウリと軍事衝突を繰り返していた。今や人類は青い空と豊かな大地の大半を失い、防御シールドに守られたドーム都市での生活を余儀なくされている。スペンサー(ゲイリー・シニーズ)とマヤ(マデリーン・ストウ)夫妻は、朝から凄惨な戦況を伝えるテレビニュースにうんざりしていた。天才的科学者であるスペンサーは、軍部の極秘プロジェクトである爆弾兵器の責任者として、好戦的な議長との会談を今晩に控えている。マヤは軍病院の院長で、戦災者の救護に忙殺される毎日だ。立場の異なる二人は近ごろ意見が合わない。続くニュースでは、二人の想い出の場所である<サットンの森>が、原因不明の火災に遭っている模様を伝えていた。
空飛ぶ交通機関<バグ>に乗って職場へ向かうスペンサーとマヤ。市民の身分管理は日常化していたが、今日に限ってビルのセキュリティが自分にだけ厳しいことを訝しむスペンサー。そんな彼の前に突然現れた地球保安局ESAのハサウェイ少佐(ヴィンセント・ドノフリオ)は、スペンサーにある容疑が掛けられていることを告げる。それは、スペンサーという“人間”は既に死んでおり、現在のスペンサーはケンタウリが作った精巧な“クローン人間”で、しかも体内に爆弾が仕掛けられているという、衝撃の疑惑だった。「俺は本当にスペンサーだ!」容疑を否定するスペンサーだが、クローン人間は本物と寸分違わず作られており、更に「自分は人間だ」とインプットされているため、自白させることも不可能。スペンサーは自らの存在を証明するため、“偽者(IMPOSTOR)”として処刑しようとするハサウェイとセキュリティを蹴散らし逃亡する。
追われるスペンサーに残された道は、マヤの病院にあるDNA検査のデータで、今の自分が以前と同じ“人間”であると証明するしかない。ハサウェイに注射された薬物の副作用に苦しみながら、病院があるドームを目指すスペンサー。ドームの外は<ゾーン>と呼ばれ、戦火で焦土と化した荒野には難民や戦災者、伝染病患者が住んでいた。混乱に乗じてハサウェイの執拗な追跡を間一髪で逃れるスペンサーだが、今度は賞金稼ぎのゾーン住人に捕まってしまう。その一人ケールに、スペンサーはマヤの病院にあるドラッグを条件に、ドームへの侵入を手伝うように持ちかける。
ケールの協力でドームへ侵入したスペンサーは、指名手配の包囲網をかい潜り、遂に病院内部へ忍び込む。しかし肝心のマヤが見つからず、スペンサーはマヤの同僚キャロンを脅し、検査を強要する。だが通報によって検査は中断、駆けつけた警備員に包囲されてしまう。危機一髪をケールに助けられるが、彼は重傷を負う。ハサウェイの追跡を逃れ、バグのプラットホームにたどり着いたスペンサーは、そこでサットンの森の火災ニュースを再び目にし、マヤに電話をする。「僕達が初めて出会った場所で待っている…」
暗闇の森で再会したマヤにスペンサーは、この森を包むドームに宇宙船が墜落して火災が発生したこと、従って宇宙船は爆発して自分がケンタウリに捕らえられたはずがないことを伝える。愛する妻へ無実を証明しようとするスペンサーの言葉に、マヤも本物の夫だと確信する。だが、ハサウェイにスペンサーの容疑を執拗に説明されたマヤは、森で会う約束を通報していた。包囲網に気付き、再び逃げるスペンサー。マヤもその後を必死に追う。
逃走の末、森の奥でスペンサーが見たものは、墜落した宇宙船の残骸だった。ハサウェイの制止を聞かず、船内を探るスペンサー。パイロットの死体が見つかれば、自分の容疑が晴れる。だが彼が発見したものは、驚愕の事実を知らせるのだった・・・。

スタッフ

原作:フィリップ・K・ディック
『にせもの』(ハヤカワ文庫刊 ディック傑作集①「パーキー・パットの日々」収録)
監督 : ゲイリー・フレダー
脚本 : キャロライン・ケース/エレン・クルーガー/デヴィッド・トゥーヒー
脚色 : スコット・ローゼンバーグ
プロデュース : マーティー・カッツ/ダニエル・ルピ/ゲイリー・フレダー/ゲイリー・シニーズ
プロダクション・デザイン : ネルソン・コーテス
音楽 : マーク・アイシャム
編集 : アルメン・ミナジャン/ボブ・ダックゼイ
撮影 : ロバート・エルスウィット
スペシャル・ビジュアル・エフェクツ : ILM(インダストリアル・ライト・アンド・マジック)
共同プロデュース : キャリー・グラナット/アンドリュー・ロナ/マイケル・ゾーマス
共同製作 : ボブ・ワインスタイン/ハーベイ・ワインスタイン
製作 : マイケル・フィリップス

キャスト

ゲイリー・シニーズ : スペンサー・オーラム
マデリーン・ストウ : マヤ・オーラム
ヴィンセント・ドノフリオ : ハサウェイ
トニー・シャルホウブ : ネルソン
メキー・ファイファー : ケール

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