原題:The Emperor's New Groove

意地悪ばかりしていると、そのうち「ラマ」にされちゃうよ。

2000年12月15日全米公開

2000年/アメリカ/78分/DTS / Dolby Digital / SDDS/ 提供:ウォルト・ディズニー・ピクチャーズ映画 配給:ブエナビスタインターナショナル(ジャパン)

2001年7月より渋谷東急ほか全国公開

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公開初日 2001/07/14

配給会社名 0069

解説

王様の名はクスコ。若くてハンサムでスタイル抜群で大金持ちの彼にとって、人生は思いのままのはずだった。だが何でも持っているはずの王様が、ただひとつだけ持っていないものがあったのである。それは、心から信じ合うことのできる、かけがえのない友達…。
ディズニーが21世紀の幕開けに贈る、ファンタジック・アドベンチャー『ラマになった王様』。南米のジャングルの奥深くにある王国を舞台に、魔法でラマに変えられてしまった若き王クスコと、クスコの窮地を救う心優しき農夫パチャの、胸躍る冒険の旅が繰り広げられる。どんなに人の良いパチャでも、ラマになっても王様気取りのクスコとでは気の合うはずもなく、ふたりの道中は衝突ばかり。ラマになった王様は、果して人間に戻れるのだろうか?そして、わがままでイジワルな暴君だった彼が、旅の終わりに見つけたものは・・・?魔法、変身、ゴージャスな宮殿、ジャングルの中の冒険といったワクワクするキーワードをスパイスに、《わがまま》や《意地悪》の愚かさをコミカルに描きながら、友情の素晴らしさを語りかける感動のストーリー。まさにディズニーならではの、大人から子供まで楽しめる最高のエンターテイメント作品だ。
イマジネーション豊かな童話的世界を彩るのは、世界的なミュージシャン、スティングによる珠玉のナンバー。スティングがクスコとパチャの熱い友情を歌い上げる”My Funny Friend and Me”は、第73回アカデミー賞オリジナル歌曲賞にノミネートされている。また、全てが思いのままというクスコの世界”Perrect World”を、ポップス界の大御所トム・ジョーンズが熱唱し、音楽ファンの話題を集めた。なお、この”Perfect World”に、日本語吹替版では「ラッキー・ムーチョ/ラマになった王様」のタイトルで西城秀樹が挑戦。日本のミュージック・シーンに新たなる大ブームを巻き起こそうとしている。
映画の完成までには、400人ものアーティストと、300人もの技術者・製作関係者が携わっている。監督は『リトル・マーメイド』『アラジン』などのビジュアル部門に貢献してきたマーク・ディンダル。製作総指揮は『美女と野獣』『ライオン・キング』『ノートルダムの鐘』のドン・ハーン。ウォルト・ディズニーの夢と情熱の継承者たちが結集した正当派ディズニー・アニメーションでありながら、『ラマになった王様』には、21世紀にふさわしい斬新さとパワーがみなぎっている。その秘訣のひとつが、南米の文化にインスピレーションを受けた美術だ。クリエイティブ・チームはペルーに渡り、古代インカ帝国の遺産を徹底的に研究。その成果は、本作品の色彩、モチーフ、デザイン、スタイルなど、芸術的要素のあらゆる面に反映されている。
さらに作品を魅力的にしているのが、ディズニー映画史上類を見ない程に個性あふれるキャラクターたち。わがままでイジワルな主人公のクスコは、これまでの善良なディズニー・アニメのキャラクターのイメージとはおよそかけ離れている。また、”動”のクスコに対して、一貫して”静”の農夫パチャは、さりげないのに深く心に残るキャラクターで、バーチャルな世界の住人とは思えないほどの”人間らしざ”を漂わせている。もちろん、悪役もオリジナリティに富んでいる。クスコをラマに変える魔女のイズマは、陰謀を企てる最中もお肌の手入れに余念がないし、彼女の頼りない家来のクロンクはドジばかりで、人間よりも動物の方が好きらしい。
『ラマになった王様』が観客の心に残すものは、果して何だろう?「意地悪やわがままは愚かなこと」「苦労して人は初めて成長できる」「本当の友達こそ、かけがえのない宝物」・・・。もちろん、得られる教訓やメッセージは無数にあるだろう。だが、それよりもまず、クスコとパチャのこの愉快な冒険を心ゆくまで楽しんでみよう。子供たちは夢中になって。大人たちは童心に返って・・・。

ストーリー

南米の険しいジャングルの彼方に、その王国はあった。王の名前は、クスコ。若くして民の上に君臨する彼は、素晴らしい美貌と才能の持ち主。さぞかし周囲の人気を集めて・・・と思いきや、わがままで、イジワルで、自分勝手で、傲慢で、浪費家でetc.…と、世界の王様ワースト10にランクインすること確実の評判の悪さ。因果応報は世の習いで、クスコ王にも天罰が下る。リストラされた魔女イズマの恨みをかい、魔法の薬でラマに変えられてしまったのである!(え?ラマ?)そう、あのラクダ科の草食動物のラマである。袋詰めにされて城から放り出された先は、農夫パチャの荷車の上。そうとは知らずに、パチャはクスコを乗せ愛しい妻と子供の待つ我が家へと出発する。
だが、帰宅したパチャはついに異変に気付く。見貫れぬ袋の中身は、言葉を話す変なラマ!クスコ王だと名乗るラマの話をすぐに信じたわけではないが、その偉そうな態度には見覚えがあった。実は、クスコ王は自分の別荘を建てるためにパチャの家を壊そうとしており、その計画を取り消してもらうために城にやってきたパチャは、王に冷たく追い返されたのだった。パチャの助けが必要なのに、人に命令するばかりだったクスコは素直に何かを頼む事ができない。こんな態度の悪いラマを助ける義理はなく、パチャはクスコをジャングルに置き去りにする。
クスコはひとり途方に暮れる。どうずれば人間に戻れる?どうすればあの素晴らしい生活を取り戻せる?そして何よりも、どうやったらこのジャングルを抜けられる——?そんな時救いの手を差し伸べたのは、心優しいパチャだった。嫌な奴だがどこか憎めないクスコを、見捨てる事ができなかったのだ。かくして、旅の道連れとしては最悪のコンビは、仲たがいを繰り返しながら城を目指す。危機また危機の連続も、パチャの知識と機転で乗り切るふたり。城まで道中あとわずかとなった時、クスコをラマに変えたあのイズマの魔の手が迫っていた。いまや王の座を手に入れたイズマは、今度こそクスコの息の根を止めようというのだ。パチャはイズマの陰謀に気づくが、クスコは城からの迎えが来たと勘違いし、彼を止めるパチャをののしる。パチャとケンカ別れし、イズマの後を追うクスコ。だが、すぐにイズマの本性を知り、パチャが正しかった事に気づくのだった。
今度こそ、たったひとりになったクスコは寂しさのあまり草原のラマの群れに入ろうとするが、ラマたちにさえ拒絶される。思えば、いつもパチャが側にいてくれた。どんなにひどい事を言っても、どんなにえらそうな態度をとっても、あの優しい笑顔で許してくれた・・・。涙でにじんだ目を上げると、そこには、あの懐かしいパチャの姿が!クスコは初めて知ったのだ。この世で一番大切なものは、ぜいたくな生活でも名声でもなく、心から信じ合えるかけがえのない友達なのだと。
友情の絆で結ばれたふたりには、もう恐いものはなかった。イズマの支配する城に乗り込み、人間に戻れる魔法の薬を探し出そうとするクスコとパチャだったが…。

スタッフ

監督:マーク・ディンダル
製作:ランディー・フルマー
脚本:デビッド・レイノルズ
音楽:ジョン・デブニー/デビッド・ハートレー
作詞・音楽:スティング
歌:トム・ジョーンズ
製作総指揮:ドン・ハーン
日本語版主題歌:「ラッキー・ムーチョ」(ムーチョ★ヒデキ)

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