原題:PRINCESS ARETE

こころのちから。

日本/カラー/ヴィスタ/ドルビーSRD/105分/2000年/劇場用デジタルアニメーション 製作:アリーテ製作委員会(Beyond C./電通/小学館/イマジカ/オメガ・プロジェクト) 製作:STUDIO 4℃ 配給:オメガ・エンタテインメント

2001年7月21日(土)より東京都写真美術館、シネ・リーブル池袋にて公開 2001年7月下旬より、大阪シネ・リーブル梅田にて公開

(C)2000. アリーテ製作委員会

公開初日 2001/07/21

配給会社名 0010

公開日メモ 大人から子供まで、自分に迷い、自分でできる何かを探しているすべての世代の人に観て欲しい。心の冒険の物語なのだ

解説




待っているだけのお姫様はもう古い!自分を見つける旅に出よう!!

「自分は、本当は何ができるんだろう?」「どうしてここでこんなことをしているのだろうか?」…。
誰もが生涯に1度は感じたことのある不安や疑問。でも、『アリーテ姫』を見終わった後には、自分の周りにあるしがらみが一掃されたような気分になる。アリーテ姫は<お嬢様>として生まれてきた。そして、与えられた環境に縛られて、自分に自信をもてないアリーナ姫が、自分を信じ、励まし、自分の可能性を探して、本当の自分自身を発見していく。

主人公のアリーテ姫には今置かれている環境に不満を持つ等身大の女の子=自らの存在意義を見い出せずにいる現代人の孤独感・孤立感を投影させ、「誰の手にも、思い描いたことを実現する力があるんだよ。」という監督の強いメセージが込められている。従来の“シンデレラ姫”や“白雪姫”のような王子様に助け出されるのをただ待っているだけの受け身なお姫様ではなく、自分の意志で未来を切り開いていく行動的な新しいヒロイン像を創り出した。大人から子供まで、自分に迷い、自分でできる何かを探しているすべての世代の人に観て欲しい。心の冒険の物語なのだ。

ポスト宮崎駿、片渕須直監督が描く大人ファンタジー
宮崎駿監督の『魔女の宅急便』で演出補の重責を担うなど、彼の直弟子ともいえる片渕須直。実力・可能性ともにポスト宮崎駿の呼び声も高い彼が、8年も大事に暖めてきた冒険ファンタジーがこり『アリーテ姫』だ。90年代世界中で話題となったダイアナ・コールス作の童話「アリーテ姫の冒険」(学陽書房)を素材とし、次々と作品が消費されていく時代で永遠に人々の記憶に残る作品を作りたい!と構想・脚本を手がけてきた意欲作。自分にできること=<自分探し>をテーマに、これが21世紀を担う実力派・片山須直監督の劇場用長編アニメ初監督作品となる。

制作は、常に新しい映像表現を追い求め日本のアニメーション界をリードする『スプリガン』のSTUDIO 4℃

STUDIO 4℃といえば『スプリガン』や『MEMORIES』のようなジャパニメーションの先駆者とも言える個性的なクリエイターの印象が強い。しかし、本作品は、キャラクターや背景に独特の手触りを感じさせる暖かなテイストの“名作系ファンタジー”。派手な戦闘シーンなどがあるアクションものではないが、小人数の精鋭がこの作品に全精神を注ぎ込み、3年以上の歳月をかけるなど、4℃ならではのこだわりの表現技術が注ぎこまれている。フルデジタルアニメーションによる見事なカメラワークと、アニメーションとしてはオーソドックスなスタイルの中で繊細な人物描写が織り成すドラマの中に片渕監督、田中プロデューサーの出身地スタジオ・ジブリの香りが感じ取れる。また、「今回はデジタル作品であることを極力意識させないような絵作りを目指した。」とデジタル技術では初めて可能になった微妙な色遣いを積極的に取り入れているところに注目したい。

この物語をひとことで言い表すのは難しい。強いていうなら「あきらめなかった少女の話」である。彼女が決してあきらめなかったもの、それは自分自身のこと。

ストーリー




時は中世。
姫君は、城の高い塔のてっぺんの小部屋に閉じこもり、その顔を人々の前に見せることはない。やがて婿となる男性の現れる日まで、無垢な身でいつづけることがその使命なのだ。だが、彼女は_アリーテ姫は、塔の窓から見下ろす城下の町に生きる人々の姿を見ては、生きることの意味を考えていた。ある日、古文書を読み解いて秘密の抜け穴を探り当てた彼女は、城を抜け出し表へ出る。城下町は職人たちの世界。そのひとつひとつの手が意味ある物を生み出して行くさまは、まるで魔法を見るかのよう。人の手にはこれ程の可能性がある。だったらわたしの手にだって出来る何かが…。

この世には、一千年も昔に滅び去った魔法使いたちの残した遺物が散在する。そのひとつを探して持ち帰り、王に捧げることが、アリーテ姫の婿となる条件であった。今日はその期限の日。不思議に光る玉を携えた騎士が城下への帰還を果たす。だが成功したのはひとりではない。四つ脚で歩く金の小箱を、透明な林檎の浮かび上がる水時計を、いつまでも動き続ける永久動輪の輪など、それぞれの騎士たちが持ち帰り、王に献上する。姫の婿選びは紛糾する。だが、それらはすべてはアリーテ姫の与り知らぬ場所で行われた話。魔法の宝の数々もアリーテ姫の目に触れさせられることはない。アリーテ姫は、秘密の抜け穴を使い、騎士たちの宝を納めた地下蔵を訪ねる。そとつひとつの宝のすばらしさにも増して、彼女の目を引いたのは、表紙を金で覆われた一冊の本。それは滅び去った魔法使いたちの国のことが記された知識の書物だった。その挿絵に、アリーテ目を輝かせる。魔法使いたちは、自由に空を飛ぶ乗り物を造り、雲を貫いて天まで届く高い塔をそびえさせ、星の世界へすら飛び立っていつたらしいのだ。アリーテは、人がなすことの出来ることの計り知れなさに胸を高鳴らす。

姫の婿選びは再試合となった。二回戦に望む戦士たちは己の気持ちを伝えようと、それぞれにひそかに塔のてっぺんの小部屋に姫君を訪れる。彼らが始めて見たアリーテ姫は、背も低く、庶民じみた顔をした、物怖じ気味な女の子に過ぎない。一方で騎士たちも、魔法使いの宝の真の意味も理解せぬ蛮勇の持ち主である。アリーテの内側に思いのあることを、彼らが気づくはずもない。騎士のひとりは宝を手に入れるために蛮族を叩き切ったことを語り、アリーテ姫の心をさらに閉ざす。次に訪れた騎士は、アリーテの見目麗しさを褒めたたえ、
その言葉が上面だけのものであることを暴露してしまう。三人目に塔を訪れたのは、まるで4歳の幼女にしか見えぬ魔女。滅んだはずの魔法使いの生き残りである。

魔女は魔法の力の源である水晶玉を盗まれ失っていた。だから、魔法の宝が集まると
いうこの城を訪れたのだった。
「水晶玉が無ければ、一千年永らえた永遠の命もこれまでなのさ。わしは齢を
重ねやがて死ぬ」
「でも、それまで出来る何かだってきっとまだ…」
「おやおや…人生には何か意味があると、まだ信じているのかい?」
「あたりまえじゃない」
アリーテ姫はそう答え、自分自身の人生を捜し求める旅に出ることを心に決める。

翌朝、城内の騒動が持ち上がる。魔法使いの生き残りと称する男が訪れたのだ。男の名はボックス。言葉巧みなボックスに翻弄された城の重臣たちは、姫を彼の嫁に与えることを決めてしまう。姫君の塔の封印が解かれ、花嫁衣装が運び込まれる。だが、そこにアリーテの姿は無い。アリーテは、金表紙の本を持ったまま城下を出ようとして、衛兵たちに捕らえられていたのである。
「姫君ともあろうお方が」
重臣たちには、理解できない姫君の行動が、何かの呪いにかけられたもののように
しか思えない。
「ではその呪い、このボックスが解きほどいて進ぜましょう」
ボックスは、先に水晶玉のついた杖を振るう。

アリーテの体が白い煙に包まれ、次の瞬間にはたおやかな姫君となって立っている。まさに皆が思い望むような気高さ。実は、ボックスが魔法を使って、アリーテを変身させてしまったのである。そうとは知らぬ一同はボックスの功績を認め、婚礼が執り行われる。ボックスは、空飛ぶからくりに妻となった姫君を乗せ、故国へと旅立つ。アリーテがあれほど望んでいた外界への旅。だが、美しい姫君の姿に変えられたアリーテは本当の心は、ボックスの魔法によって封印されている。魔法使いの城の地下牢に幽閉された彼女は、自分自身を取り返すことができるのだろうか…。
アリーテ姫を助けに来る者など誰もいない。アリーテは、自らの力で自分自身を救い出さなくてはならない。
だがその魂は、ボックスの魔法に閉ざされたまま。今はまだ…。

スタッフ

製作:2000年<劇場用デジタルアニメーション 105分(日本語)>
監督/脚本:片渕須直
原作:ダイアナ・コールス『アリーテ姫の冒険』(学陽書房刊)
音楽:千住明
主題歌:大貫妙子「金色の翼」/作詩:大貫妙子・作曲:千住明
挿入歌:ORIGA「クラスノ・ソンツェ」/作詩・作曲:千住明
プロデューサー:田中栄子
キャラクターデザイン:森川聡子
作画監督:尾崎和孝
美術監督:西田稔
色彩設定:林亜揮子
CGI監督:早瀬博雪
編集:瀬山武司

キャスト

声の出演
桑島法子(アリーテ姫)
小山剛志(ボックス)
高山みなみ(アンプル)
沼田祐介(グロベル)
こおろぎさとみ(魔女)
佐々木優子(ナレーション)

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