原題:Shadow of the Vampire

監督が約束したギャラは、主演女優の生き血。

第73回アカデミー賞:最優秀メークアップ賞、最優秀助演男優賞(ウィレム・デフォー)ノミネート ゴールデン・グローブ賞:最優秀助演男優賞(ウィレム・デフォー)ノミネート インディペンデント・スピリット賞:最優秀助演男優賞(ウィレム・デフォー)受賞 第7回アメリカ俳優組合賞:最優秀助演男優賞(ウィレム・デフォー)ノミネート ロサンゼルス批評家賞:最優秀助演男優賞(ウィレム・デフォー)受賞

2000年/アメリカ/ドルビーSRD/カラー/シネマスコープ/93分/日本語字幕:林完治 オリジナル・サウンドトラック:ランプリング・レコーズ 提供:ポニーキャニオン、日本ヘラルド映画 配給:日本ヘラルド映画

2002年2月20日DVD発売/2002年2月20日ビデオ発売&レンタル開始 2001年8月11日よりシネアミューズにてロードショー公開

公開初日 2001/08/11

配給会社名 0058

公開日メモ 恐怖と笑いを誘うエンターテインメントとして幅広い層の熱狂的な指示をうけ、ロサンゼルス批評家賞最優秀助演男優賞受賞、インディペンデント・スピリット賞最優秀助演男優賞受賞し、さらに本年度のアカデミー賞最優秀メークアップ賞、最優秀助演男優賞にノミネートされ、大きな話題を呼んだ。

解説



《鬼才マルコヴィッチVS怪優デフォー
 常軌を逸した映画監督VS謎の主演男優
 2001年アカデミー賞を沸きに沸きかせた世紀の天才対決!!》
吸血鬼のイメージを現在まで受け継ぐ原点は、今から約80年前に作られた『吸血鬼ノスフェラトゥ』のオルロック伯爵役を演じた俳優マックス・シュレックに他ならない。公開当時、まるで実在した吸血鬼だと人々に恐怖を植え付けたシュレックはとがった耳、動物のような手とカギ爪を持ち、黒く隈取りされたぞっとするような目にははかり知れない痛みと孤独が表れていた。シュレックに魅了されていた脚本家スティーヴン・カッツは”シュレックが本物の吸血鬼だった”というアイデアでオリジナル脚本を執筆し、ハリウッドの俳優ニコラス・ケイジにプロデュースを依頼した。シュレックの大ファンだったケイジは奇抜で恐ろしくも面白い脚本を気に入り、かねてから望んでいた2人の俳優に出演を交渉した。
謎に包まれたシュレック役には『プラトーン』『スピード2』の怪優ウィレム・デフォー。そして、天才監督F.W.ムルナウを演じるのは『マルコヴィッチの穴』で日本での人気も不動のものにした鬼才ジョン・マルコヴィッチ。この2大俳優は創作のためなら人命をも投げ出す狂気のムルナウと、わがままな本物の吸血鬼が対決する凄まじい程エキセントリックなオリジナル脚本に魅せられて本作が初競演となった。
このようにして完成した『シャドウ・オブ・ヴァンパイア』は恐怖と笑いを誘うエンターテインメントとして幅広い層の熱狂的な指示をうけ、ロサンゼルス批評家賞最優秀助演男優賞受賞、インディペンデント・スピリット賞最優秀助演男優賞受賞し、さらに本年度のアカデミー賞最優秀メークアップ賞、最優秀助演男優賞にノミネートされ、大きな話題を呼んだ。

《曲者揃いのスタッフ・キャスト吸うか、吸われるか。》
鬼才マルコヴィッチと怪優デフォーの天才俳優の脇を固めるキャストは、デカダンな女優に『ブレイブハート』のキャサリン・マコーマック、悩める映画プロデューサー役に『悪魔のはらわた』のウド・キアー。そして、熱血肌のカメラマン、ワグナー役に『ツイスター』のケアリー・エルウェス。
脚本は本作が脚本家デビューとなるスティーヴン・カッツ。そして、『シティ・オブ・エンジェル』などで知られる俳優ニコラス・ケイジが初めてのプロデュースを担当。監督は、タイム誌から”年間ベスト10映画”に選ばれ高い評価を受けた『BEGOTTEN』で長編映画デビューしたE.エリアス・マーハイジ。同作を気に入っていたケイジが恐怖と笑いに満ちた本作の監督に彼を指名した。美術は『ナック』、『欲望』のアシェトン・ゴートン。本作でアカデミー賞特殊メークアップ費にノミネートされたカチア・レイナートは『狼男アメリカンinパリ ファングルフ』で知られている。『シャドウ・オブ・ヴァンパイア』は曲者揃いのスタッフ・キャストたちによって完成したすべての吸血鬼映画を超える作品となった。

●映画『吸血鬼ノスフェラトゥ』について
1920年代のドイツ表現主義を代表するサイレント映画。ノスフェラトゥとは不死者のことである。ブレーメンの町に吸血鬼ノスフェラトゥがやってきた。以後町にはペストが蔓延し、葬儀の絶える日がない。伯爵の連れてきたネズミが、ペスト菌をまき散らしているのだ。この事実を悟った美女ニーナは、我が身を犠牲にして吸血鬼に挑む。血を与え続けて朝までひきとめ、朝日で吸血鬼を倒そうというのだ。馬車が吸血鬼の城に向かうシーンをモノクロ反転したり、馬車の走行シーンをコマ落としで撮影している。

●ムルナウについて
【Friedrich WilheIm Murnau(1889〜1931)】
“ドイツが生んだ最も偉大な映画監督”。彼は22本の映画を撮ったが、現存するのはその半数にも満たない。代表作の『吸血鬼ノスフェラトゥ』(22)そして、『最後の人』(24)がヨーロッパで成功を収めた後、ムルナウはハリウッドの大物ウィリアム・フォックスに招かれて映画の部へ渡り、ヒロインを演じたジャネット・ゲイナーがオスカーを獲得した『サンライズ』(31)を監督し、ロバート・フラハティと共同監督した『タブウ』(31)のプレミア上映の日に、42歳で自動車事故死。死後”ムルナウは同性愛者だった”という噂が表面化し、葬儀に出席したのは勇気ある11人のみだった(グレタ・ガルボもその中にいた)。ガルボはムルナウのデスマスクをとり、ハリウッドでの彼女の机にはそれが飾られていた。

●シュレックについて
『吸血鬼ノスフェラトゥ』のオルロック伯爵を演じる。彼について詰られた一言は”凡庸な俳優”。

ストーリー



1921年、ドイツの映画監督F.W.ムルナウ(ジョン・マルコヴィッチ)は吸血鬼映画の新作にとりかかっていた。ムルナウとプロデューサー兼美術担当のアルビン・グラウ(ウド・キアー)、主演俳優のグスタフ・フォン・ヴァンケンハイム(エディ・イザード)、カメラマンのヴォルフ・ミュラー(ローナン・ヴィバート)、脚本家のヘンリク・ガリーン(ジョン・アーデン・ジレット)が向かったのは人里離れたチェコの古城。スタジオを離れ、国外のロケ地で撮影を行うのは異例のこと。しかもムルナウによれば、現地で合流する吸血鬼オルロック伯爵役の俳優マックス・シュレックは、役になりきるために常に衣装とメイクと付けたままで通すという。そして、撮影は夜しか行わないというのも、クルーたちには奇妙なことに思われた。

撮影初日、クルーは初めて姿を現したシュレック(ウィレム・デフォー)の異様な迫カに圧倒される。それもそのはず、彼はムルナウに雇われた本物の吸血鬼だったのだ。撮影が無事に終われば、その時は主演女優グレタ・シュレーダー(キャサリン・マコーマック)の血が彼の報酬となる約束だった。しかし血に飢えたシュレックは早速その約束を破ってカメラマンのヴォルフを毒牙にかけ、ムルナウを激怒させる。

ムルナウが代わりのカメラマンを探すためにベルリンへ戻っている間、アルビンとヘンリクはシュレックにあれこれ質問する。完壁に”役になりきったまま”答えるシュレックに、ふたりはひたすら感心するばかり。

新しいカメラマン、フリッツ・ワグナー(ケアリー・エルウェス)が到着し、撮影再開。だが主演女優グレタがロケ地入りすると、シュレックは彼女と会わせろとムルナウに要求する。映画の完成までシュレックを抑えておけるかどうか不安を募らせるムルナウ。そんな彼をよそに、フリッツはグレタに言い寄り、グレタはモルヒネに浸っている。だがヘンリクはシュレックの行動に疑問を抱き始めていた。

ヘルゴラント島でラストシーンの撮影準備がスタートすると、ムルナウは恐怖を紛らわすためにアヘンに溺れるようになる。彼は遂にアルビンたちスタッフにシュレックの正体を明かすが、島から脱出する手段を失った彼らが生き残るチャンスはもはや、ラストシーンを撮ってグレタをシュレックに引き渡すことしかなかった。

いよいよシュレックとグレタのシーンの撮影が始まった。何も知らないグレタの運命は?そしてムルナウとクルーたちは生きて映画を撮り終えることができるのか・・・?

スタッフ

監督:E.エリアス・マーハイジ
脚本:スティーヴン・カッツ
製作:ニコラス・ケイジ、ジェフ・レヴァイン
製作総指揮:ポール・ブルックス
共同製作:リチャード・ジョンズ、ジミー・デ・ブラバント
ライン・プロデューサー:ジャン=クロード・シュリム
アソシエイト・プロデューサー:オライアン・ウィリアムズ
プロダクション・デザイナー:アシェトン・ゴートン
撮影:ルー・ボーグ
編集:クリス・ワイアット
美術監督:クリス・ブラッドリー
衣装デザイナー:カロリーヌ・ド・ヴィヴェーズ
メイクアップ:カチア・レイナート

キャスト

F.W.ムルナウ(『吸血鬼ノスフェラトゥ』の監督):ジョン・マルコヴィッチ
マンクス・シュレンック("ノスフェラトゥ"役の"非優"):ウィレム・デフォー
アルビン・グラウ(プロデュユーサー):ウド・キアー
フリッツ・ワグナー(ニ人目のカメラマン):ケアリー・エルウェス
グレタ・シュレーダー(主演女優):キャサリン・マコーマック
グスタフ・フォン・ヴァンゲンハイム(主演男優):エディ・イザード
ヘンリク・ガリーン(脚本家):アーテン・ジレット
ウォルフ・ミュラー(最初のカメラマン):ローナン・ヴィバート

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