原題:HEAD ON

カンヌを席巻! ゲイ&レズビアン映画の新星アナ・コッキノス監督登場

1998年オーストラリア批評家協会賞(主演男優賞、助演男優賞、作品賞)受賞 1998年オーストラリア・アカデミー賞受賞 1998年カンヌ国際映画祭監督週間出品

(初公開:オーストラリア1998年08月13日公開)

1998年/原題:Head On/カラー/104分/オーストラリア/1:1.85/ドルビーSR 宣伝・配給:オンリー・ハーツ/宣伝協力:シネマ・キャッツ

2000年11月18日より俳優座トーキーナイトにてロードショー公開 2001年4月27日ビデオ発売

公開初日 2000/11/18

配給会社名 0016

解説

カンヌを席巻!ゲイ&レズビアン映画の新星アナ・コッキノス監督登場

新しいタイプのゲイ・ムービーとして、98年のカンヌ国際映画祭監督週間で旋風を巻き起こした『ヘッド・オン!』。
メルボルンに住む19歳のゲイの青年アーリの24時間を追いながら、疾走する青春群像を鮮烈に捉えたこの映画は、公開以来、世界各地で大反響を呼び続け、2000年の第9回東京国際レズビアン&ゲイ映画祭でも多くの人々から高い評価と、熱い声援を得たことは記憶に新しい。
監督は新進アナ・コッキノス。この映画の原型となった小説”Loadcd”と出会い虜になったと語る彼女は、この小説の持つ力強さとセクシーな魅力をそのまま映画に持ち込むことに成功した。
この映画をプロデュースしたのは、『シャイン』のジェーン・スコット。彼女は「この映画は、未来に向けて戦うひとりの青年を描いた寓話。アナの情熱が私を引っ張り、いつの間にか私は、このプロジェクトに魅了されていた」と語っている。

しかし、二人の女性が作ったこの映画は、決してゲイの青年の「おとぎ話」にはならなかった。

確かにこの映画は、19歳の若者が自分の未来を含むすべての世界と戦い、傷つき、自分が誰であるかを発見する物語である。
しかしこの映画が凡百な青春映画や、甘いゲイ・ストーリーにならなかったのは、この映画全体を支配している、力強い疾走感が人々を圧倒し、それに並行して描かれる主人公アーリのナイーブな内面と、内包するエネルギーのアンバランスが、常に物語に危機感を与え続けたからだ。
そしてさらに、映画の主人公たちの青春の陰影を繊細に描く一方で、彼らのゲイ・ライフをリアルに浮かび上がらせ、見た者に新鮮な感動を与えた。

センセーション!と呼ばれた若手スターと、彼らを支えた強力スタッフ。

感受性豊かで繊細なアーリの、ドラッグとセックスに疾走する青春を強烈に演じ”SENSAT10N!”と呼ばれたアレックス・ディミトリアデス。彼はテレビシリーズで注目された俳優であるが、この映画でオーストラリア批評家賞最優秀男優賞を受賞したのをはじめ、各地の映画祭で高い評価を受るなど、若手男優として進境著しい。
2000年の第9回東京国際レズビアン&ゲイ映画祭のアンケート調査でも、高い人気を集めた。また男性であることを拒否し、母親の名前を名乗るトランスヴァスタイトのジョニー(トゥーラ)を演じ、注目を集めたたポール・カプシスは、この映画でオーストラリア批評家賞助演男優賞を受賞した。その他にもアーリと対極をなすレスビアンのベティを演じ深い印象を残したエレーナ・マンダリス、そしてアーリの相手役ショーンを演じたジュリアン・ガーナーなど注目の若手俳優たちが多数出演している。
また、この映画のプロジェクトには、多くの強力スタッフが参加している。アナ・コッキノスとの共同作業でこの映画のシナリオを完成させたのは『ダンシング・ヒーロー』のアンドリュー・ボーベル。また編集には『ダンシング・ヒーロー』や『キルトに綴る愛』で知られるジル・ビルコックが参加。そしてコスチュームは、『ラブ・セレナーデ』や『女と女と井戸の中』などで知られるアナ・ボルゲジーが担当した。

ストーリー

神は死んだが、目的は捨てるな」と誰かが言う。
「やめてくれ、オレは学生でも詩人でもないんだ」と彼が答える。
彼の名はアーリ。メルボルンに住む19歳のギリシャ系移民の青年だ。
ある日の結婚パーティ。若い二人を祝う人々が集い、歌い踊る。その騒ぎの中でアーリは、思ったより自分がクールであることを自覚していた。彼の眼には、同性愛を一過性の遊戯として去って行く友の姿が、ただ異様にみえただけだった。
しかしこのパーティには、アーリの居場所はなかった。だがそれは、このパーティに限ったことではなかった。家族との暮らしをはじめ、この国のどこにも彼の居場所はなかった。職業にも恵まれず、愛する者もおらず、同性愛者への敵意を露わにする父親と無力な家族に囲まれ、日々を虚しく過ごすアーリは、見知らぬ男たちとの愛のないセックスに身を任せ、つかの間の快楽に溺れる。
セックスとドラッグとロックミュージックのエクスタシーは信じられたが、他の全ては輝きを失っていた。
そんな彼にも心を許せる友はいた。男性であることを否定して生きるトランスヴァスタイトのジョニー(トゥーラ)、そして恋人を失ったばかりのレスビアンのベティだ。しかし彼らには、アーリの孤独を救う事はできない。
兄の住むアパートで、アーリはショーンという青年と出会った。会った瞬間、たがいにある種の予感とトキメキを感じた二人は、やがてデートを始める。
深夜始まったクラブ”Stcki”でのパーティ。エキゾティックな音楽に踊り、酒を飲み、語り合う人々。そこでアーリは、ショーンと親しげに話すフェミニズムの女性アリアドネと諍いを起こし、席を蹴った。
彼の後を追うショーンとジョニー(トゥーラ)。しかしアーリの心は収まらない。
アーリを弟のように案じるジョニー(トゥーラ)は、彼をタクシーに乗せ、夜の街を突っ走る。行き先はゲイバー「スリー・フェイス」だ。やがて、彼らの行く手に警察の車のランプが浮かんだ。ふざけながら警察官をからかう二人。しかし、彼らを待っていたのは、想像を絶する悪夢の世界だった・・・。

スタッフ

プロデューサー:ジェーン・スコット
監腎・脚本:アナ・コッキノス
脚本:アンドリュー・ボーベル
/ミラ・ロバートソン
撮影:ジェイムズ・グラント
美術:ニッキー・ディ・ファルコ
編集:ジル・ビルコック
衣装:アナ・ボルゲジー
音楽:オリー・オルセン
原作:クリストス・ツィオルカス"Loaded"

キャスト

アーリ:アレックス・ディミトリアデス
ジョニー/トゥーラ:ポール・カプシス
ショーン:ジュリアン・ガーナー
ディミトリ:トニー・ニコラコプロス
ベティ:エレーナ・マンダリス
ソフィア:ユージニア・フラゴス
ジョー:ダミアン・フォチオウ
アレックス:アンドレア・マンダリス
タシア:マリア・メルセデス
ディナ:ドーラ・カスカニス
ピーター:アレックス・パップス
バシリ:バシリ・ザッパ

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