冷酷なる瞳
原題:COLD EYES OF FEAR
誘惑を売る女が墜ちた復讐の罠 記憶を震撼させる残酷な監禁と陵辱 そして表の顔は破滅へと向かう
1970年/イタリア=スペイン合作/91min 発売・販売:日本コロムビア(DVD税抜3,800/ビデオ税抜:16,000)
2001年5月19日DVD発売/2001年5月19日ビデオ発売&レンタル開始
解説
1970年代、サブ・カルチャーの発信基地だった英国ロンドンを舞台にしたサスペンス作品。
マカロニ・ウェスタンを数多く手掛けたエンツォ・カステラーリが監督。イタリア映画のスター女優ジョバンナ・ラッリやブニュエル作品でおなじみのスペイン人俳優フェルナンド・レイなど当時のヨーロッパ映画界を代表する出演陣。
また音楽は、『荒野の用心棒』『真昼の決闘』『エクソシスト2』『遊星からの物体X』『アンタッチャブル』『ニュー・シネマ・パラダイス』『海の上のピアニスト』など数多くの名作の音楽を手掛けたエンニオ・モリコーネ。躍動するロンドンの街を舞台に繰り広げられる人間模様を緊張感のあるビートで盛り上げている。
【チェック・ポイント!】
英・米国でユーロ・ホラーの数々を精力的にリリースし続ける“REDEMPTION”レーベルの最新国内リリース作となる本作だが、いわゆる怪奇映画ではなく、英国を舞台に娼婦を叔父の家に連れ込んだ弁護士が、謎の二人組の男によって監禁される恐怖を描いたストレートなサスペンス作品。怪奇映画を期待してしまうと肩透かしを食らうが、猫と鼠のゲーム式サスペンスとしてはかっちりとしたつくりとなっている。それ故に、物語に関してはふれることは差し控えるが、それぞれの出自に関してほとんど知らない4名が、互いの腹をさぐり相手をだしぬこうとする様は見応えがある。
基本的には室内劇だが、冒頭の場面をはじめ70年代の英国を感じさせるロケーションを挿入しつつ、演劇風心象風景などの時代を感じさせる手法も盛り込み、また作品ジャンルを問わないサントラ界の巨匠エンニオ・モリコーネが、ここではモダン・ジャズを基調とする調べによって、時代のムードとサスペンスを盛り上げている。
監督のエンツォ・G・カステラーリは、マカロニ・ウェスタン、戦争、犯罪そして『ジョーズ』フォロワーとしては健闘している『最後のジョーズ(TV題。ビデオは『ジョーズ・リターン』)』や『マッド・マックス』フォロワーとして見事に玉砕した『カー・バイオレンス(TV題。ビデオは『マッド・ファイター』)』など、やはりイタリア映画会の職人監督として娯楽映画はなんでも撮ってきた人。幅が広い分斑も大きい人ですが、そのフィルモ・グラフィーの中では正攻法な仕上がりだ。このシリーズ独自のイントロ部分で、猫と女性の魅力についてひとくさりしているのだが、4人の中では、やはり紅一点の存在として、イタリアから来た娼婦役を演じたジョバンナ・ラッリが、彩り以上の存在感を感じさせてくれて魅力的。(殿井君人)
ストーリー
弁護士のピーターは街で拾った娼婦を叔父の家に連れ込む。ところが、謎の侵入者に拳銃を突きつけられ、二人は叔父の家に監禁されてしまう。連絡の途絶えたピーターの安否を心配した判事の叔父は、警官を屋敷に派遣する。屋敷にやって来た警官を見つけたピーターは、助けを求めるが、その警官は謎の侵入者の仲間だった。二人の侵入者の狙いは何なのか、監禁されたピーターとイタリア人娼婦の運命は。謎の鍵は判事の扱った過去の事件にあった。
スタッフ
監督・脚本:エンツォ・G・カステラーリ
脚本:ティート・カルピ、レオ・アンチョリッツ
音楽:エンニオ・モリコーネ
撮影:パスカル・ラツチーニ
製作:シネマール&アトランティダ・フィルム
キャスト
フランク・ウルフ
ジョバンナ・ラッリ
フェルナンド・レイ
ジュリアン・マテオ
LINK
□IMDb□この作品のインタビューを見る
□この作品に関する情報をもっと探す