原題:Moulin Rouge

パリ、1899年この街で、最も愛された一人の女・・・ 彼女の名はサティーン

2001年カンヌ國際映画祭オープニング作品 第54回英国アカデミー賞助演男優賞(ジム・ブロードベント)、音楽賞、音響賞受賞          

2001年5月24日オーストラリア初公開

2001年/オーストラリア・アメリカ/シネマスコープ/ドルビーSR・SRD,DTS・SDDS/2時間8分/ 字幕スーバ翻訳:戸田奈津子 配給:20世紀フォックス

2010年12月03日よりDVDリリース 2010年06月25日よりDVDリリース 2007年10月24日よりDVDリリース 2005年05月20日より『エバー・アフター』との二枚組DVDリリース 2005年04月20日より『オール・ザット・ジャズ』との二枚組〈初回生産限定〉のDVDリリース 2005年03月16日よりDVDリリース 2004年11月26日よりDVD発売開始 2002年5月2日よりビデオ&DVD発売 2001年11月17日より日劇プラザほか全国東宝洋画系にてロードショー公開

(C)2001 TWENTIETH CENTURY FOX

公開初日 2001/11/17

配給会社名 0057

公開日メモ 「ロミオ&ジュリエット」のバズ・ラーマン監督が贈る、幻想的なラブ・ストーリー。

解説


「ロミオ&ジュリエット」のバズ・ラーマン監督が贈る、幻想的なラブ・ストーリー。
 ユアン・マクレガー演じる青年作家は父のもとを離れ、フランスの版画家・ロートレックの退廃的でシュールな世界に迷い込む。そして彼はセックスとドラッグのみすぼらしい世界で、クラブ・スターの高級娼婦・サティン(ニコール・キッドマン)と情熱的で運命的な恋に落ちていく・・・・・・。
 オッフェンバッハの“カンカン”、マリリン・モンローなどのスタンダード・ナンバーから、ビートルズ、U2、マドンナなどの現代を代表する楽曲を使った全く新しいタイプのミュージカル!

『ムーラン・ルージュ』は真実、美、自由、そして何よりも愛を語い上げる物語である。時は1899年。舞台は妖艶な魅力に溢れた悪名高いパリのナイトクラブ。
『ダンシング・ヒーロー』『ロミオ&ジュリエット』の斬新なスタイルで世界にセンセーションを巻き起こしたバズ・ラーマン監督は、この時代の魅惑的なビジュアルと現代のポップ・メロディーを組み合わせて、とてつもなくユニークな悲喜劇を作り上げた。
サティーンは”輝くダイアモンド”と語われるムーラン・ルージュのスターにして、パリで最も有名なコーティザン(高級娼婦)だった。彼女は若い作家クリスチャンと、金と引き換えに彼女を手に入れようとする公爵の間で愛の囚われ人となり、サティーンと恋に落ちた作家はデカダンな世界に身を沈めていく……。
この永遠の愛の物語の主人公を演じるのはニコール・キッドマンとユアン・マクレガー。演技だけでなく歌と音楽で感情を伝えるこの映画の中で、二人はすべての歌曲を自ら歌っている。
『ムーラン・ルージュ』の物語は、究極の愛を求めてアンダーワールドに足を踏み入れた詩人兼音楽家オルフェウスの神話に基づいている。ラーマン監督によればそれは理想主義と大人であることの神話。人生とは、愛する者の死や長く続かぬ人間関係など自分ではコントロールできない出来事をわれわれに投げかけてくるもの。そして、「オルフェウスの神話によれば、人はそのような出来事によって破滅するか、アンダーワールドに入ってそのような事柄に直面し、成長して地上に戻って行くかのいずれかだ」と語る。『ムーラン・ルージュ』におけるオルフェウスはもちろんクリスチャン。そして、彼とサティーンとの恋は悲劇に終わる。
ラーマン監督は、これまでの2作品がそうだったように”赤いカーテン”を使って劇場スタイルで物語を語っていく。「誰もが知っているシンプルな神話的物語をベースに、これまた誰もが知っている誇張して創り上げられたエキゾティックな世界を背景に置いてみた。『ダンシング・ヒーロー』は社交ダンスの世界を、『ロミオ&ジュリエット』ではヴェローナ・ビーチの誇張された世界を背景にしている。今回は1899年のムーラン・ルージュのアンダーワールドを選んだんだ」と語る。
かくして、ラーマン監督は非常に今日的な視点から、悲劇的で喜劇的で魅惑的なアンダーワールドを、幸福感と高級感に溢れるスタイルで捉えきった。その結果、1世紀前にムーラン・ルージュに心を奪われて集まった客たちが味わったと同じような大胆でデカダンなスリルを、今の観客に向けて再現することに成功したのである。
最後にもう一つ、彼の言葉を紹介しよう。「映画的ナチュラリズムは、観客を夢の状態に引き入れる。言ってみれば、彼らに鍵穴からリアリティを覗かせようとしている。しかしわれわれは、観客をいつも目覚めさせ、ずっと映画を観ている自分を思い出させる手法をとった。そうやって、彼らを映画に参加させる。映画に引き込む手段として『ダンシング・ヒーロー』ではダンスを活用し、『ロミオ&ジュリエット』では400年前のシェイクスピア時代の英語を使った。『ムーラン・ルージュ』では音楽、よりシンプルな言い方をすれば、歌曲だ。この作品は基本的にはミュージカル、またはオペラと言ってもいい。物語を、曲を通して伝えるのだから」。
ニコール・キッドマンとユアン・マクレガーを支える共演陣は、トゥールーズ・ロートレック役のジョン・レグイザモのほか、ボヘミアン集団のメンバー大半がオーストラリア俳優で固められた。また、ウエストエンドのミュージカル・スター、キャロライン・コナーがカンカン・ダンサーのニニを、オーストラリアのベテラン舞台女優ケリー・ウォーカーがサティーンの衣裳係マリーを演じ、オーストラリアのポップ・スター、カイリー・ミノーグも主要な役を演じている。
ラーマンとともに脚本を書き上げたのは学生時代からの盟友ともいうべきクレイグ・ピアース。やはりすべての仕事で監督とコラボレ一ションを続けているプロダクション・デザイナーの、キャサリン・マーティンが華麗なビジョンを作り上げていった。ほかのスタッフも監督の意図を知りつくしているおなじみのメンバー。ムーラン・ルージュを光り輝かせる撮影監督ドナルド・M・マカルパイン、キャサリン・マーティンと共同でセクシーかつ魅惑的な衣裳をデザインしたアンガス・ストラティー、ヘアー・デザイナーのアルド・シニョレッティとメイクアップ・デザイナーのモウリジオ・シルヴィ、ローラー・コースター感覚の編集技術を見せるジル・ビルコック……。そして視覚効果スーパーバイザーのクリス・ゴッドフリーは、ラーマンの要望に応えて手製感覚を生む不完全性のためにデジタル・パワーを駆使した。
また、音楽のすばらしさは言うまでもない。ロジャース&ハマースタインの曲から、ジョン・レノンとポール・マッカートニー、スティング、エルトン・ジョン、マドンナに、ドリー・パートンからデビッド・ボウイまで、20世紀の偉大なポップ・ミュージックが満載。オペラ、ポップ、テクノ、スタンダード・ナンバーを網羅した曲はディゾルブしてスコアに吸収さえ、別の形で再登場し、台詞や普通の動きでは表現できない物語を奏でる。早くもサントラ・アルバムが評判を呼んで注目の的だ。

ストーリー



真っ赤な舞台の緞帳が開くと、そこはムーラン・ルージュの世界。
パリ、1900年。これはある若者の物語。遠い国を彷徨い、放浪の旅を重ねた彼クリスチャン(ユアン・マクレガー)は、内気で、眼差しに悲しみを宿し、賢さに溢れていた。
今、クリスチャンは屋根裏部屋でタイプライターを打っている。「これは僕が心から愛した女の物語だ。彼女は死んだ。パリで最も愛されたコーティザン(高級娼婦)だった。彼女の名はサティーン……」。
彼が作家を目指してパリに来たのは1年前のことだった。モンマルトルはボヘミアン・レボリューションの根城だった。そして、ナイトクラブ”ムーラン・ルージュ”は享楽の夜の王者。派手なレビューとカンカンと歌。金持ちだけが楽しめる別世界だった。
ある日、クリスチャンが安宿でタイプを打っていると、天井が壊れて気を失ったアルゼンチン人が落ちてくる。あわててドアから入ってきたトゥールーズ・ロートレック(ジョン・レグイザモ)によれば、彼らはサティーン(ニコール・キッドマン)を主役にしたショーの練習をしていたという。
実は、ムーラン・ルージュのオーナー、ジドラー(ジム・ブロードベント)は電飾に浪費して経営は火の車。ショーの投資家を捜していた。トゥールーズたちは明日、資産家の公爵(リチャード・ロクスボロウ)に新しいショーを見せなければならないが、未だに台本は未完成。そこでクリスチャンが代役に起用されることになった。不安げなクリスチャンに、トゥールーズは「美と自由と真実の愛が好きなら大丈夫」と言って励ます。
ジドラーはサティーンを公爵に世話することで資金を引き出そうとしていた。舞台で『ダイアモンドは女の親友』と歌うサティーンも、ここを出て本物の女優になるためにパトロンを捜していた。ジドラーから言われて客席を覗いていたサティーンは、クリスチャンが公爵だと誤解する。一目で気に入ったサティーンは、クリスチャンをベッドに誘い込もうとするが、うぶでロマンティックなクリスチャンは詩を口ずさみ、「お金があったら君と暮らす家を買おう」と歌う。初めて本物の恋を知るサティーン。彼が貧乏作家と知ってうろたえたものの、もはや恋の炎は消せなかった。しかし、彼女は結核に冒されていた……。
二人は公爵の前では作家と女優の関係を装わねばならない。クリスチャンはショーのための物語をでっち上げる。テーマは愛。舞台はインド。美しいコーティザンをめぐるマハラジャとの貧しいシター弾きの三角関係。日蔭の恋の物語は二人の現実を重ねたものだった。やがて公爵の投資が決まり、リハーサルは進んだ。二人は幸せだった。公爵はジドラーに出資の保証としてサティーンの独占と店の譲渡証書を要求したが、サティーンは口実を作って公爵の誘いを断り続けた。しかし、サティーンとクリスチャンのキスの現場を目撃したジドラーは、彼女に公爵のもとへ行くように命じる。
初めて嫉妬の痛みを感じるクリスチャン。自分の置かれた立場を考え、クリスチャンのために別離を持ち出すサティーン。クリスチャンは二人の愛を確認するために、もう一つの愛の歌を書く。
しかし、物語の結末を聞いた公爵は、女はマハラジャのものになるべきだと激怒する。ジドラーは「ショーは続けなければならない」とサティーンを説得。彼女は怒りを静めるために公爵のものになることを決意する。「クリスチャンのことは愛してるふりをしただけ」と言い訳するサティーンに、公爵はダイヤのネックレスを贈り、二人はタンゴを踊った。けれど、公爵にベッドに押し倒されたとき、彼女はもうこれ以上自分を偽れないことに気づく。公爵をはねのけ、クリスチャンのもとに走るサティーン。クリスチャンは彼女に「一緒に逃げよう」と言うのだが……。
怒り心頭の公爵は、ジドラーにサティーンを連れ戻すように命じ、さもなければクリスチャンを殺すと脅す。ジドラーはサティーンに公爵の言葉を伝え、彼女の死期が近いことも教えた。絶望したサティーンはクリスチャンを救うために彼に別れを告げる。サティーンの心変わりに傷ついたクリスチャンは嫉妬に狂い、ムーラン・ルージュヘと向かった。ショーも佳境の舞台に上がったクリスチャンは、物語のシター弾きその人となり、サティーンに「金は払ってやる、娼婦!」と叫ぶと札束を投げつけて去っていく。
泣き伏して苦しむサティーンに、ジドラーは「ショーは続けなければならない」と歌ったトゥールーズは「人がこの世で知る最高の幸せ、それは誰かを愛して、その人から愛されること」と歌った。サティーンはそれを聞いてクリスチャンと二人で歌った愛の歌を口ずさみ、彼に訴える。「私はあなたを永遠に愛し続ける。たとえ何が起ころうと……」。やがてクリスチャンは立ち止まり、舞台へと戻っていく。声を合わせて歌いながら、二人は固く抱き合うのだった。
ムーラン・ルージュの舞台は芝居と現実が一体化して興奮と感動のるつぼと化した。しかし、公爵が送り込んだ殺し屋のピストルが、舞台の上のクリスチャンを狙っていた。観客の拍手喝采の中、赤い緞帳が降りたとき、二人の愛は永遠に生き続ける物語に変わる・・・。

スタッフ

監督:バズ・ラーマン
脚本:パズ・ラーマン、クレイグ・ピアース
製作:マーティン・ブラウン、バズ・ラーマン、フレッド・バロン
撮影:ドナルド・M・マカルパイン、ACS/ASC
プロダクション・デザイン:キャサリン・マーティン
編集:ジル・ビルコック
共同製作:キャサリン・ナップマン
衣裳デザイン:キャサリン・マーティン、アンガス・ストラティー
振付:ジョン・オコネル
音楽:クレイグ・アームストロング
音楽監督:マリウス・デ・ブリーズ
キャスティング:ロンナ・クレス
音楽スーパーバイザー:アントン・モンステッド
メイン・メイクアップ・デザイナー:モウリジオ・シルヴィ
メイン・ヘアー・デザイナー:アルド・シニョレッティ

キャスト

サティーン:ニコール・キッドマン
クリスチャン:ユアン・マクレガー
トゥールーズ・ロートレック:ジョン・レグイザモ
ジドラー:ジム・ブロードベント
ウースター公爵:リチャード・ロクスボロウ
医者:ギャリー・マクドナルド
アルゼンチン人:ジャセック・コマン
サティ:マシュー・ウィテット
マリー:ケリー・ウォーカー
ニニ:キャロライン・オコナー
オードリー:デビッド・ウェンハム
アラビア:クリスティン・アヌー
チャイナ・ドールー:ナタリー・メンドーザ
マム・フロマージュ:ララ・マルケイ
緑の妖精:カイリー・ミノーグ
ル・ショコラ:デオビア・オパレイ

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