原題:MY DOG SKIP

おんなじ気持ちで笑っていた。 おんなじ気持ちで泣いていた。 おんなじひとりぼっちがふたり。

(初公開:全米2000年01月12日公開)

1999年/アメリカ映画/上映時間:1時間36分、5巻、2630m/ビスタビジョンサイズ/SRD/DTS/SDDS/ 字幕翻訳 松浦美奈/原作 筑摩書房刊/オリジナル・サントラ盤 カルチュア・パブリッシャーズ/ 配給:ワーナー・ブラザース映画

2000年11月3日よりワーナー・マイカル・シネマズにて公開 2001年4月20日DVD発売/2001年4月20日ビデオ発売

公開初日 2000/11/03

配給会社名 0085

解説

おんなじ気持ちで笑っていた。
おんなじ気持ちで泣いていた。
おんなじひとりぼっちがふたり。

スキップと出会えたことでぼくの人生がかわった。生き方がかわった。
ママやパパや友達以上に、大人になるためにいろんなことをおしえてくれた。
それが、ぼくのスキップ。

涙があふれてとまらない─。
全米で半年にも及ぶ超ロングランヒット。

少年と犬との心暖まる物語『マイ・ドッグ・スキップ』は2000年1月14日に、わずか5館という小さな規模で全米公開された。ところが蓋を開けてみると、評判が評判を呼び、多くの人々が劇場に駆けつけ、翌週には28館に拡大、そしてなんと、公開8週目にして2331館という超拡大ロードショーになったのである。たった5館から約470倍もの規模での公開……映画『マイ・ドック・スキップ』は、小さな灯が人々の感動で大きくなり、ついには全米を照らすまでになっていった愛すべき作品。ボックス・オフィスでは最高3位を獲得し、最終的に全米での公開が25週という半年にも及ぶロングラン・ヒットとなった。SFXも大規模な宣伝もない小粒な作品ではあるが、これこそ観客が本当に観たいと望んでいた映画。大人も子供も、男性も、女性も、幅広い世代の人々が、美しい涙を流した、質の高い作品である。
現在、日本でもいち早く情報を聞きつけた多くの人々が、公開を待ち望んでいる。
数々の文学賞に輝くウィリー・モリスのベストセラー自伝小説にもとづくハートウォーミング・ストーリー

原作は数々の文学賞に輝くウィリー・モリスの自伝的ベスト・セラー小説。1940年代にミシシッピー州の田舎町で少年時代を過ごした作者と、愛犬スキップとの物語だ。ちょっとしたトリックでスキップに車を運転させて町中の人々を驚かせるなど、数々の遊び心いっぱいのユニークな描写が笑いを誘い、さらに、ウィリー少年とスキップとの友情の深さに心を揺さぶられる。
撮影は物語の舞台となっているミシシッピー州で行われた。ミシシッピー州にはまだ昔ながらの雰囲気を保っている小さな町がいくつも残っており、40年代当時の家並や、南部の美しい自然など、古き良き時代の風景を堪能することができる。
新星フランキー・ミューニースとベテラン俳優、そしてスタッフたちのさわやかなハーモニー
若くて、かわいらしい主演俳優を、脇で支える父親・母親役のベテランたち。それによって、作品全体にさらに深みをあたえているのが、本作のキャスティングの魅力だ。

主役のウィリーを演じるのはフランキー・ミューニース。3千人以上の候補者の中から選ばれた。ハリウッドの子役にありがちなこまっしゃくれた所などなく、実に素朴で、愛らしく、溌剌としている。特にウィリーの繊細な部分を表現する、哀しそうな顔や、泣き腫らした顔は印象的だ。原作者のウィリー・モリスからも「彼は私の幼い日を永遠に消えないものにしてくれた」と賞賛を受けている。全米では、昨年からスタートしたTVシリーズ「Malcolm In The Middle」で主役を演じており、すでにお茶の間の大人気を得ている。本作の演技で、さらに大きな注目を集め、ハーレイ・ジョエル・オスメントに並ぶ少年俳優となる日も近い。
ウィリーの父親ジャック・モリスを演じるのはケビン・ベーコン。戦争で片足を失った体験から、心に痛みを秘めた男を見事に演じている。最初は頑固であるが次第に家族への深い愛情を見せていく過程に、彼ならではのベテランの確かな演技力を感じる。
ウィリーの母親エレン・モリスを演じるのはダイアン・レイン。聡明で、茶目っ気ある母親を愛情豊かに演じている。彼女はいつも魅力ある女性を演じているが、本作では包容力のある母親という、新たな一面を見せている。
なお、ナレーションはハリー・コニックJr.が務めている。
監督は原作に惚れ込んだジェイ・ラッセル。映画監督、およびドキュメンタリー作家として確固たる地位を築いている。テレビのドキュメンタリー・シリーズなどを数多く監督してきたが、本作の成功によって、今後、映画界での活躍も大いに期待されている。
製作はアカデミー賞受賞プロデューサーとしても名高いマーク・ジョンソン。『レイン・マン』(88)『バグジー』(91)『パーフェクト・ワールド』(93)『フェイク』(97)など、すべて彼が手がけた作品である。

ストーリー

1942年。第二次世界大戦が始まろうとしていたが、ミシシッピー州の田舎町ヤズーでは、のどかな日々が続いていた。8才のウィリー・モリス(フランキー・ミューニース)は、孤独な少年だった。内気でスポーツが苦手、同級生のイジメっ子グループからは標的にされていた。そんな中で、ウィリーのヒーローは隣に住む青年ディンク・ジェンキンズ(ルーク・ウィルソン)だった。ディンクはスポーツが得意な町の人気者。ウィリーにも時々、野球を教えてくれた。しかし、ディンクも出兵していってしまう。
ウィリーの9才のバースデーがやってきたが、彼にはバースデー・パーティに招待する友達さえいなかった。集まったのは祖父や祖母、両親など、大人ばかり。母親エレン(ダイアン・レイン)がジャック・ラッセル・テリアの子犬をプレゼントしてくれたものの、父親ジャック(ケビン・ベーコン)に反対されてしまう。
ジャックは息子が子犬の世話をするのはまだ早いと考えていたのだった。退役軍人のジャックは、スペイン戦争で片足を失った悲惨な体験から、ウィリーに対して過保護になっていた。
一方、明るく、しっかり者のエレンは、犬を育てることでウィリーに自信がつき、外に向かってはばたいていけるチャンスだと考えていた。エレンはジャックの反対を押し切って、ウィリーに子犬を与えることにする。子犬はスキッパー(スポーツなどのキャプテン)と名づけられ、スキップの愛称で呼ばれることになった。元気で機転がきいて、何でもすぐ覚えるスキップは、いつでもウィリーと一緒。スキップはウィリーが憧れの女の子と親しくなるキューピットになり、墓地での肝試しやフッボールのゲームでは、ウィリーがイジメっ子グループから一目置かれる機会さえ作った。
しばらくしてディンクが帰ってくる。しかし、戦争で心に傷を負った彼は、人を避けるようになっていた。ウィリーが「野球の試合に出るから観に来て」と誘っても、来てはくれない。ショックを受けたウィリーは試合でも活躍できず、苛立っていた。ウィリーを励まそうと、スキップがフィールドに飛び出してきたが、八つ当たりして激しく殴ってしまう。
その時からスキップは姿を消してしまった。ウィリーは町中を探し回るがスキップは見つからない。「ひとつだけ探していない場所があるはずだよ」というディンクの助言で、ウィリーはある場所に向かったが…。

原作本の『マイ・ドック・スキップ』はウィリー・モリスが少年時代に飼っていた愛犬スキップとの思い出を綴った回想記である。スキップと共に過ごした、かけがいのない日々のエピソードが、いくつも積み重ねられていて、そのどれもが愛情こまやかで、やさしい気持ちになれるものばかりだ。また、作者が少年から大人へと成長していく過程で、数々の問題にぶつかり、彼なりに悩みながら問題を解決し、消化していったことも巧みに織り込まれている。40年代の古き良き時代へのオマージュを、エスプリのきいた文章で書き上げた本書は、世界中の読者の笑いと涙を誘った。95年に発行されてブック・オブ・マンスの推薦図書に選ばれ、世界的ベスト・セラーになっている。
ウィリー・モリスは、本書を書いたきっかけをこう語っている。「『マイ・ドック・スキップ』のひとつ前の作品『New York Day』が、4年もかかるほど大変だった。だから、次の作品は肩の凝らないものにしようと決めたんだ。それには子供の頃に飼っていた犬の話がピッタリだと思ったのさ」

スタッフ

監督: ジェイ・ラッセル
脚本: ゲイル・ギルクリースト
原作: ウィリー・モリス
製作: ブロデリック・ジョンソン & アンドリュー・コーソーブ
マーク・ジョンソン & ジョン・リー・ハンコック
製作総指揮: マーティー・ユーイング
ジェイ・ラッセル
撮影: ジェイムズ・L・カーター
美術: デイビッド・J・ボンバ
編集: ハービー・ローゼンストック, A.C.E.& ゲイリー・ウィンター
衣装: イーディー・ギーゲア
音楽: ウィリアム・ロス

キャスト

ディンク: ルーク・ウィルソン
ウィリー・モリス: フランキー・ミューニース
ジャック・モリス: ケビン・ベーコン
エレン・モリス: ダイアン・レイン
アーミー・バディー: マーク・ビーチ
ジェンキンズ夫人: スーザン・キャロル・デイビス
ジェンキンズ氏: デイビッド・ピケンズ
ビッグ・ボーイ・ウィルキンソン: ブラッドリー・コーリエル
ヘンジー・ヘニック: デイラン・ハニーカット
スピット・マッギー: コーディー・リンリー
スキップ: エンゾー & ムース
リバーズ・アップルホワイト: ケイトリン・ワークス
ナレーター: ハリー・コニック Jr.

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