原題:Anti Trust

巨大サテライト始動 世界制覇まであと2時間

東京国際ファンタスティック映画祭2001出展作品::http://www.nifty.ne.jp/fanta/tokyo/

2001年1月12日全米初公開

2001年/アメリカ/108分/DTS、Dolby Digital、SDDS メトロ・ゴールドウィン・メイヤー・ピクチャーズ提供/ハイド・パーク・エンタテイメント提携 インダストリー・エンタテイメント製作/配給:20世紀フォックス

2008年03月05日よりDVDリリース 2002年03月08日よりビデオレンタル開始 2001年11月17日より新宿シネマカリテにてロードショー公開

(C)2001 TWENTIETH CENTURY FOX

公開初日 2001/11/17

公開終了日 2001/12/21

配給会社名 0057

公開日メモ この富と才能が衝突する〈業界内部の〉隠された世界に踏み込んだ過酷なサスペンス・スリラーである。

解説


先を制したものが常に勝者となる——それは、歴史上最も革新的で、世界に大きな影響を及ぼしているコンピュータ・ビジネスの定理。ハイスピート&ハイリスクなこの社会では、力のある者か表舞台に上がり勝負をして勝ち組となる。たった1行のコードで巨万の冨が生まれたり失われたりする世界。そこでは誰が未来の覇権を握るかを巡って、密やかで熾烈な闘いが、今この瞬間にも繰り広げられている。ガレ一ジでコンピュータに向かう若者たちでも、偉大なアイディアひとつで、巨大企業を追い落とす可能性を持っているのだ。
『サペイランス—監視—』は富と才能が衝突するコンピュータ業界内部の隠された世界に踏み込んだコンテンポラリーでスリリングなデシタル・サスペンス・スリラーだ。
巨大ソフトウェア企業ナーブ(N.U.R.V.)の社長ゲーリーが提唱した新プロジェクト“シナプス”。それは衛星を通じて世界中のデジタル機器をつなぐことが出来る画期的な通信システムだった。開発チームにスカウトされた若き天才プログラマー、マイロは、驚くべきスピードで完璧なソフトを産み出すゲーリーの“天才”ぶりに疑問を抱き始める。そして親友のプログラマーの不可解な死をきっかけに、会社の秘密を探り出す。その裏には“シナプス”を巡るゲーリーの恐るべき陰謀が隠されていたのだ。すべてを知ったマイロと、事実の隠蔽を図るゲーリー。天才VS天才、コンピュータ社会の未来の覇権を賭けた熾烈な闘いがはじまる。
世界経済を支配する画期的なテクノロジー。アメリカのデジタル社会の中心で展開されるハイリスクな闘いと謀略……。先進的で華やかな業界、コンピューター・ソフトウェアの帝国という最新の設定を舞台にして、手に汗握るスリラーを作り出したのは、グウィネス・パルトロウ主演のロマンチック・コメディ『スライディング・ドア』で二つの違った運命を体験する女性の物語をユニークな構造で描き出したピーター・ホーウィット監督。彼は組織と個人の確執、スパイ・スリラーの伝統的な形式にのっとりながら、ハイテク環境の奥にあるエモーショナルな人間ドラマを浮かび上がらせる。そして同時に、グローバル・コミュニケーション・システムの未来のあり方こついて警鐘を打ち鴫らす。リアルで緊迫した設定、驚きに満ちた刺激的なテ一マと、スピーディなテンポ。これは、挑発的であると同時に娯楽作品として楽しめる、超級のサスペンス。そして、このストーリーの持つハラハラドキドキ感を映像の中に息つかせるのは、若手、ベテランとり混ぜた一流の俳優たちだ。彼らは映画の中て起こるショッキングな事件の深層部分でキャラクターの心理に何が起こっているかを的確に捉えて表現している。
ビル・ゲイツを思わせるナーブ社の策謀の中心人物ケーリーには、『ザ・プレイヤー』などの俳優としてのみならす、『デッッドマン・ウォーキング』『クレイドル・ウィル・□ック』の監督としても高く評価されているティム・ロビンス。剃刀のように頭が切れ、創造への情熱を持ちながらも、冷酷で非道な行為も平気でやれる“世界への鍵を渡された早熟な子供”をスマートに演じている。権力者の威光の奥に一種のもろさも見せる複雑な人間味とともに、ケーリーにチャーミングな魅力を与えられるのはこの人ならでは。
対するマイロには、『54 フィフティー・フォー』『ラストサマー』でスターの仲間入りをしたライアン・フィリップ。知的なキャラクターを演じてみたかったという彼は、天才プログラマーがしだいに会社の策謀にからめとられ、誰を信じていいかわからなくなっていく過程をナイーブに演じている。
マイロのガールフレンド、画家のアリスには『ジョー・ブラックをよろしく』のクレア・フォラー二。コンピュータの世界とは対極にあるアートの世界の住人で自由と開放感を体現する重要な役柄。敵か味方かわからない曖昧さの中に、常に優しさを感じさせるキャラクターを作り上げた。また、マイロの同僚のプログラマー、リサには『シーズ・オール・ザット』でブレイクしたレイチェル・リークック。過去のトラウマ故にに勝ち組になろうとする女性を説得力を持って演じている。
撮影は『恋愛小説家』『ザ・シークレット・サービス』のジョン・ベイリー。編集は『マトリックス』でアカデミー賞を受賞したザック・ステンバーグ。『スリー・キングス』『ニュートン・ボーイズ』のプロダクション・デザイナー、キャサリン・ハードウィックが実際のハイテク業界の雰囲気を注ぎ込んだオフィスや内装を作り上げている。
また、物語の核となるグローバル・コミュニケーション・システム“シナプス”の内容に関しては、サン・マイクロシステムズの有名なエンジニア、ティム・リンドホルムらこの分野のエキスパートたちが協力。コンピュータを知らない観客も楽しめると同時に、先進的な知識を持った人々か見ても理論的に整合性のあるものになった。また、リンドホルムを含むこの世界の大御所たちが映画の中でちらりと顔を見せている。

ストーリー




殺風景なガレージに置いたコンピュータの前で、マイロ(ライアン・フイリップ)はプログラムの作成に没頭していた。親友で中国系のテディ(イー・ジェー・ツァオ)とマイロは天才的なプログラマー。仲間のラリー、ブライアンとともにベンチャー企業との契約を目前にしていた。たった1行のコードが世界を変え、億万長者が一瞬のうちに誕生する世界。ガレージ企集でもアイデアしだいで“勝ち組”になれるのがこのビジネスなのだ。
一方、コンピュータ・ソフトウェア産業のトップを行くナープ(NURV)社では最高経営責任者ゲーリー・ウィンストン(ティム・ロビンス)が新しいシステム“シナプス”の発表を行っていた。このシステムが完成すれば、通信衛星を使って画像や動画、音声を一瞬のうちに全世界に発信し、“地球村”を一つにつなぐことができる。ナーブ社はこのシステムのソースを公開せず、史上を独占することを目論んでいた。
ある日、マイロのもとにゲーリー本人から電話が入る。それはシナプスの開発チームヘの勧誘だった。知識は人類の財産、ソースは無料で配信すべきだと考えるテディは、ナーブの経営方針に懐疑的だったが、マイロにとって、ゲ一リーは憧れの人物。ナーブの環境、報酬、チャンスは大きな魅力だった。数日して、司法省の役人バートン(リチャード・ラウンドトゥリー)が現れ、マイロにナーブ社の不正調査に協力するよう依頼するが、彼にとって成功の香りは断ちがたかった。一緒に暮らしている画家のアリス(クレア・フォラーニ)は、そんなマイロを優しく見つめている。
ナープ社の“エッグ”と呼ばれるオフィスは、リサ(レイチェル・リー・クック)をはじめとする若くて優秀なプログラマーでいっぱいだった。マイロに課せられた使命は、42日間でシステムの核となるアダプターを開発すること。マイロはゲーリーがプログラムの出所を隠そうとするのが気になってアリスに相談するが、自由人として生きる彼女にとってコンピュータ業界は遠い世界のことだった。マイロはしだいにリサに親近感を抱き始める。
そんな時、テディが何者かに殺された。壁には“死ね、中国人ヤロー”の文字。人種差別別主義者の犯行なのか?しかし、テディはあるプログラムを発見したばかりだった。マイロの脳裏に疑惑が芽生え始める。翌日、マイロはゲーリーから“システム開発の鍵は変換機ではなく伝導容量にある”と告げられた。その“発見”は、テディの理論だった。
マイロはアリスに相談した。テディの“発見”を知るには、彼の家を監視するしか方法はない。パラボラ・アンテナを装備した21号ピルに秘密があると睨んだマイロは、保安担当シュロット(ダグラス・マクフェラン)を出し抜いてここに忍び込んだ。しかし、怪しいものは何もない。その様子をゲーリーの部下フィル(ネッド・ペラミー)たちが監視カメラでうかがっていた。マイロの行動は事前に察知されていたのだ。しかし、マイロは諦めず、保育所が謀略の中枢であることを突き止める。
ナーブ社は優秀なプログラマーたちの部屋を監視していたのだ。テディを殺したのもゲーリーの部下だった。社員名簿には、リサが幼児虐待の過去を持つこと、マイロがゴマのアレルギーで死の危険もあることなど、詳細なデータが集められていた。そして、マイロはアリスの本名がレベッカでナープ社から送り込まれたスパイであることを知る。
マイロは司法省のバートンの元に駆け込んだ。部屋に通された彼は1枚の記念写真に目をやる。そこに映っているアメリカン・フットボールの背番号“ND47”は、ナーブ社の社員名簿にあった謎の数次だったのだ。バートンもゲーリーの一味だったのだ。
今やマイロはナーブ社の包囲でがんじがらめになっていた。もう誰を信用していいかもわからない。彼はリサを呼び出し、一緒にナーブ社への反撃を開始する。メディアは会社と何らかの提携関係にあるから信用できないが、シナプスを完成させれば衛星を使って全てのデジタル媒体に配信できる。二人はシステムの完成を急ぐことにする。
マイロはアリスとともにゲーリー宅のパーティに招待された。それは、衛星にアクセスするためのアドレスを盗む絶好の機会だった。家を出る前、マイロは偶然工具箱の中にゴマをみつけて呆然とする。ゴマを隠したのはアリスなのか?何のめに?不安を募らせながらもゲーリーの個室に入り込んだマイロは、間一髪アドレスを盗むことに成功する。
翌日、アリスは珍しく手料理を作ってマイロを待っていた。工具箱を覗いたマイロはゴマがなくなているのに気づく。料理の中にゴマが?フォークで傷つけた腕に料理をすりつけてゴマの有無を確かめようとするマイロ。彼の耳元で「愛してる」と囁くアリス。とっさにマイロが“レベッカ”と呼ぶと、アリスは思わず返事をする。
マイロとリサはようやくシナプスのモジュール完成させた。いよいよ、真相を公表するときがきた。二人はブライアンが勤めている放送局へと向かた。しかし、その後をフィルたちが追跡していた。
衛星にアクセスできるのは午後10時から。マイロは1番の衛星にアクセスするが、これを察知しゲーリーが一瞬早く回線を遮断する。2番の衛星もゲーリーの勝ち。マイロは順番を変えようとするが、ゲーリもこれを予刻する。互いの心理を読み合う二人。そのとき、放送局にフィルたちが乱入し、リサがケーブルを引き抜いた。彼女も一味だったのか?
マイロはフィルたちに取り押さえれれ、ゲーリーの家へと連れて行かれる。
もはや勝負は決まってしまったのか?真相は、闇に葬られてしまうのか?

スタッフ

キャスティング:アマンダ・マッキー・ジョンソンC.S.A.、キャシー・サンドリッチC.S.A.
音楽:ドン・デイビス
衣装デザイン:マヤ・マ二
編集:ザック・ステーンバーグ,A.C.E.
美術:キャサリン・八一ドウィック
撮影監督:ジョン・ベイリー,A.S.C.
製作総指揮:デビッド・ホバーマン、アショク・アムリトラジ、C・O・エリクソン、ジュリア・チャスマン
製作:ニック・ウェクスラー、キース・アディス、デビッド・ニックセイ
脚本:ハワード・フランクリン
監督:ピーター・ホーウィット

キャスト

マイロ・ホフマン:ライアン・フィリップ
リサ・カリグハン:レイチェル・リー・クック
アリス・ポウルソン:クレア・フォラ一二
ゲーリー・ウインストン:テイム・ロビンス
ボブ・シュロット:ダグラス・マクフェラン
ライル・パートン:リチャード・ラウンドトゥリー
ラリー・バンクス:タイ・ラニアン
テデイ・チン:イー・ジェー・ツァオ
ブライアン・ビセル:ネイト・ダシュク
フィル・グライムズ:ネッド・ベラミー
レドモンド:タイラー・ラバイン
ランディ:スコット・ベリス
ダニー:デビッド・ラブグレン
デジー:ザフ・ハジー
ステインキー:ジョナソン・ヤング

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