原題:BLOW

夢を使い果たして、男はアメリカを手に入れた ドラッグ・マーケットに君臨し、アメリカン・カルチャーの裏舞台に実在した、キングの物語

2001年4月6日全米初公開

2001年/アメリカ映画/2時間3分/ドルビーデジタル、SDDS、DTS/ 字幕翻訳:岡田 壮平/原作:アーティストハウス/サントラCD:東芝EMI/ 協力:タキコーポレーション/ 配給:ギャガ・ヒューマックス共同配給

2002年5月24日よりビデオ&DVD発売 2001年9月22日より日比谷地区上映館が日比谷スカラ座2に変更 2001年9月15日より日比谷みゆき座他東宝洋画系にて公開

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公開初日 2001/09/15

公開終了日 2001/10/19

配給会社名 0025/0145

公開日メモ ブロウ(BLOW)とは、マリファナ、コカインなどドラッグ吸引を意味する俗語であり、人生の満開状態であり、また奈落への運命の一撃である。

解説




ドラッグにより“アメリカ”を手に入れた男の伝説が今、明らかになる。

2001年春、全米に強烈な一撃が見舞われた。それは1970年代にアメリカ裏社会に君臨した伝説の男ジョージ・ユングの強烈な一発だった。全米8週連続TOP10入りを獲得した本作『ブロウ』を通して観客の魂を揺れ動かしたのである。
『ブロウ』は、『トラフィック』などとは異なり、ドラッグ戦争にまったく異なったアプローチを見せて観客を泣かせ、大ヒットを記録した。アメリカのディーラーとしては若くして伝説的な存在にのし上がったジョージ・ユングの驚くべき、しかし人間的な一代記を描く事で、監督テッド・デミは、ありがちな麻薬撲滅メッセージ映画、あるいは単にアクションの素材としてのコカイン密売ストーリーとはきれいに手を切って、夢や悲痛な愛のドラマを引き出した。
 ブロウ(BLOW)とは、マリファナ、コカインなどドラッグ吸引を意味する俗語であり、人生の満開状態であり、また奈落への運命の一撃である。映画『ブロウ』はそれらの全てを生きた男のひたすら楽しかったシックスティーズのカリフォルニア時代から、恋の悲しい終わりへと進み、息子の帰還がつねにFBIに追われながらという事への実直な両親の戸惑い、刑務所仲間のビジネスの拡張し巨万の富を築く上昇期、仲間から略奪した魅力的な女性マーサとの熱い生活、自分が父親になったときの娘への想いなどが、ゆるやかにそして激しく語られていく。
 最終的に人を癒すものはなにか?
 観客は自分と親の関係、あるいは子供との関係のありようをついつい映画に見てしまう事になる。興味深いドラッグ・ディーリングの実態はその意味でまったく背景にすぎない。あらゆるアメリカン・ドリームの影にある夫婦愛、家族愛の不安感に目を向ける事………。
 こうしたデミの意図が果たされるためには、ユングを演じたジョニー・デップのさりげない天才芸が必要だった。ジョージ・ユングそのひとのように、デップはユーモアをもって演じ、映画に不可欠な共感をもたらした。ユングの妻マーサを演じたのは、目下ハリウッドで最もホットなスペイン出身の女優、ペネロペ・クルスだが、彼女のまさに旬な魅力は圧倒的だ。デップ、クルス、がそれぞれ、『ショコラ』、『全ての美しい馬』の演技の色香をさらに倍化させての初共演が『ブロウ』第1の魅力である。
 常に観客の心を正しい位置へと引き戻すべく機能しているのが、ユングの両親だが、特に息子の一定の理解をしめす父親に『ハンニバル』のレイ・リオッタ、厳しい目を向ける母親に『日陰のふたり』のレイチェル・グリフィスが扮する。わき役人が実に個性的だが、特にシックスティーズのカリフォルニア徒花的匂いを見事に出したのが、かつてピ−ウィー・ハーマン事ポール・ルーベンスだ。彼の不思議な存在感に喝采したい。
 ユングの少年時代にあたる50年代から80年代までの異なった時期のファッション再現にも注目が集まるだろう。またアメリカのカルチャー気分の変遷をローリング・ストーンズ、ボブ・ディラン、レイナード・スキナード、そしてジャニス・ジョフリンの再来と言われるブレイク中の歌姫ニッカ・コスタの曲と歌声が彩っている。
 『ブロウ』には真実だけだが持つ重さと輝き、そして感動が間違いなく存在する。それはコカインによって全米を支配した男ジョージ・ユングが放っているモノといっても過言ではないだろう。

 ロケ撮影は、カリフォルニア州南部とメキシコでアメリカのさまざまな時代、さまざまな土地、あるいはコロンビアを再現して行われた。

ストーリー




ローリング・ストーンズの曲をフィーチャーしたタイトルバック映像はコロンビアでのコカイン栽培から精製、箱詰め、製品を小型飛行機に詰め込むまでである。のんびりとした光景だが、生産地帯はこのようなものだ。欲望と天文学的な金のドラマが生まれるのは、これを売りさばくプロセスにおいてなのだ。
 飛行機はアメリカ空港に降り立ち、運ばれてきた製品を受け取っているのが、ジョージ・ユング(ジョニー・デップ)と仲間たちだ。アジトに運び込んでコカインの試し吸いをおこないながら、ユングは語り出す。自分の生い立ちをーー。

 1950年代マサチューセッツ、ウェイスマス。
ジョージの父親は小さな会社を経営していたが、行き詰まり倒産。母親は何度も家出を繰り返す家庭だった。働きづめに働いて、結局貧乏生活。「良いときも悪いときもある、それが人生だ、金は幻のようなものだ」、こう父フレッド(レイ・リオッタ)は語ってきかせるわけだが、ジョージは思った。こんな生活はイヤだ、金が欲しい、いい生活がしたい。父の言葉を噛しめるには、何十年もたってからの事となる。
 ジョージのブロウ的人生の始まりはカリフォルニアに幼なじみのトゥナ(イーサン・ラブリー)と移り住んでからである。折りしも、ヒッピー、ドロップ・アウト、フラワー・チルドレンーーカリフォルニア、夢の60年代ライフの真っ只中である。ドラッグの中心はのどかともいえるマリファナだった。恋人になったバーバラ(フランカ・ポテンテ)から、マリファナ販売元締め、ゲイのデレック・フォーリールを紹介され、ささやかにケチな小売り業からスタートする。ボストン。ジョージと異名をとり、商売の才気はすぐにデレックを凌ぐようになる。ニューヨークなど東部アメリカには上物がない事に目をつけ、スティワーデスのバーバラに運び屋をやらせて販路開拓をはかり、さらにひらめいたのが、メキシコ産マリファナを安く大量に手に入れる方法として、小型飛行機を使用しての現地調達。生産地をおさえるのは斬新であたらしかった。
 自分の商売をまったく知らせないまま、ジョージはバーバラを両親に引き合わせるが
、この席でバーバラの体調に気づく。
 1972年、販売目的のマリファナを不法所持していた理由でジョージは逮捕される。この時警察がとった写真で親指をたてての権力への侮蔑感はまさに反抗世代、60年代的作法だ。拘留をこばみ、故郷を逃げるが、母は警察沙汰になった息子に厳しくあたり、父は息子が何であれ受け入れる。映画で何度も、この放蕩息子の帰還場面はくりかされるが、母の態度は変わらず、父子の絆のみが固くなっていくのだ。母の通報でジョージは逮捕され刑務所にはいる事になる。ジョージの運命をさらに劇的にする人物との出会いが待っていた。それがジョージのコロンビアのコカイン生産と販売を支配するカルテルのボス、パブロ・エスコバルの信頼厚いアメリカ人ディーラーとなる道を開いたのである。
 70年代後半から80年代、ジョージの提供するコカインはバブル期のアメリカ・パーティ・ライフの気のきいた必需品と化していく。この時にアメリカに出回ったコカインの実に80%以上がジョージのコカインルートを通じて持ちこまれている。また時を同じくしてバーバラと死別した後初めて愛を注げる女性マーサ(ペネロペ・クルス)に出会った。金、名誉、権力、女…、文字通りジョージは全米の裏社会のキングにまで上り詰めたのである。“アメリカ”を手に入れた男ジョージ・ユング。しかし人生の歯車はいつまでも噛み合ってはいなかった。

スタッフ

監督:デッド・デミ
製作総指揮:ジョルジア・カサンデス
製作:テッド・デミ
製作:デニス・レアリー
製作:ジョエル・スティラーマン
脚本:デヴィッド・マッケンナ
脚本:ニック・カサヴェテス
撮影監督:エレン・クラス
美術:マイケル・ハナン
編集:ケヴィン・テント
衣装:マーク・ブリッジス

キャスト

ジョージ・ユング:ジョニー・デップ
マーサ・ユング:ペネロペ・クルス
デレック・フォーリール:ポール・ルーベンス
バーバラ・バックリー:フランカ・ポテンテ
アーニン・ユング:レイチェル・グリフィス
フレッド・ユング:レイ・リオッタ

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