恋する遺伝子
原題:SOMEONE LIKE YOU
逃げた恋と、いつのまにか始まっている恋
2001年3月30日全米初公開
2001年/アメリカ/ビスタサイズ/ドルビーSR,SROPTS/97分/字幕スーパー翻訳:松浦美奈 配給:20世紀フォックス
2007年11月21日よりDVDリリース 2002年4月5日よりビデオ&DVD発売 2001年10月13日より日比谷スカラ座2ほか東宝洋画系にて公開
(C)2001 TWENTIETH CENTURY FOX
公開初日 2001/10/13
公開終了日 2001/11/16
配給会社名 0057
公開日メモ 恋のあらゆるステージを経験するヒロインのジェーンを、アシュレー・ジャドがいきいきと演じるこの作品は、いま失恋の真っ只中にいるあなたも、恋にルンルンのあなたも、恋人いない歴更新中のあなたも、思わず「わかるわかる」と口走ってしまう共感がたっぷり詰まった、チャーミングなラブストーリーだ。
解説
彼こそが待ちに待った運命の人!そう思った相手にあっさりフラれ、落ち込みのどん底に突き落とされたジェーン。自分はちっとも悪くないのに、なぜ捨てられてしまうの!?
モンモンと悩みまくった彼女が目をつけたのは、二度と同じ雌牛と交尾しないという雄牛の習性。ひょっとしたら人間のオスにも同じ恋愛遺伝子が組み込まれてるのかも。以来、動物と人間の相互関係を研究しはじめたジェーンは、女たらしの同居人エディを格好のサンプルに、偽名で恋愛コラムを執筆。それは、全米中で思わぬ反響を呼ぶのだが……。
人間も動物もオスの遺伝子は同じ。そんな理論で失恋の痛手から立ち直ろうとしたヒロインが、いつしか愛の真実に目覚めていく姿を描いた『恋する遺伝子』。恋のあらゆるステージを経験するヒロインのジェーンを、アシュレー・ジャドがいきいきと演じるこの作品は、いま失恋の真っ只中にいるあなたも、恋にルンルンのあなたも、恋人いない歴更新中のあなたも、思わず「わかるわかる」と口走ってしまう共感がたっぷり詰まった、チャーミングなラブストーリーだ。
舞台になるのは、『ア二ー・ホール』や『恋人たちの予感』など、数々のラブストーリーの名作を生んできたNY。夏から冬へと移り変わっていくダウンタウンの街並みを背景に、等身大の恋愛模様を繰り広げるのは、愛に迷える3人のニューヨーカーたちだ。甘い鳴きでジェーンを虜にしておきがなら、土壇場で裏切りを働く優柔不断男のレイ。同居を始めたジェーンの目をはばかることなく、次から次へとベッドに女を引っ張り込むフェロモン男のエディ。そんなふたりに、雄牛の遺伝子が組み込まれていることを発見したジェーンは、失恋の理由を正当化しようと独自の恋愛論を確立。だが、エディが思いがけなくナイーブな横顔を見せたとき、彼女は恋も人間も理屈で割り切れないことに気づいていく。「どんなに傷ついても、これが最後の恋じゃない」。そう言って、泣きじゃくる自分を抱きしめてくれるエディの優しさこそが、ホンモノの愛だと知るジェーン。いちばん恥ずかしい自分をさらけ出したところから、新しい恋をみつけていく彼女の心の再生が、ここでは爽やかな感動を伴って描かれていく。
主演は、『あなたのために』の好サポートぶりが記憶に新しいアシュレー・ジャド。一枚看板のむ主演スターとして『コレクター』や『ダブル・ジョパディー』を大ヒットさせてきた彼女だが、意外にもラブストーリーはこれが初めて。「それがこの作品を選んだ理由でもあるの」と語る彼女は、誰もが好きにならずにはいられないスマートでキュートな魅力を存分に発揮。天まで舞いあがりそうな恋の気分、そして失恋の怒りと悲しみを繊細に表現し、映画の共感度をグンと高めている。そんなジャドと名コンビを組むヒュー・ジャックマンのセクシー・ガイぶりも見逃せない。『X-メン』のウルヴァリン役でブレイクした彼だが、今回は特殊メイクのないハンサムな素顔で勝負。レディ・キラーを自称するエディの役柄に、『或る夜の出来事』のクラーク・ゲーブルや『アフリカの夜』のハンフリー・ボガートを彷佛させるストレートな男っぽさを漂わせ、明日のスターのカリスマ性を強く印象づける。
このふたりを支える助演陣にも豪華な顔ぶれが揃った。母性本能くすぐり型のエリート・プロデューサー、レイを演じるのは、『恋愛小説家』『ベティ・サイズモア』のグレッグ・キニア。ジェーンにコラム執筆のきっかけを与える親友の編集者リズには、『いとこのビニー』のオスカー女優マリサ・トメイ。また、ジェーンがスタッフとして働くトーク番組のホスト、ダイアン・ロバーツには、『シー・オブ・ラブ』のエレン・バーキンが扮し、アメリカのTV人気司会者のダイアン・ソーヤー顔負けのツッコミ・トークで楽しませてくれる。
ローラ・ジッダマンのベストセラー小説『恋する遺伝子』を、洗練されたユーモアが香る脚本に仕立てたのは、『リトル・プリンセス』のエリザベス・チャンドラー。監督には、デビュー作の『オーバー・ザ・ムーン』で高い評価を得たトニー・ゴールドウィンがあたり、キャラクターのきめ細かな心理描写に俳優出身ならではの腕の冴えを発揮している。そのゴールドウィンと『オーバー・ザ・ムーン』で組んだアンソニ・B・リッチモンドとダン・リーが、それぞれ撮影とプロダクション・デザインを担当。NYロケの魅力を存分にいかした映像を作り上げている。ハイセンスな衣裳デザインを手がけたのは、『イングリッシュ・ペイシェント』でオスカーを受賞したベテランのアン・ロスと、彼女と長年コンビを組んできたミッシェル・メイトリン。音楽は、『ベティ・サイズモア』のスコアが印象的だったロルフ・ケント。製作には、『めぐり逢えたら』『微笑をもう一度』『素晴らしき日』など、女性を主人公にしたラブストーリーの傑作を世に送り続けてきたリンダ・オブストがあたっている。
ストーリー
ジェーン・グドール(アシュレー・ジャド)は、TVの人気トーク・ショー「ダイアン・ロバーツ・ショー」でゲストのブッキングを担当するキャリア・ガール。ボスのダイアン(エレン・バーキン)が、「他の番組に出ないゲストを担ぎ出せ」をモットーにしているため、ジェーンや構成作家兼プロデューサーのエディ(ヒュー・ジャックマン)は、忙しさに追われる毎日を送っている。そんなある日、ジェーンに新しい恋のチャンスがめぐってくる。相手は、番組の新任エグゼクティブ・プロデューサー、レイ(グレッグ・キニア)だった。清潔感あふれるエリート・タイプの彼は、モロにジェーンの好み。「運命の人に出会えばわかるかな?」と、さりげなくアプローチをかけられて、彼女のハートは舞いあがりっぱなしだ。レイに倦怠期中のディーという恋人がいると聞かされてもなんのその。「彼女がベジタリアンで加工食品が嫌いなんだ」とぐちをこぼすレイに「君は肉も食べる?」と誘われて、「もちろん」と答えるジェーン。深夜のデート、キス、そしてベッド・イン。恋する遺伝子の命じるままに愛し合うふたりの仲は、急速に進展していった。
6週間後。レイから同棲を申し込まれたジェーンは、さっそく自分のアパートを解約。ふたりでみつけた新居での生活に夢をふくらませる。ところが、いよいよ引越しの段になって、レイは煮え切らない態度を取り始めた。電話には出ないし、新居の契約も放ったらかしたまま。ついにたまりかねたジェーンは、レイをレストランに呼び出す。そこで切り出されたのは、理由の見えない別れ話だった。
「なぜ?なぜ私がポイ捨てされなきゃならないの?」
怒りと悲しみで目の前が真っ暗になるジェーン。翌朝、社内でレイと顔をあわせるハメになった彼女は、彼へのあてつけに、ルームメイトを募集中だったエディに同居させてほしいと申し込む。調子のいいエディは、ふたつ返事でOK。かくしてジェーンとエディの奇妙な生活がスタートした。
バスルームのキャビネットに何ダースものコンドームを常備しているエディは、自他ともに認めるプレイボーイのマイペース男。だが、同居人としてはなかなか思いやりがあり、傷心のジェーンを温かく励ましてくれる。とは言っても、ジェーンの受けた失恋の痛手は思いのほか深く、彼女はいまだにレイヘの未練が断ち切れないでいた。
ニューヨークタイムズに、雄牛の生態に関する記事が載ったのは、そんなある日のこと。「雄牛は、二度と同じ雌牛と交尾しようとはせず、つねに新しい雌牛を求める」という記事の内容に、ジェーンは雷に打たれたような衝撃を覚える。これは人間の男にもあてはまる!そう思った彼女は、以来、狂ったように動物の研究に打ち込み、「オスの95%は一夫多妻制を好む」という独自の理論を打ち立てていった。毎晩違う女をベッドに連れ込んでいるエディが、その理論の生きた証拠になったことは言うまでもない。
やがて、ジェーンの研究に親友のリズ(マリサ・トメイ)も注目。有名男性誌「M」の編集をする彼女のすすめに従って、ジェーンは連載コラムを執筆することになった。そのコラムは全米中で大反響を呼び、ペンネームとしてでっちあげた<マリー・チャールズ博士>は、一躍時の人になってしまう。ダイアンから、「チャールズ博士を番組のゲストに」と至上命令を下され、ジェーンは大弱り。いっぽう、同じ命令を下されたエディは、コラムの担当編集者であるリズをつかまえようと彼女の通うヨガ教室に乗り込んでいく。が、そこで別れた恋人レベッカと偶然再会した彼は、一気に落ち込みモードに突入。そんなエディのナイーブな一面を垣間見たジェーンの胸には、自分の理論は本当に正しいのか?と、疑問が芽生え始める。
そんなこんなのうちに迎えたクリスマスの日。局のパーティで、レイに和解を申し込まれたジェーンは、大晦日のデートを承諾する。エディがパーティに出かけたあと、いそいそとドレスに着替えるジェーン。だが、レイはいっこうに現れず、ジェーンはみじめのどん底に突き落とされる。
そのショックに追い討ぢをかける出来事が起きたのは、新年の初出社の日。ジェーンがレイにプレゼントしたブルーのシャツを、ダイアンが着て現れたのだ。レイの言っていた腐れ縁のベジタリアンの恋人とは、ダイアンのことだったのか!
〈古い雌牛を捨てた雄牛が、もっと古い雌牛のもとに戻る事態〉に混乱をきたしたジェーンは、ミーティングの席でレイの発言の一つ一つにキレまくってしまう。そんな彼女を心配するエディは、「自分の理論が間違いなら、なぜ私は男に捨てられるの?」と泣きじゃくるジェーンに、「いつか再び愛をみつけられる」と、優しく言って聞かせるのだった。
そのまま同じベッドで眠ってしまうふたり。目覚めたとき、ジェーンは、愛についての確かな真実を手にしていた。意を決した彼女は、「チャールズ博士が生番組で電話インタビューに応じる」と、ダイアンに連絡をとる。
そして始まった本番。果たして、ジェーンはどんな行動に出るのか!?
スタッフ
監督:卜ニー・ゴールドウィン
製作:リンダ・オブスト
脚本:エリザベス・チャンドラー
原作:ローラ・ジッグマン
撮影監督:アンソニー・B・リッチモンド
プロダクション・デザイン:ダン・リー
編集:ダナ・コンドン
衣裳デザイン:アン・ロス、ミッシェル・メイトリン
共同プロデューサー:ジム・コリー
音楽スーパバイザー:ダナ・ミルマン=デュファイン
音楽:ロルフ・ケント
キャスティング:ビリー・ホプキンス、スザンヌ・スミス、ケリー・バーゲン
キャスト
ジェーン・グドール:アシュレー・ジャド
レイ・ブラウン:グレッグ・キニア
エディ・オールデン:ヒュー・ジャックマン
リズ:マリサ・トメイ
ダイアン・ロバーツ:エレン・バーキン
エブリン:ローラ・リーガン
アリス:キャサリン・デント
スティーヴン:ピーター・フリードマン
レベッカ:リアナ・クルーム
イザベル:ムリエル・アーデン
不動産屋:コリーン・キャンプ
クレーン先生:ジェス・プラット
ヒュー・ダウンズ(キャスター):ヒュー・ダウンズ(本人)
メイクアップ・アーチスト:ナオミ・ジャド
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