原題:GO

僕はアッケなく恋に落ちた。 彼女はムチャクチャ可愛らしい日本人だった。

2001年/日本/カラー/ 配給:東映

2010年06月01日よりDVDリリース 2007年06月01日よりDVDリリース 2002年4月12日DVDレンタル開始&7月21日発売 2002年4月12日ビデオレンタル開始 2001年10月20日より東映邦画系にて公開

公開初日 2001/10/20

公開終了日 2001/11/16

配給会社名 0004

公開日メモ 在日韓国人をテーマにしたこれまでのどんな作品よりも、ポップでグルーヴ感に満ちた痛快青春娯楽小説の映画化

解説



発売と同時に若い読者や各方面から絶賛を浴び、第123回直木賞に輝いた「GO」。発行部数15万部を突破し、テレビ・映画など20社以上の製作会社から映像化の依頼が殺到、文体、ストーリー、キャラクターなどすべてにおいて、在日韓国人をテーマにしたこれまでのどんな作品よりも、ポップでグルーヴ感に満ちた痛快青春娯楽小説である。

 原作は新鋭・金城一紀。コリアン・ジャパニーズの彼は、その実体験を基に小説を描くことで、この国があいまいなままにしてきたシステムに強烈なカウンターパンチをヒットさせた。

 主演は窪塚洋介。恋に友情に悩み傷つきながらも、しだいに国籍や民族といったボーダーにとらわれない新たなアイデンティティに目覚めてゆく少年・杉原に挑む。そして杉原と恋に落ちる美しい少女・桜井には柴咲コウ。常に明るく強靭なまでにマイペースな主人公の母親・道子に大竹しのぶ。強烈な個性で息子を導く父親・秀吉に山崎 努。他にも物語を彩るバイタリティあふれる登場人物たちを個性豊かなキャスト陣が演じている。

 監督は、岩井俊二監督の多数の作品で助監督を務め、昨年度釜山国際映画祭で国際批評家連盟賞を受賞した「ひまわり」や、「閉じる日」で、独特の視点と繊細な映像感覚で現在という時代を巧みに浮き彫りにしてきた若手の俊才・行定 勲。脚本はTVドラマ「池袋ウエストゲートパーク」「ロケット・ボーイ」など、ユーモア溢れるリアルなセリフとスタイリッシュなストーリー構成に定評のある人気脚本家・宮藤官九郎が手がける。

 21世紀を迎えた今も日本と韓国、そしてその狭間に生きる人々にはまだまだ解決されない記憶や問題があるのも事実。しかし、この映画がこじ開ける時代の風穴から吹き込む一陣の新しい風は、古い傷に縛られず、過去の壁を鮮やかに軽々と飛び越えて行くエネルギッシュな現代人への、確かな追い風になるはずだ。

 なお、本作は日韓合作で、2001年秋・初の日本韓国同時期公開が決定している。

ストーリー



 杉原は高校3年生。あだ名は“クルパー”。普段はまったく意識しないが韓国の国籍を持ついわゆる「在日」。未だに将来の夢も進路も決まらず、バスケ部を辞めて以来、喧嘩しかすることがない。中学までは民族学校に通っていたが、広い世界を見たくなり、意を決して日本の普通高校へ入学した。

 3年前、杉原の父・秀吉は、ハワイ旅行をきっかけに国籍を“朝鮮”から“韓国”に変えた。秀吉は元ボクサー、幼い頃からボクシングを叩き込まれた杉原も、喧嘩では現在24連勝中。記念すべき初勝利の相手は、今やすっかり仲良くなったヤクザの息子の同級生・加藤で、杉原がへし折った鼻を整形したら女にモテはじめたというハッピーな男。杉原のまわりには他にも、線路に飛び込んで電車と競争する命がけの肝試し「スーパー・グレート・チキン・レース」で杉原以外の唯一の生存者タワケ先輩や、杉原とともに民族学校で教師たちから目の敵にされ続けた元秀(ウォンス)などクセ者がたくさんいた。彼らとつるむのも悪くなかったが、杉原が親友と呼べるのは民族学校開校以来の秀才・正一(ジョンイル)だけだった。音楽、映画、小説…何だって詳しい正一とくだらない冗談を交えながら喋るのは本当に楽しい時間だった。

 ある日杉原は、加藤のバースディパーティーで声をかけてきた少女・桜井と突然の恋に落ちる。人生に女の子という文字など無いと思っていた杉原でも、ぎこちないデートを重ね、2人で同じ場所を歩き、同じものを観て、同じものを聴くたびに互いの気持ちが近づいてゆくのがわかった。桜井の家に招待されて両親に会い、噛み合わない会話を交わした後、部屋で2人はキスをする。・・・いつかは告白しなきゃならない。自分が「在日」であることを・・・そのことが時々杉原の頭をよぎるけれど、それで全てを失うはずはないと思っていた。怖いくらい何もかもがうまく回り始める日々に、杉原は有頂天になっていく。

 悲劇は突然起こった。親友・正一が駅で少年に刺され、命を落としてしまう。誤解がもとで起こった事故だった。「話したい事があるんだ。すげえ事なんだ。オマエならわかってくれると思うんだ」直前まで正一と電話で話していた杉原の耳には、正一の最後の言葉がいつまでも残って離れなかった・・・

スタッフ

監督:行定勲

キャスト

窪塚洋介
山崎努
大竹しのぶ
柴咲コウ

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