sWinG maN
原題:sWinG maN
俳優・木下ほうか、金属バットで殴られる!
2000年/日本映画/35mm/カラー/ビスタサイズ/上映時間87分/ 製作・配給:ビデオプランニング/配給協力:シネカノン
2002年06月25日よりDVD発売開始 2000年10月28日よりシネアミューズにて公開
公開初日 2000/10/28
配給会社名 0172
公開日メモ 『岸和田少年愚連隊』『絆』『のど自慢』等ここ最近の秀作をガッチリと支え、今や日本映画界屈指の若手バイプレーヤー・木下ほうか。 彼の初主演&初プロデュース作品『SWING MAN』が完成した。
解説
『岸和田少年愚連隊』『絆』『のど自慢』等ここ最近の秀作をガッチリと支え、今や日本映画界屈指の若手バイプレーヤー・木下ほうか。
彼の初主演&初プロデュース作品『SWING MAN』が完成した。
監督は一昨年『かわいいひと』(吉川ひなの&鳥羽潤主演)で本編デビューし、今夏公開された『GLOW 僕らはここに…。
』ではストリートで人気の若者を多数キャストに起用、都会に生きる彼らのリアルな姿を瑞々しく描写して、その確かな演出力と映像センスが評判を呼んだ新鋭・前田哲。
数年前、木下と前田監督は仕事を通じて知り合う。
「物事の感じ方や見方がよく似ている」と語る前田監督と「価値観に自分と共通するものを感じたし、何より人間性が好き」と話す木下はすぐに意気投合。
その後、ふたりのプライベートな交流は続く。
一方、昨夏”数多くの現場で感じていた不満や未消化な感覚の蓄積”から木下は自らが映画製作をプロデュースすることを決意。
低予算の現場になることは必至、その監督に前田を指名した。
「出会った当時のほうかはいつもイライラして痛かった」と言う前田監督は数ある候補作品の中から池内広明原作『ノックする人びと』(第32回文藝賞優秀作)をピックアップ。
森らいみと共同で脚本を書き上げ、今度は木下を主役に逆指名。
「僕自身、被害者にも加害者にもなる可能性を秘めている」。
そう認める木下。
彼が”俳優”という等身大の役柄とその抑制した演技で、観る者に容赦なく投げかけるのは現代社会の孤独と恐怖、日常生活に潜む暴力への欲望や渇き。
そして思い通りにならない現実への押さえ切れない苛立ちと未来への限りない不安感である。
タイトルの”SWING”は、文字通り”振る”。
しかしそんな物理的=動作についてだけでなく、いや実はそれ以上に人の心の”揺れ”や”ぶれ”という内面的=メンタルな意味合いの強い言葉なのである。
だが前田監督は現代人の心の陰りや暗がりを描くことだけに決して留まりはしなかった。
この作品を観終わった時、観客は身近にあった”目に見えない尊いもの”の存在を再認識することとなるだろう。
ヒロインには『東京兄妹』(第38回ブルーリボン新人賞受賞)や『五条霊戦記//GOJOE』に出演”新世代映画女優”の呼び名も高い粟田麗。
主人公の友人役には、若手実力派ナンバー1『皆月』(99年度キネマ旬報新人男優賞受賞)の北村一輝。
そして事件の鍵を握る少女役に『EUREKA』(本年度カンヌ国際映画祭国際批評家連盟賞受賞)やTBS系連続ドラマ「20歳の結婚」で人気急上昇の宮崎あおい。
その他、なにわゆうじ・田口浩正・麿赤兒・加勢大周・村上淳・小島可奈子・大河内奈々子・井筒和幸・ひふみかおり・木村祐一・小島聖ら豪華かつバラエティに富んだキャスティングが実現。
そして撮影には『HANA-BI』で世界的に高い評価を獲得、この夏の話題作『ホワイトアウト』で改めてその実力を世に知らしめた若き名匠・山本英夫。
また録音を『ア・ホーマンス』『愛を乞う人』等のベテラン・宮本久幸が担当している。
製作・配給は『ゼニ学』シリーズ等数々のオリジナルビデオを世に送り出してきたビデオプランニングで、これが映画初製作。
また、配給協力はシネカノンで、低予算映画の劇場公開をサポートしている。
ストーリー
曇り空、スクランブル交差点。
道行く誰もが、それぞれの事情を抱えている。
それぞれの表情で、それぞれの歩調で、それぞれの目的地を目指す。
すれ違う人、通り過ぎる人、追い越す人、立ち止まる人。
しかし、その男の存在に注意を払う者はいない、ただ一人を除いては。
「たすけて」。
目を覚ますとそこは病室だった。
包帯を巻かれ、ベッドに横たわる男。
木田ほづみ(木下ほうか)。
32歳。
職業・俳優。
「殴られたと聞いています」。
看護婦(大河内奈々子)は事務的な口調でそう告げた。
「いったい、何故?」「いったい誰に?」。
記憶はすっかり欠落していた。
深夜、ほづみの病室に忍び込む若い女・亜希(粟田麗)。
面会時間はとっくに過ぎている。
心配そうにほづみの寝顔を見つめる亜希。
目を開けたほづみに、彼女はやさしく話しかける。
「私のこと、覚えてる?」。
「亜…希」。
やがてほづみは心地よい眠りについた。
一番大切な女性、一番そばにいてほしい女性の確かなぬくもりを感じながら。
刑事(なにわゆうじ)と向かい合い、ほづみが事件の調書に目を通す。
どうやら金属バットで殴られたらしい。
そして目撃者は6人いるという…。
久しぶりに戻った自分の部屋。
ほづみと亜希、そして俳優仲間の北岡(北村一輝)が快気祝いの鍋を囲んでいる。
恋人や友達と共に楽しい時間を過ごすほづみに、やっと以前の笑顔が戻った。
しかし窓の外の、あの微かな物音が気になる…。
マネージャーの溝口(田口浩正)が亜希に映画の衣装合わせの日時を伝え、ほづみに仕事のキャンセルを告げた。
「…少しの間休んでいればいいんじゃないかよ」と話す溝口をほづみは怒鳴りつけた。
明らかに苛立つほづみを気にかげながら、仕事場に向かう亜希。
その時の彼女に、彼を救う手立てはなかった。
事件の真相が知りたい。
ほづみは6人の目撃者に会うことを決意する。
◎初老の紳士・太田正道(麿 赤兒)の証言。
「本能の解放を見てしまうと、人は底無しの恐怖を感じるものなんです」◎野球少年・伊東力(沖津 和)の証言。
「バット振ってみる?」「犯人の気持ちわかるかもよ」◎若いカップル・宍部斗児(村上 淳)と池田弘美(小島可奈子)の証言。
「(犯人は)木田さんに雰囲気似てたよね」「そういえぱ、何となく感じが…」◎エリートサラリーマン・野田孝雄(加勢大周)の証言。
「クレイジーな奴らはそこらじゆうにいるんだから」目撃者たちの証言を聞くほどに、一層の混乱と疑問に襲われるほづみ。
そして相変わらず掴めない事件の真相。
そんな時、最後の目撃者・水瀬双美(宮崎あおい)が亜希の前に現れた。
水瀬は亜希の手を握りしめ、ほづみと自分を結ぶ”奇妙な出来事”について語り始めた。
涙を浮かべ水瀬の話に聞き入る亜希。
彼女には事件の謎が解けたかのように思えた。
しかし傍らで静かな寝息を立てているほづみが、後に思いもよらぬ行動を企てることを、亜希も水瀬も、そしてほづみ自身さえ知る由もない……。
スタッフ
製作総指揮:豊岡稔
プロデューサー:三木和史、李鳳華、松岡周作
原作:池内広明
脚本:森らいみ、前田哲
監督:前田哲
撮影:山本英夫
音楽:Jenka
編曲:野見祐二
照明:金沢正夫
録音:宮本久幸
整音:小野寺修
美術:須坂文昭
編集:奥田浩史、斉藤玲子
衣裳:浜井貴子
メイク:小沼みどり
助監督:佐藤英明
制作担当:田嶋啓次
音楽プロデューサー:内藤光広
音楽コーディネーター:田中克実
監督助手:市原大地、中山央
記録:金丸律子
撮影助手:橋本彩子、G・オビデユー
照明助手:渡辺昌、永田英則、小林誠
録音助手:大塚学
装飾助手:露木恵美子
衣裳助手:荒木里江
音響効果:伊藤進一、小島彩
録音スタジオスタッフ:加藤大和、越智美香
光学リレコ:宇田川章
タイミング:飯野浩
オプチカル:長池直美
タイトルデザイン:萩原得夫
タイトル:マリンポスト
スチール:狩野裕昭
制作宣伝:斎藤芳子
制作主任:池原健
制作進行:濱崎林太郎
制作応援:北原一樹
制作デスク:永野原さつき
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配給宣伝:茂田井美香
ビジュアルデザイナー:小田切佳三
ポスター写真:石渡皓基
予告編集:宮島竜治
予告ネガ編集:福井康人
キャスト
木田ほづみ:木下ほうか
志尾亜希:粟田麗
水瀬双美:宮崎あおい
北岡一貴:北村一輝
刑事・朽木:なにわゆうじ
マネージャー・溝口:田口浩正
太田正道:麿 赤兒
伊東 力:沖津 和
宍部斗児:村上 淳
池田弘美:小島可奈子
野田孝雄:加勢大周
大河内奈々子/真日龍子/ひふみかおり/井筒和幸/
金子 政/役所広司/小島 聖/辰巳裕二/辰巳浩三/
木村祐一/土平ドンペイ/大森南朋/宮内こずえ/
西山 樹/増島雅人/宮本聖也/星野うさぎ/
滝川なち/宮 純子/木下光子/西守正樹
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