2000年/日本映画/デジタル・ビデオ/カラー/85min 製作:日本レンタル・システム・サプライ、日本トラスティック 配給:シネロケット

2002年3月8日ビデオレンタル開始 2000年11月4日、シネマ下北沢にてロードショー!

公開初日 2000/11/04

配給会社名 0593

解説

【ラブシネマとは…】

廣木隆一、三原光廣、行定勲、篠原哲雄、塩田明彦、三池崇史。日本映画の枠を超え、今最も活躍し、期待される6人の監督が、デジタル・ビデオで自由自在に撮りあげた「ラブシネマ」。それぞれの視点で今を生きる女性達を描いた、ちょっぴりエロティックで、ちょっぴりハートフルな6つの純愛物語。恋するあなたの心に響く、珠玉の恋愛映画、届けます。

 大阪は南河内の男子校に、東京から若き女教師、森永絵里がやってくる。ある熱き想いを胸に秘め、ラグビー部のコーチに半ば強引に就任した絵里。しかし肝心の部員はラグビーよりも絵里に夢中。彼女への憧れと下ゴコロに突き動かされる部員、それをラグビーに懸ける情熱へと無理矢理変換させようと、カラダを張った女教師の闘いは如何に…

 若さゆえのありあまる無駄なエネルギー、飛び散る汗と欲望を、浪花エッセンスたっぷりに描き出すは『ヒロイン!なにわボンバーズ』(室井滋主演)、『燃えよピンポン』でお馴染み、青春コメディの旗手、三原光尋監督。カラッと明るく、それでいてほろっとさせるスポ根コメディで確実にファンを付けてきた。本作も主人公の威勢の良さとキレの良い関西弁、地雷の様に仕掛けられたコテコテギャグでこれでもか!と笑わせるセンスを如何なく発揮。

 あるときはスクーターにホイッスルでチームの体力作りに尽力し、またある時は文字通りカラダを張ってほとばしるオスたちのエネルギーを操るヒロイン、森永絵里に扮するは、NHK大河ドラマ『葵 徳川三代』、映画『岸和田少年愚連隊』『生きない』『MONDAY』他多数出演、CM等でもお馴染みの大河内奈々子。キュートで威勢のいい絵里先生は見事はまり役で、コメディエンヌとして新たな魅力を存分に開花させた。絵里への愛と情熱をボールにぶつけて疾走(迷走?)するラグビー部主将、嵐大二郎役には、関西演劇界の風雲児、福田転球。50作品にも及ぶ客演・プロデュース公演で培ったその表現力と存在感で、大二郎の無骨な魅力を切ないまでに演じている。また、“わかめスープ”のCMで一躍お茶の間のファンを掴んだ東野佑美が、ラグビー部のマネージャー、まりも役を熱演。大二郎に想いを寄せつつ素直になれないいじらしさを表情豊かに演じる。

 見た後に爽快な風を感じながら、アホさに笑い純情に泣く、なにわの“超・娯楽映画”、ここに誕生!

 現在2001年陽春ロードショー予定、吹石一恵主演の青春映画『あしたはきっと…』を製作中。“泣いて笑って手に汗握るエンターテインメント”を真摯に追い求める、日本映画界きっての青春コメディ映画のホープである。

ストーリー

泥臭い浪花の男子校、桜明学園に、「若い、可憐、グラマー」と3拍子揃った女教師、森永絵里(大河内奈々子)がやってきた。彼女の願いと目的はただ一つ。「ラグビー部再建」である。かくして理事長を説得し顧問の座に就くも、部室は埃を被った廃墟。立ち尽くす絵里の前には、悪戯のみを生き甲斐としている4人の悪ガキが、理事長の懐から札束を抜いている。

 空いていた部室を溜まり場にしていただけなのに…突然やってきた顧問に朝練を言いつけられ、うろたえる4人。しかし、理事長のお金を持ち逃げするとき、絵里の柔らかい胸に激突した嵐大次郎(福田転球)だけは、俄然やる気になっていた。あの柔らかい感触に脳味噌を支配されたかのように…

 翌朝、大二郎に渋々付き合って練習に来たニック、ポンタ、グリ。彼らが早起きしてよかった、と確信するのに時間はかからなかった。朝日に輝く絵里の魅惑的なスパッツ姿に、理性を奪われていた。こうして4人はラグビーのルールも知らないまま、ラグビー部員になる決心をする。

 しかしこのままでは活動費も下りず、練習と試合に必要なモノは何もない。4人だけでは試合も出来ない。地道に活動費の交渉や部員募集活動をするが成果が見えず、やる気の炎は風前の灯火に。そんな折、絵里がいやらしい体育教師と寄り添って歩いている姿を目撃した大二郎はショックを受け、退部を決意。一方残り3人は、大勢の詰襟軍団にケンカを吹っかけられ、ボロボロにされていた。…京橋高校のラグビー部員だった。7年前、桜明学園が歴史に残る決勝戦で破ったチームであり、地区でダントツの強豪である。彼らの闘魂に火がついた…!

 再び大二郎を入部させ「打倒!京橋」を掲げ、猛烈な部員勧誘作戦を繰り広げる4人。入会特典は「絵里ちゃんの熱〜いKISS」。京橋高に勝ったら、「絵里ちゃんと行く混浴温泉ツアー」。もちろん大二郎は「新入部員」である。かくして部室前にはオーディションを受ける人々の長蛇の列、列、列…。

 人は集まった。しかしその「破廉恥」な勧誘行為に、ラグビー部はPTAから「入部したら卒業させない」部にさせられてしまう。それでも、卒業より絵里との混浴を選ぶ者、卒業なんてハナからどうでもいい者、事情がわかっていない者…それぞれがそれぞれの想いを胸に、ラグビー部は動き始めていた。大二郎にほのかな恋心を抱く幼なじみ、まりも(東野佑美)がマネージャーを引き受けた。絵里のホイッスルで一丸となっていく部員たち。みんな、ちょっとずつラグビーが好きになり始めていた…。

 絵里は女性ラグビーチームと練習試合を組ませ、我が桜明チームがいかに弱いかを認識させる一方で、みんなの目指すところである京橋高校との練習試合の交渉を進めていた。しかし全く相手にされない上、馬鹿にされて頭に血が昇り、試合で負けたチーム全員と1晩付き合う条件を出され、受けてたってしまう。もう後には引けなかった。

 試合当日。京橋の優勢で次々と得点を決められ、前半得点ゼロ。しkし絵里のひたむきな応援と、「君たちは強い!」という彼女の暗示にかかったかのように、メキメキと後半戦を盛り返す桜明チーム。点差1点、ボールはポンタからニックへ、ニックからグリヘ、グリから大二郎へ。群がるディフェンダーをなぎ倒し、タックルされてもひきずって進む。

 残り時間も僅か、力尽きそうなその時、目指す敵のゴールポスト前で、絵里が叫びながら何かを大きく振っている。「ここよ!ここに来るのよ!」。グラウンドに、ユニフォームが引き裂かれても走り続ける男、嵐大二郎の赤褌が風に舞う。絵里の振る花柄のパンティを目指して…。ボールはパスからパスへ、そしてポスト目掛けて渾身のキック…!

 青空に舞い上がるボールに、みんなは真剣に願った。届け、届け!!と…

スタッフ

監督:三原光尋
製作:斎藤晃、遠藤久典
プロデューサー:中島進、荒川礼子
アソシエート・プロデューサー:菊田昌史
脚本:久保田傑
撮影:池田俊巳
照明:北井哲男
録音:山口勉
美術:奥野雄一、高倉雅昭、藤野ミチル
編集:宮島竜二
助監督:中野広之、宮城仙雅
VE:大谷優司
記録:金沢順子
衣装:前田美代子
ヘアメイク:山崎とも
音楽:藤田辰也
スチール:平野晋子
制作:奥野雄一、高倉雅昭、藤野ミチル
製作主任:六車雅信
ラインプロデューサー:若宮まさこ
制作協力:映像グループ 翔の会
音楽協力:メディアム
エンディングテーマ:“honwaka”作詞・作曲・唄:松谷菜穂
          (モンスーンレコーズ)

キャスト

森永絵里:大河内奈々子
嵐大二郎:福田転球
まりも:東野佑美
ニック:坪田秀雄
ポンタ:姜暢雄
グリ:坪田秀雄

木下ほうか

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