原題:HURLY BURLY

人生のすべてにウンザリし、崩れそうな自分をかろうじて支えているのは シニカルなジョークと酒、そしてセックス。 正気が狂気か?絶望の果てに見えたのは・・・・

第55回ヴェネチア国際映画祭主演男優賞(ショーン・ペン)受賞

1999年/アメリカ映画/上映時間2時間5分/ヴィスタサイズ/ドルビーSR/ 提供:パイオニアLDC 配給:ザナドウー

2000年9月30日より渋谷シネパレスにて独占ロードショー公開

公開初日 2000/09/30

配給会社名 0103

解説

俺が何を言いたいかだって?現実とどう折り合いをつけるか悩んでいるんだ。知らない間に俺だけ孤独で偏執的な妄想の世界に落ちたくないんだ。現実からはみ出したくないんだ。

本作『キャスティング・ディレクター』は1984年デビッド・レイブが書いた戯曲“Hurlybur1y”を映画化し、ショーン・ペン、ケビン・スペイシー、メグ・ライアンという当世の人気・実力派俳優が集結、豪華、夢のキャストで実現した作品である。キャスティング・ディレクターというハリウッド映画業界の花形職業に就きながら、エディとミッキー、そして彼らを取り巻く友人たちは、みんな不器用に生きている。愛すべきアウトサイダーたちだ。混乱したうんざりする人生ゆえの苦悩、そして心の救済とは一体何なのかを派手なアクションなしに言葉を駆使して演ずる様は見るものを惹きつけて離さない。ショーン・ペンとケビン・スペイシーは本作の元ともなった舞台で持ち役を演じていたことから、互いにずっと映画化されることを望んでいたという。本年度オスカーを競い合った二人の息詰まる演技対決、それに絡むメグ・ライアンが誰とでも寝る娼婦という汚れ役を担当し新境地を見せるなど、「演じることが好きな」俳優たちの、この作品に対する意気込みがうかがえる。そして本作でショーン・ペンは第55回ベネチア国際映画祭主演男優賞を受賞した。

また、公私どもショーン・ペンのパートナーである『フォレスト・ガンプ/一期一会』のロビン・ライト・ペン、『ブロードウェイと銃弾』のチャズ・バルミンテリ、『ピアノ・レッスン』でアカデミー賞助演女優賞を受賞、大人の女優としての風格を身に付けたアンナ・パキンら、演技に定評のある俳優たちが脇を固めている。監督は本作が第3作目となるアンソニー・ドラザン。ハリウッド映画業界の雰囲気と共にキャラクターに息を吹きこんだ。実際、本国のプレス試写では、笑いが巻き起こったというから、映画業界の裏面や人物たちに思い当たることも多かったのかもしれない。

ちなみに、原題、“Hurlyburly”は暴動、混乱、大きな騒音や不快音、群集シーンを意味している。

ストーリー

華やかで誰もが憧れるハリウッド映画業界。しかしハリウッド・ヒルズに住むスマートな花形キャスティング・ディレクター、エディ(ショーン・ペン)にとっては、憧れの業界どころか気分は地獄の真っ只中、ムカつくことだらけで人生に辟易している。
妻子と別居中で居候のミッキー(ケビン・スペイシー)は彼と同じ職業につく皮肉屋でクールな同僚。エディが朝食がわりのコカインを取るのをにがにがしく思いつつも、エディの唯一の理解者であることも事実。だが、エディはミッキーが自分の彼女ダーレーンと浮気をしていることを疑い、確信し、これもまた頭痛の種となっている。
ダーレーン(ロビン・ライト・ペン)はゴージャスな美女だ。誰にも渡したくないのに、逢うとつい何でもないことで口論をしてしまうエディ。

ある日、友人のアーチー(ケイリー・シャンドリング)がエディとミッキーへの差し入れとして、家出中のティーンエイジャー、ドナ(アンナ・バキン)を連れてくる。一夜の宿を得るためなら誰とでも寝る少女。そのまま家住みついても別に驚くことじゃない。
どうしようもない友人のフィル(チャズ・パルミンテリ)はまた揉め事を起こし、エディに相談にくる。エディはフィルを慰めるために風船使いのダンサーで娼婦のボニーをフィルにあてがうが、フィルは彼女を車から突き落とし、そのまま暴走。怒ったボニーはエディに抗議するが、二人の感情は互いに激昂し、ついにエディは心の不安をボニーにさらけ出してしまう。

「自分が孤立してると感じたことはあるか? 俺は愛を感じない。たとえ彼女が俺を愛していたとしても…。そのことにウンザリしているんだよ! わかるか?」

全てに疲れ果てたエディ。心の救済を求める彼がその先に見たものは…。

スタッフ

監督:アンソニー・ドラザン
脚本(原作):デビッド・レイブ
製作:アンソニー・ドラザン/リチャード・N.クラッドスタイン/デビッド・ハンバーガー
エグゼクティブ・プロデューサー:H.マイケル・ハウザー/フレデリック・ゾロ/ニコラス・パレオロゴス/カール・ヤン・コルバート
撮影監督:グ・チャンウェイ
編集:ディラン・テイクノール
音楽:デビッド・バーワルド
美術監督:マイケル・ハラー
衣裳:マリー・クレア・ハナン

キャスト

エデイ:ショーン・ベン
ミッキー:ケビン・スペイシー
ボニー:メグ・ライアン
ダーレーン:ロビン・ライト・ペン
フィル:チャズ・パルミンテリ
アーチー:ゲイリー・シャンドリング
ドナ:アンナ・バキン

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