原題:The Matrix Reloaded

3部作第2章、ついに「マトリックス」の秘密が明らかになる 

第56回カンヌ国際映画祭正式出品作品::http://www.festival-cannes.fr/

2003年5月15日全米初公開

2003年/アメリカ/カラー/138分/ 配給:ワーナー・ブラザーズ映画

2007年09月07日よりDVDリリース 2003年10月17日よりDVD発売開始 2003年10月17日よりビデオレンタル開始 2003年6月7日より丸の内ルーブル&プラゼール系超拡大公開

(C) 2002 Warner Bros. All Rights Reserved. (C) 2002 Villadge Roadshow Films (BVI) Limited.

公開初日 2003/06/07

配給会社名 0085

解説


1999年、ウォシャウスキー兄弟とジョエル・シルバーの放った『マトリックス』は、ド迫力のアクションと奥の深いストーリーで世界中のスクリーンを席捲した。その下敷きとなったのは、『アキラ』『攻殻機動隊 Ghost in the shell』といったスタイリッシュな日本のアニメ、哲学・神話学・宗教学・数学が投げかけるアカデミックな謎、ジェフリー・ダローの劇画に見る躍動感、ウィリアム・ギブソン、フィリップ・K・ディック、ルイス・キャロルらが描くSF世界。ウォシャウスキー兄弟はこれからの出典を総動員して一大叙事詩を編み出した。それに描かれたのはテクノロジーの暴走、自由意志、知らないがゆえの罪、知ったがゆえの代償といった深遠なテーマの数々である。

結果、観客の目をくぎ付けにする画期的な映像が誕生し、それは後に無数の映画、コマーシャル、ミュージックビデオに模倣されることになった。また、“知性を挑発するアクション映画”という今までにないジャンルを確立し、現実とアイデンティティーのあやうさ、避けては通れない選択、その選択を左右する人間の強さと弱さを問いかける作品となったのである。ウォシャウスキー兄弟は当初から、この深遠な問いかけを三部構成で描くことに決めていた。

その第一部『マトリックス』が成功を収めるやいなや、兄弟は神話学を本格的に掘り下げる作業に入った。第一部で描いた神話は、ほんのさわりに過ぎなかったのである。こうして完成したのは第二部『マトリックス リローデッド』と第三部『マトリックス レボリューションズ』。一本の作品を前編・後編に分けた格好だ。

堂々完成した三部作は、まさに“革命”そのもの。ビジュアル面では前回登場した“マシンガン撮影”に続き、『リローデッド』『レボシュ—ションズ』では、“バーチャル・シネマトグラフィ”なる世界初の映像テクノロジーを駆使。前者はアニメの手法を映画に応用するというコンセプトであったが、後者は生身の俳優をバーチャルキャラクターに変貌させる前代未聞の表現法。いってみれば、進化しずぎたテクノロジーの怖さを描く三部作が、そのテクノロジーを進化させたことになる。

また、『マトリックス』三部作はアクションシーンの成り立ちを根源から変えてしまった。過激にしてエレガントなアクションはカンフー映画の王道に西洋の銃撃戦、東洋のマーシャルアーツよワイヤースタントを絶妙にミックスさせたもの、ジョン・ウーやユアン・ウーピンといった香港映画界の巨匠の作品では、主演俳優が自らスタントをこなす。そうすることで、アクションとストーリーはしっくり噛み合うのだ。ストーリーから浮くのではなく、ストーリーに弾みをつける…そんなアクションシーンが実現し、その一つ一つに意味と説得力が出てくる。

『マトリックス』シリーズがこんなにも観客を魅了するのは、内容の濃さゆえに様々な捕らえ方がでできるからではないか。映画といえば、なんらかの答えを観客に提示するものとされてきた。ところが『マトリックス』は、受けきれないほどの大きな疑問を投げかけてくる。随所にさりげなく登場する引用は、アカデミックな英知に裏打ちされたもの。神話、哲学、先進テクノロジー、発達心理学、『不思議の国のアリス』といった古典文学から、宗教思想(キリスト教、グノーシス主義、禅宗、儒教が仲良く混在)までが一体となる、心を解放するヒント、真実の多面性を考えるきっかけを与えてくれる。このシリーズが際立っているのは答えをくれるからではない。自分なりの答えを考える材料と自由をくれるところにあるのだ。

ウォシャウスキー兄弟が掲げる哲学的、機械文明的なテーマは数々の著作で議論されてきた。また、大学においては哲学、サイエンスフィクション、コンピューター・コミュニケーション、宗教、現代文化といったクラスの研究課題となっている。こうした議論・研究の活発さを見るにつけ、ウォシャウスキー兄弟の斬新かつ挑発的な映画手法がどれほど人々の意識に浸透したか、うかがい知ることができる。「ラリーとアンディが目指しているストーリー、アクション、ニューシネマの手法、映像技術は他の誰にも真似できないね」とキアヌ・リーヴスはうなる。リーブス演じる主人公のネオはコンピューター・ハッカー。しかし、真実を求める過程で自分の本当の宿命に気づいていく。役作りにあたってリーブスはジャン・ボードリヤールの『シミュラークルとシミュレーション』やケビン・ケリーの『「複雑系」を超えて』といった本を読破した。これも、ウォシャウスキー兄弟からの注文だったという。「2人はものすごい博識なんだ。哲学、神話、コミックまで各方面に造詣が深い。この三作に共通するテーマも、2人が常日頃から関心を持ってきた人類普遍の疑問。昔から人間の知識欲や研究心を掻き立ててきた永遠の疑問なんだ。」。『マトリックス』三部作を通じてプロデューサーを務めるジョエル・シルバーが語る。「2人が練り上げた一大叙事詩は、その見せ方でエンターテイメント界に革命をもたらせた。いわば“知性派のためのアクション映画”を確立したんだ、純粋に目と耳で楽しむこともできるし、もっと突っ込んだ見方をしたいなら、突っ込みがいのあるテーマも用意されているよ」

真実を確かめる勇気がないという人はネオ、モーフィアス、トリニティーを通して仮想体験すればいい。ウォシャウスキー兄弟の描く、哲学、文学、神話、宗教、テクノロジーの世界を自分で体験したいなら、“ウサギの穴”の奥深くへ好きなだけ入ることもできる。「真実はたいてい怖い。そこがラリーとアンディーの作品のモチーフじゃないかな」とリーブスは分析する。「真実を知ることの代償は重要なテーマのひとつだと思う。二作目、三作目では、真実を知ることを決意したネオにどんな運命が待ち受けているか、それを掘り下げていくんだ。一作目と比べ物にならないほど、内容が濃くて、過激で、おもしろい、それは見事な物語にしあがっている

ストーリー


<予言がほんとうなら 戦いのない未来が来る だから戦える だからこそ、死ねるのだ>

トーマス・“ネオ“・アンダーソン(キアヌ・リーブス)はすべてを投げ打つ覚悟で、このといかけに自ら答えを出すことを決意した。もともとはモーフィアス(ローレンス・フィッシュバーン)とトリニティー(キャリー=アン・モス)から投げかけられた問いかけ。真実を探し、受け止めるために、“マトリックス”の呪縛から心を解き放つために。

<すべては選択から始まる>

『マトリックス』三部作の第二章にあたる今回、ネオは”ザイオン”を救うべく、その超人力を全開させる。あと72時間もすれば、この人類最後の都市は、人類滅亡をプログラムされた25万人のセンティネルズに侵略されてしまう。だが、モーフィアスの信念に揺るぎはなかった。予言者/オラクルのいった救世主がマシンとの戦いに必ず決着をつけてくれる—モーフィアスの信念に勇気づけられたザイオンの住人は未来と希望をネオ一人に託す。しかし、ネオは怖れていた。真実を探ろうとするほど、悪い前兆が彼には見える。

<選択はもうしたわ あなたがここへ来たのは、選択した理由を知るためよ>

それでもトリニティーとネオは、互いの愛と信頼を支えに、モーフィアスとともに再びマトリックスへ乗り込むことを決意する。しかし、人類に救済へ踏み出した3人の前には、自らを増殖させる術を身につけ、さらにグレードアップしたエージェント・スミス(ヒュ—ゴ・ウィ—ビング)をはじめとするは流浪者/エグザイルたちの激しい抵抗、思いがけない苦渋の決断、そして予想をはるかに超えた“マトリックスの真実”が待ち受けていた……!

<もし失敗したら? その時はザイオンが滅びるまでだ>

スタッフ

脚本・監督・製作総指揮:アンディ・ウォシャオスキー、ラリー・ウォシャオスキー
製作:ジョエル・シルバー
製作総指揮:グラント・ヒル、ブルース・バーマン
撮影:ビル・ホープ、A.S.C.
美術:オーウィン・パタソン
編集:ザック・ステインバーグ、A.C.E.
音楽・指揮:ドン・デイビス
視覚効果監修;ジョン・ゲイター
衣装:キム・バリット
ファイト・コレオグラファー:ユアン・ウーピン
音響/サウンド・エディター監修:デーン・A・デイビス、MPSE
コンセプト・デザイナー:ジェフリー・ダロー

キャスト

キアヌ・リーヴス
ローレンス・フィッシュバーン
キャリー・アン・モス
ヒュ—ゴ・ウィ—ビング
ジャダ・ピンケット・スミス
グロリア・フォスター
モニカ・ベルッチ
コリン・チャウ
ノーナ・ゲイ
ランダル・ダグ・キム
ハリー・レニックス
ハロルド・ペリノー
ニール&エイドリアン・レイメント
ランバート・ウィルソン
アンソニー・ウォン
ヘルムード・バカイティス
クレイトン・ワトソン
アンソニー・ザーブ

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