新しい神様
原題:THE NEW GOD
山形国際ドキュメンタリー映画祭 ベルリン国際映画祭〈フォーラム〉 香港国際映画祭 シンガポール国際映画祭 全州国際映画祭
1999年/デジタルビデオ/99分/カラー 配給:アップリンク、VlDEO ACT
2000年8月5日よりユーロスペースにてレイトロードショー公開 2001年4月27日DVD発売/2001年4月27日ビデオ発売
公開初日 2000/08/05
配給会社名 0009
解説
民族派パンクバンド「維新赤誠塾」に属する雨宮処凛と伊藤秀人。デジタルビデオを介して彼女たちとコミュニケートしようとする反天皇派監督のドキュメンタリー『新しい神様』が完成。
★若林盛亮(「よど号」メンバー)★
映画制作が終わって『(ビデオ)カメラなしでどうやって生きて行くのっ!」と本人を絶叫させた「雨宮入魂」に尽きるこの映画の力!ラストで「身内向け」ではなくそこにいた客に合わせたライブで「自分の力で社会とつながれる」感触を得た雨宮さん、ほんとによかったね。−−ピョンヤンより愛をこめて
★木村三浩(一水会代表)★
右翼をナメてんのかコノヤロー!と、言いたいところですが、この映画がウケているという事は、雨宮さんと同様の空虚感を持った若者が増えているんですね。皆さんが右翼の活動に興味を持って頂けるといいんですが。あと、一水会は「お酒飲んでクダ巻いてる人」ばかりではありません。念のため。
★鈴木邦男(一水会顧問)★
これは壮大な実験映画だ。人問にとって<思想>とは何か、<行動>とは何かを問いかける。映画を撮る方も、撮られる方も、社会に対し苛立ちをぶつけ、自分自身にも苛立ち、闘っている。その心の軌跡が伝わり、感動的だ。
ストーリー
主人公、雨宮処凛は子供の頃に手ひどくいじめられた経験があり、成長してからも社会の中に自分の存在価値を見い出せず自殺未遂を繰り返していた。そんな彼女が形容するところの「半径5メートルの世界」から彼女を救ったのは、民族派右翼の思想だったいう。彼女とその同志、伊藤秀人は、「天皇陛下、万歳!」を叫ぶ民族派パンクバンド、「維新赤誠塾」で活動を共にする。 反天皇制の考えをもつ監督の土屋豊は、二人の言動に反発をもちながらも、社会に対する閉塞観という点にある種の共通性を感じ、敢えて二人に近づいて行く。土屋は、既存の映画的手法を無視して、雨宮にビデオカメラを渡し、彼女の日常を自ら撮影させる。そのことによって、映画は多層的に展開し、三人の間にも奇妙な関係性が築かれて行く。 雨宮は、北朝鮮を訪問したり、所属していた右翼団体を脱退したりしながら、「右翼」、「左翼」をアイロニカルに語り、自らの「天皇依存」を読み解こうとする。そして、雨宮、伊藤、土屋の三人はビデオカメラとともに変化し、自律に向かって一歩踏み出す。 元赤軍派議長・塩見孝也、一水会代表・木村三浩の他、「よど号」メンバーも北朝鮮から出演する本作は、国家と個人、依存と自律の問題を真摯に、そして、ユーモラスに描いた、新世代のポスト・ドキュメンタリーである。
スタッフ
監督・脚本・録音・編集:土屋 豊
撮影:土屋 豊、雨宮処澪、伊藤秀人
キャスト
雨宮処凛
伊藤秀人
土屋 豊
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