原題:FOR LOVE OF THE GAME

全てはこの日のため−−− 精いっぱい生きて来た 自分なりのやりかたで…

1999年度作品/ユニヴァーサル映画提供/ビーコン・ピクチャース、TIGプロダクションズ、ミラージュ・エンタープライセスプロタクション、 UlP配給/シネマスコープ/3,789m/7巻/DTS、SRD、SODS、SR/ 翻訳:太田直子/上映時間2時間18分

2007年11月08日よりDVDリリース 2004年11月26日よりDVD発売開始 2002年08月01日よりDVD発売開始 2001年3月23日ビデオ再発売 2000年7月28日よりDVD発売 2000年7月28日よりビデオレンタル開始 2000年1月29日より第2弾丸の内ルーブル他全国東急・松竹系にて公開

公開初日 2000/01/29

配給会社名 0081

解説

 拍手が鳴りやまない!感動で涙が止まらない!世界一孤独な場所=敵地のマウンドで痛む腕にムチを入れ、男が命を賭ける。これが運命を決めるゲーム。
 映画ファンはここに、一番すてきなケビン・コスナーを取り戻した。崖っぷちに立たされた時、そこから這い上がるのが本当の男、そこから蘇るのが真のスーパースターなのだ。そんな彼の最新作が、「さよならゲーム」「フィールド・オブ・ドリームス」に続く、野球映画の最終章となる、この「ラフ・オプ・ザ・ゲーム」である。”コスナーの野球映画は最上質のヒューマン・ドラマ”という信頼性に加え、「ボディガード」「メッセージ・イン・ア・ボトル」をはるかに凌ぐラブ・ストーリー性を保持した”コスナーの最高傑作”(カイル・オズボーン/CBS)が全米の大絶賛に送られて日本の陽春のスクリーンに登場する!
 この孤高のヒーロー、チャペルを演じるのは、「アンタッチャブル」、「ダンス・ウィズ・ウルブズ」(アカデミー7部門受賞作)、「JFK」、「ワイアット・アープ」など名作、大作多数の輝かしいキャリアを誇るハリウッドのスター男優ケビン・コスナー。相手役ジェーン・オブリーには「ツインズ」「ザ・エージェント」などで溌刺たる女性像を見事に演じたケリー・ブレストン。チャペルの親友で補手として長年コンビを組んだ”女房役”ガス・シンスキーには「ブギーナイツ」などの個性派ジョン・C・ライリー、ジェーンの娘で意志の強いヘザーには「グッドナイト・ムーン」などのジェナ・マローン、タイガースのオーナー、ウィラー役に、「コレクター」「ボクサー」のブライアン・コックスほか魅力の演技陣が脇を固めている。また、現役、元大リーガー、あるいは野球関係者も多数キャスティングされており、この作品の”格”を示している。
 監督は前作「シンプル・プラン」で、それまでの「死霊のはらわた」「クイック・アンド・デッド」などの”異能”から本格派に転身したサム・ライミ。本作でさらなる正統派巨匠の称号まで手にいれたかのような見事な演出だ。原作は「キラー・エンジエルス」でピューリッツァー賞を受賞したマイケル・シャーラ。彼の遺作となった本作を見事に練り上げ脚色したのが、「瞳が忘れない/ブリンク」「シティ・オプ・エンジェル」のダナ・スティーブンス。製作は「エアフオース・ワン」「エンド・オブ・デイズ」のアームヤン・バーンステインと「僕の美しい人だから」のエイミー・ロビンソン。製作総指揮は「羊たちの沈黙」などのロン・ボズマン、「エアフォース・ワン」のマーク・アブラハム。撮影は「ザ・シークレット・サービス」のジョン・ベイリー。美術は「フェイス/オフ」のニール・スピサック、音楽は「レッド・オクトーバーを追え!」「レ・ミゼラブル」などのバジル・ホールドゥリスと一流のスタッフが集結。
 スリリングな試合展開と恋のゆくえが交錯する本作品は、2000年という節目の年頭を飾るにふさわしい”けじめ”と”再生”のドラマ。この男に泣こう、この愛に泣こう、そしてこのゲームに泣こう!

ストーリー

スタジアムの歓声が
感動に変わるとき…

 男は誰もが子供時代、一度は野球選手を夢見る。父から貰ったバット、一緒にやったキャッチボール…。その夢を実現したビリー・チャペル(ケビン・コスナー)は、名門デトロイド・タイガースの右腕エースだ。しかし、すでに40歳。腕に、肩に痛みと衰えを感じていた。移動の飛行機内でそれを察して、親友で長年バッテリーを組んで来たガス(ジョン・C・ライリー)が声をかけた。『無理するな、しょせん消化ゲームだ』。確かに、対戦相手のニューヨーク・ヤンキースにとっては優勝のかかった一戦だったが、タイガースには消化ゲームだった。だが、チャペルはこのゲームを感無量の思いで迎えていた。
 その日の朝、5年間、愛を育んできた女性でファッション雑誌のライターであるジェーン(ケリー・プレストン)に『仕事のためロンドンに拠点を移すの。あなたは野球があれば生きていけるわ』と別れを告げられ、さらに長年苦楽を共にしたオーナーから実質的なトレード通告を受けたばかりだったからだ。ロッカールームでチャペルは、やや脂肪がついた腹を指でつまみ、一人物思いにふけっていた。
 午後6時、ジェーンの乗るロンドン行きの機が出発する時刻。彼はその時、世界一孤独な場所、と呼ばれる敵地のマウンドに仁王立ちしていた。満員に膨れ上がったスタジアムの歓声、中にはチャペルに口汚くヤジを飛ばすものもあった。その中で、彼は今、重大な人生の岐路というマウンドで、自らの”けじめ”をつけようとしていた。気合を入れる。今日は特別だ。捕手のガスがマウンドに歩み寄って『2人で狙うか』と以心伝心の声をかけた。球場のノイズが一瞬消えた。初球ストライク!
 その頃、ジェーンは便の遅れで待たされ、空港の待合室やラウンジで野球中継を見るはめになった。これも神様の悪戯か。
 敵の3番打者を仕留め1回裏が終わり、チャペルはジェーンと初めて会った5年前のニューヨークのことを考えていた。車の故障で往生していた彼女を助けたことがきっかけだった。その夜、彼は自分の先発するゲームの特観席に彼女を招待し、自分の雄姿をみせつけた。試合後当然のごとく食事に誘い、『キスは好きかい』のくどき文句に始まり、ベッドを共にし、次のデートの約束が交わされた。
 2回裏。先頭打者は4番のバーチ。元チームメートだった仲のベテランだ。『お互い老けたな』。チャペルはつぶやいた。またも去来するジェーンとのこと。2度目のデートだった。その夜遅刻してきた彼女は『来ないつもりだったの。私はグルーピーと違う。平凡で退屈な女よ』と尻込みをした。チャペルは彼女を気遣い、お互いに詮索も束縛もしない関係で、彼がNYに来たときだけ会う、という”契約”で付き合いを続行させた。その禁をチャペルが破り、ジェーンに遠征先のフロリダに来てくれ、と電話をかける。その申し出を断った彼女だが、思い直して抜き打ちで訪ねてきた。ところが、部屋には若い女性の姿が…。誤解を解くのに必死のチャペル。
 いつ終わってもおかしくない2人の危うい関係だったが、彼女の娘ヘザー(ジェナ・マローン)の家出騒動をチャペルが解決したことをきっかけに、16歳で子供を産んで以来、必死に生きて来た彼女の事情と複雑な心情、娘との絆を垣間見て、愛を深めていった。
 5回裏、火の出るようなピッチャー返しの強烈な打球をバシッと好捕したチャペルは、数年前の選手生命にかかわる大手術からくる焦り、恐怖からジェーンに当たり散らしたことを思い出した。彼女は、彼を励まし、一緒に腕を治していこうと言うが、チャペルは、自分一人で復帰して見せると彼女を追い出した。
 好投を続けるチャペルだが、腕に違和感を覚えた。しびれるのだ。味方が待望の一点入れ、敵はスコアボードに0が並ぶ。一万ジェーンは、遅れた便の搭乗時間が迫り、ゲート・ロビーへと向かっていた。すでに回は終盤8回裏、先頭打者は4番のバーチ。ノーヒットノーランどころか完全試合も夢ではない。しかし、彼は『もう余力がない』と弱音をはく。それをガスが『俺たちが全部取ってやる。ただ投げろ』と叱咤する。父の『野球を楽しめ』の声が聞こえる。球場のノイズが消えた。
 そして、彼が投じた5球目を、バーチが完壁にとらえた打球はライトヘの大飛球。その打球を見上げるチャペル。果たして試合の行方は?彼女への思いは?

スタッフ

監督:サム・ライミ
脚色:ダナ・スティーブンス
製作:アームヤン・バーンステイン、エイミー・ロビンソン
撮影:ジョン・ベイリー
編集:エリック・L・ビーソン、アーサー・コパーン
衣装:ジュディアナ・マコフスキー
音楽:バジル・ホールドゥリス
原作:マイケル・シャーラ

キャスト

ビリー・チャペル:ケビン・コスナー
ジェーン・オブリー:ケリー・プレストン
ガス・シンスキー:ジョン・C・ライリー
ヘザー:ジェナ・マロ一ン
ウィラー:ブライアン・コックス

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