原題:THE INSIDER

銃声のない、荘厳なる戦場へ−−−。

★アカデミー賞 作品賞/監督賞/主演男優賞(ラッセル・クロウ)/ 脚色賞/撮影賞/編集賞/音響賞ノミネート ★ ゴールデングローブ賞(ドラマ部門) 最優秀作品賞/監督賞/最優秀主演男優賞(ラッセル・クロウ)/ 脚本賞/作曲賞 ノミネート ★ ゴールデン・サテライト賞(ドラマ部門) 最優秀作品賞/最優秀主演男優賞(アル・パチーノ、ラッセル・クロウ)/ 最優秀助演男優賞(クリストファー・プラマー)監督賞/編集賞 ノミネート ★ ロサンゼルス映画批評家協会賞 最優秀作品賞/最優秀主演男優賞(ラッセル・クロウ)/ 最優秀助演男優賞(クリストファー・プラマー)/撮影賞 受賞 ★ ナショナル・ボード・オブ・レビュー 最優秀主演男優賞(ラッセル・クロウ)/特別賞(マイケル・マン監督) 受賞 ★ ボストン映画批評家協会賞 最優秀助演男優賞(クリストファー・プラマー) 受賞 ★ 放送映画批評家協会 最優秀作品賞 ノミネート 最優秀主演男優賞(ラッセル・クロウ)

1999年/アメリカ/カラー/スコープサイズ/2時間38分/ドルビーSRD SDDS 日本語字幕:松浦美奈 配給:東宝東和

2001年1月17日DVD発売/2001年1月17日ビデオ発売&レンタル開始 2000年5月27日より日比谷みゆき座ほか全国東宝洋画系にてロードショー公開

公開初日 2000/05/27

配給会社名 0002

解説

何が正しく、何が間違っているかさえわからない混沌とした時代に、自分を信じ、自分を貫こうとする男たちの戦いのドラマが誕生した。
男の美学を語らせたら右に出る者のいない「ヒート」のマイケル・マン監督のスクリーンからほとばしる熱気が、観る者を熱くする。
この映画には銃撃戦もなければ、力一・チェイスもない。しかし、それらを遥かに凌ぐ激しく心を揺さぶる戦いがある。
主演は「セント・オブ・ウーマン/夢の香り」でアカデミー賞主漬男優賞に輝いたハリウッドを代表する名優アル・パチーノ。報道という名の戦場を駆け抜ける闘志の塊のような男だが、中身は思慮深くそして思いやりのあるジャーナリスト、ローウェル・バーグマンを見事に演じ、血の通った現代のヒーロー像を創り上げている。そして、もう一人の主役は「L.A.コンフィデンシャル」で、その実力を遺憾なく発揮して、一躍スターの仲間入りを果たしたラッセル・クロウ。平凡な一市民が〈内部告発者〉となることでかつてない戦いの世界に足を踏み入れ、巨大な敵の圧力に地位も名誉も家族も失いながらも自分を賢く男、ジェフリー・ワイガンドを演じる。役に成り切るために、体重を大幅に増やし髪の毛も薄くした上に白く染める熱演が注目を集めた。他の出演陣も名優クリストファー・プラマー、「ジャッカル」のダイアン・ヴェノーラ、「ショーガール」「バウンド」のジーナ・ガーションらが脇を固めている。また、スタッフもマイケル・マン監督のもと、一流スタッフが結集した。撮影監督は「ラスト・オブ・モヒカン」「ヒート」でマイケル・マンとコンビ在組み、そのスクイリッシュな映像が観る者を魅了するダンテ・スピノッティ。脚本は「フォレスト・カンプ/一期一会」でアカデミー賞に輝いたエリック・□ス。”ヴァニテイ・フェア誌”の記事「知りすぎた男」に基づき、個人および企業をすべて実名のままで登場させる緊張感溢れる骨太のドラマを創り上げ話題を呼んだ。アメリカのマスコミは、この映画を「20世紀の映画を振り返った時、90年代を代表する作品」と絶賛し、現在、その好評を裏付けるように数多くの映画賞を獲得し続けている。「インサイダー」は、スクイリッシュで華麗な映像とその中に刻みこまれた重厚かつダイナミックなドラマの迫力に、映画の持つ力を改めて感じさせる傑作であり、映画が20世紀最後の年にたどり着いたひとつの頂点といえる。

ストーリー

 米国3大ネットワークのひとつ、CBSの人気報道番組”60ミニッツ”のプロデューサーローウェル・バーグマン(A・パチーノ)の元に匿名の書類が届けられた。その書類はかなり専門的なものであったが、タバコ・メー力ーの極秘ファイルであることはすぐにわかった。バーグマンは、この書類の意味を教えてくれる人間を探し、ジェフリー・ワイガンド(R・クロウ)に行き当たる。ワイガンドは、全米3位の売上げを誇るタバコ・メー力一、ブラウン・アンド・ウィリアムソン社・研究開発部門の副社長であったが、上層部と対立し解雇された人物だった。これが、二人の稀有な関係の始まりであり、そして壮絶なる戦いの始まりでもあった。
 ワイガンドの異常なまでの用心深さとその怯えに、ジャーナリストとしての鋭い嗅覚を持つバーグマンは、彼が何かを隠していると感じる。ワイガンドの握る秘密とは、アメリカ随一の巨大産業の存在を根底から崩し得る、爆弾というべき決定的な証拠であった。タバコ・メー力ーは、その強大な政治力と巧みな情報操作で、タバコに関する規正法案を闇に葬ろうとしていた。しかし、ワイガンドは病気の娘の医療手当のため、会社の終身守秘契約に同意していたのだ。

 ワイガンドがマスコミと接触を持ったことを知ったタバコ・メー力一は、彼と彼の家族に圧力をかけ始める。守秘義務と自らの信念の板ばさみで苦悩するワイガンド。それが、インサイダー〈内部告発者〉のたどる道であることをバーグマンはこれまでのジャーナリストとしての経験から痛いほど知っていた。会社の廣重なるいやがらせと脅しに、自分と家族がどうなってしまうのかという不安に神経をすり減らすワイガンド。そして、彼を懸命に勇気づけ、励ますバーグマン。やがて、ワイガンドは、会社の横暴さに対する怒りとジャーナリストとしての信念を員くバーグマンヘの信頼感から”60ミニッツ”のインタビューに応じ、法廷での宣誓証言も決意する。番組の看板ジャーナリスト、マイク・ウォーレス(C・プラマー)のインタビュー収録が終わり、ついに大スクープをものにしたと確信するバーグマンら”60ミニッツ”のスタッフ。しかし、CBSの上層部は、このスクープを放送することによってタバコ・メー力ーに訴訟を起こされる可能性を危倶し”ワイガンドの暴露インタビュー部分”をカットすることを決定した。それは、社会的地位を失い、名誉も失い、そして愛する家族との絆までも代償にして自分を貫いたワイガンドの想いがすべて水泡に帰すことを意味していた。さらに、追い討ちをかけるように、タバコ・メー力ーの反撃が始まった。弁護士や私立探偵の一団を雇い入れ、ワイガンドの私生活についてのマイナス情報を探り出し、彼はうそつきの人格破綻者であり法廷での証言は信用できないとアンチ・キャンペーンを張ってきたのだ。一方、”60ミニッツ”を降板させられたバーグマンは、ワイガンドのインタビューを放送するためにジャーナリスト生命を失う覚悟で危険な賭けに出る。それは、彼自身が〈内部告発者〉となり、CBSの番組操み消しの一件をマスコミに流すことであった。圧倒的資金力を背景に世界市場支配してきた巨大な敵に追い詰められた2人の男たちは、信念だけを頼りに自ら選んだ戦いの道を進むべく、全米にさらなる激震を巻き起こす−−−

立ち向かう!反撃する!自らだけを信じて見たちは牙をむく!

スタッフ

監督:マイケル・マン
脚本:エリック・ロス&マイケル・マン
「ヴァニテイ・フェア」の記事/「知りすぎた男」マリー・ブレナー著に基づく
製作:マイケル・マン&ピーター・ジャン・ブラッシ
撮影監督:ダンテ・スピノッティ
プロダクション・デザイナー:ブライアン・モリス
衣装:アンナ・シェバード
編集:ウィリアム・C・ゴールデンバーク、ポール・ルーベル、デヴイッド・ローゼンブルーム
音楽:リサ・ジェラード&ピーター・バーグ
共同製作:マイケル・ワクスマン
キャスティング:ポニー・タイマーマン

キャスト

ローウェル・バーグマン:アル・パチーノ
ジェフリー・ワイガンド:ラッセル・クロウ
マイク・ウォーレス:クリストファー・ブラマー
リアーン・ワイガンド:ダイアン・ヴェノーラ
ドン・ヒュイット:フィリップ・ベイカー・ホール
シャロン・ティラー:リンゼイ・クローズ
デビー・デ・ルカ:デビ・メイザー
エリック・クラスター:スティーヴン・ドボロウスキー
リチャード・スクラックス:コーム・フィオレ
ロン・モトリー:ブルース・マクギル
ヘレン・カベレッリ:ジーナ・カーション
トーマス・サンドファー:マイケル・カンポン
ジョン・スカンロン:リップ・トーン
ミセス・ウィリアムス:リン・シグペン
バーバラ・ワイガンド:ハリー・ケイト・アイゼンバーク
ノーマン:カメラマン:マイケル・ポール・チャン
ミセス・ワイガンド:リンダ・ハート
マーク・スタイン:ロバート・ハーパー
ロバートソンFBl工一ジェント:ネスター・セラノ
「ニューヨーク・タイムズ」記者:ピート・ハミル
タバコ訴訟の弁護士:ウィングス・ハウザー
シェイク・フェテラーラ:クリフォード・カーティス
デホラ・ワイガンド:レネ・オルステッド
マイケル・ムーア(彼自身):マイケル・ムーア
ジャック・パラディーノ(彼自身):ジャック・パラディーノ

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