原題:Harem Suare'

99年カンヌ映画祭 ある視点クロージング作品

1999年/イタリア+フランス+トルコ合作/1時間46分/カラー/ヴィスタ/ドルビーSRD 特別協賛:ランコム/提供:ポニーキャニオン+コムストック

2000年5月20日よりシネスイッチ銀座にて神秘のロードショー 2000年12月20日よりDVD発売開始

公開初日 2000/05/20

配給会社名 0068

解説

ハーレムの秘密が今、明かされる

神秘樋のヴェールに包まれた官能の世界、ハーレム。きらびやかな衣裳の女たちが美を競い合う、華やかなその陰では、スルタンの寵愛をめぐって、さまざまな陰謀、策略、そして嫉妬が渦巻く。スルタンの愛を得て権力を手にするためには手段を選ばない。それが、ハーレムで生きて行くための掟。女たちの愛と欲望がうごめく、オスマン・トルコ帝国最後のハーレムにすべてを捧げた美女サフィエがたどる数奇な運命を、帝国の落日とともに絢爛豪華にドラマティックに描いた壮大なラブ・ロマンス、それが「ラスト・ハーレム」である。

美女サフィエがたどる数奇な運命

今世紀初頭のオスマン・トルコ。スルタンのハーレムに買われて来たイタリア生まれの少女サフィエは、その美しさと利発さで、女たちに仕える黒人の宦官ナディールの目に留まる。スルタンの寵姫の座を得て、権力を手中にすることを誓った二人は、さまざまな妨害や中傷を受けながらも、着々と計画を進め、二人の間にいつしか共犯関係を越えた愛が芽生え始めた頃、ついにサフィエは寵姫となり、皇子を出産。まさに頂点に上りつめたかに見えた二人を待ち受けていたのは、すでに目前に迫った帝国の終焉、そしてハーレムの崩壊だった…。

美しさと演技が輝くマリー・ジラン

非情な運命に翻弄されながらも、自らのカで強く生きようとする主人公サフィエを堂々と演じるのは、美しさと演技によりいっそうの磨きをかけたマリー・シラン。トルコ語とイタリア語を完壁にマスターして、波乱の人生に立ち向かい、夢を見続けようとするサフィエの強さと哀しさを、繊細に大胆に表現する。現在ランコムのイメージモデルとしても注目を集め、人気も急上昇中。また、サフィエを支え、禁じられた恋におちる黒人の宦官ナディールに扮するアレックス・デスカスの、内に秘めた情熱を、言葉少なに物語る抑えた演技も印象にに残る。

伝説のハーレムが華麗に甦る

監督・脚本のフェルザン・オズペテクは、イスタンブールに生まれ、現在イタリア在住。エキゾティシズムと官能の象徴としてのハーレムと、史実に基づいたありのままのハーレムの両方の姿を、独自の視点で浮かび上がらせる。撮影の大部分は、イスタンブールの宮殿やブルサのハマム(大浴場)など、実際の史跡を使って行われた。500着以上にものぼるきらぴやかな衣裳は、1万メートルにも及ぶ本物の生地から作られたオリジナル。こうしてトルコ、イタリア、フランスの3カ国から集まった才能あふれるスタッフとキャストによって、華麗なオスマン・トルコ帝国最後のハーレムが、1世紀ぶりに見事に甦った。

ストーリー

イタリアのとある駅構内のカフェ。そこで電車を待っていた若い女性アニタは、ミステリアスな年老いた女性と偶然出会う。彼女は、静かに自らの人生を語り始めた。
それは、ハーレムにすべてを捧げた1人の女性の話であった。

今世紀初頭のオスマン・トルコ。少女の名は、サフィエ。
イタリアから8歳でハーレムに売られてきた美少女。オペラに造詣が深く、3カ国語に堪能で利発な彼女は、黒人の宦官ナディールの目に留まり、スルタンの寵姫になって権力を手に入れようと、2人で手を結ぶ。
計画は順調に進み、サフィエはついにオペラ好きのスルタンの心をとらえ、彼の寵愛を一心に受けた。サフィエとナディールの間にも、共犯関係を越えた禁断の愛が芽生え始めていた。自らの部屋を与えられ、最大限の自由を得たサフィエは、スルタンの子を宿す。それゆえ周囲の嫉妬から、命をねらわれたり、執拗な嫌がらせを受ける。様々な策略や陰謀渦巻く中、サフィエは無事に待望の皇子を出産。
ハーレムの頂点に上り詰めた2人にとっては、それがつかの間の幸せとは予想だにしていなかった。大切な皇子は、ナディールの出張中に毒殺。
さらに追い打ちをかけるように、二人の帝国が、今まさに終焉の時を迎えようとしていたのだ・・・スルタンの追放、そしてハーレムの閉鎖。
ハーレムの外の世界で、新たな人生の出発を誓ったサフィエとナディールであったが、世間は二人に厳しかった。 そして数年後、サフィエはイタリアのハーレム・ショーで、スルタン最後の寵姫として看板ダンサーとなっていた。一方ナディールは、事故ですでにこの世を去っていた。

列車の到着時刻が近づいていた。アニタは、名残惜しそうに、年老いた女性(サフィエ)に別れを告げる。
サフィエは最後につぶやく。
「人生で一番大事なのは、どう生きたかではなく、どう生きたかったかよ。
人生の夢を見続けること。そうすれば波乱の運命に玩ばれても、苦悩と死を乗り越えられるわ」 

スタッフ

監督:フェルザン・オズベテク
脚本:ジャンニ・ロモリ&
    フェルザン・オズベテク
撮影:パスクァーレ・マリ
美術:ムスタファ・ウルケンジレル
衣装:アルフォンジーナ・レティエリ
編集:マウロ・ボナンニ
音楽:ピヴィオ&アルド・デ・スカルツィ
製作:R&Cプロデュツィオーニ
   ティルド・コルジ&ジャンニ・ロモリ

キャスト

サフィエ:マリー・ジラン
ナディール:アレックス・デスカス
老女サフィエ:ルチア・ボゼ
アニタ:ヴァレリア・ゴリノ
ミトハト:マリック・ボーウェンズ
スンブル:クリストフ・アキヨン
ギュルフィダン:セルラ・ユルマズ
アブデュルハミト:ハルック・ビルギネル

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