原題:LA BUCHE

ダニエルトンプソンによる映画監督,初作品となる年末最高のコメディー

☆第8回フランス映画祭2000出展作品::http://www.nifty.ne.jp/fanta/france2000/index.htm

(初公開:フランス1999年11月24日公開)

1999年/フランス映画/106分/35mm/ドルビーSR/配給:ロサ映画社

2004年11月10日よりDVD発売開始 2000年11月11日より池袋シネマロサ2にて公開

公開初日 2000/11/11

配給会社名 0421

解説

クリスマス—それはやさしさに包まれる愛の季節。
フランスでは、1999年のクリスマスシーズンに公開され、リュック・ベッソンの「ジャンヌ・ダルク」と観客動員数でトップを争い、160万人を動員。2000年春までのロングランとなったこの作品は、多くの人たちから愛された作品なのです。

街中がお祭り気分で浮き足立っているクリスマス。
この楽しく聖なるクリスマスが、三姉妹とその両親に、ほろ苦くも暖かな真実の鐘を鳴らす。
外は凍えるような寒さだけれど、心はぬくもりに溢れている。
クリスマスが持つちょっとした魔法によって、それぞれの問題に光が見えてくる。メインディッシュの七面鳥でさえ、踊り出したくなるような、そんなクリスマスの物語。

かわいいだけじゃない—シャルロットの本当の魅力。
出演は、「ラブetc.」以来、3年ぶりにフランス映画界に復帰となるシャルロット・ゲンスブール。
世間的にはやり手のワーキングウーマン、しかしどこか虚しさを抱える三女ミラを演じ、見事1999年セザール賞助演女優賞を受賞。
ロシア民謡の歌手、長女ルーバを演じるサビーヌ・アゼマは、タヴェルニエの「田舎の日曜日」、アラン・レネの「メロ」で二度のセザール主演女優賞を受賞した実力派。
ブルジョア気取りの主婦、次女ソニアには「美しき諍い女」で日本でも脚光を浴びたエマニュエル・ベアール。
このフランス映画界を代表する女優達を筆頭に、「葡萄酒色の人生—ロートレック」のクロード・リッシュ、「男と女の詩」「想い出のマルセイユ」のフランソワーズ・ファビアン、「百貨店大百科」「マルセイユの恋」のジャン=ピエール・ダルッサンといった演技に定評のある俳優陣が出演。
本作品で、演技だけでなく脚本にも参加しているクリストファー・トンプソンは、期待の若手俳優として要チェックです。
監督は、「ラ・ブーム」「王妃マルゴ」「愛するものよ、列車に乗れ」などの女性脚本家として数々のヒット作を生み出してきたダニエル・トンプソン。本作品は、そんな彼女の記念すべき監督デビュー作です。

クリスマス!クリスマス!クリスマス!
小さなリボンやちょっとした旅行鞄、キリスト生誕場面の模型、スタニスラスのマフラー、ジョセフの帽子、ルーバのブーツ(!)、ロシアのナイトクラブのシェード、七面鳥の肉詰め、etc・・・
これら、監督がこだわった小物たちと、ロシア民謡やフランス映画音楽界の大御所ミシェル・ルグランの奏でる音楽がすてきにマッチ。もう、クリスマスが待ちきれない!!

ストーリー

それぞれの人生を送り別々の悩みを抱えた3姉妹が,今まさにクリスマスのご馳走の準備にとりかかっている。これをめあてに家族全員がそろうのだ。クリスマスに家族、とくるが,楽しいお祭りというわけでは…

1999年11月24日上映開始(フランスにて)
La bucheの表現方法は,シンプルであり,非常に効果的である。考察に値するのは,役者による現実味のある演技,彼らのたわいもない欠点,期待された以上の無限の才能,そしてより深いところの心の傷をうまく表現したところだ。ユーモアと感情,現実とファンタジー,お決まりの状況と新しい展開、これらが絶妙にブレンドされている作品といえる。さらに注目すべきは,登場人物のセンスだ。互いに、かなり異なるキャラクターの女優たち(なかには,男優も含まれる)が,ひとつの本当の家族を築いている。巧みな手法ゆえに,脚本を映像に変えたところで何も失っておらず,またあえてそこから何かを得ようともしていない…すなわち,すべてがこのクリスマスに起こった喜劇を,今年最も喜びに満ちた驚きに変えているのである。しかしながら,La buche のすべてが完璧というわけではない。家族という親しみやすさを売りにする反面、題材が限られてしまう嫌いがある。だが、そうはいってもこの映画と共に過ごした時間、そして心のなかに残った記憶は、十分に私たちを元気づけてくれる。また、この映画を見て楽しいと感じたのであれば、それは早くもなく遅くもなくちょうどよい時期にこの映画にめぐり合えたと思えばいい。作られるべくして作られた、何の飾り気もなく、自由に気ままに、そして真心のこもった映画といえよう。これまでに、ダニエルトンプソンは、他の人のために数多くの脚本を手がけてきた。彼女の父親ジェラルドウーリーをはじめ、彼とは20年以上仕事をともにしたが、同様にLa boumのピノトー、Les marmottesのシュラキ、La reine Margotのシェホ、Belle mamanのアヂオンなど、その後彼女は、彼女自身がカメラの後ろに立つことを、自然と思うようになった。おそらく準備が整い、そこが最も居心地のいい空間だと気づいたからだろう。彼女は、間違っていなかった。
このばらばらになった家族の青写真を、クリスマスの訪れとともに、より鮮明でなおかつより曖昧なものにするために、冷笑的になったり変に愛想よくはしなかった。また、偽装や人工的にならないように、脚本家が言葉を選んだときにその言葉の正確な意味を理解している人がいなくてはならない。これはまさに料理において、すべてが、調和の問題であるのと同じことである。ダニエルトンプソンは、彼女の息子(この家族の話の中であえて深く掘り下げようとしたのか?)とともにこの脚本を書き上げたが、誰よりも彼の事を知っている。彼女は、すなわち最も理想的な監督なのであった。そのため、役者に指示を与える際にも同じような緻密さを必要とした。ここに、過ちは存在しない。引き合いに出すようなことは一つもないが、あるとすれば、すべてについて言及しなければならない。彼女の映画の中では、役者は、真の人間となり、登場人物は、実在する人物となる。決して不快ではない、ドンちゃん騒ぎ真っ最中の夕食の場に、私たち観客は、近づきすぎることもなく、また執着することも望まれないのである。

スタッフ

監督:ダニエル・トンプソン
脚本:ダニエル・トンプソン、クリストファー・トンプソン
製作:アラン・サルド
音楽:ミシェル・ルグラン
美術:ミシェル・アベ
衣装:エリザベス・タヴェルニエ
撮影:ロベール・フレックス、ジャン・アルノア
音声:ジャン=ピエール・デュレ
編集:イザベル・カストロ

キャスト

ルーバ:サビーヌ・アゼマ
ソニア:エマニュエル・ベアール
ミラ:シャルロット・ゲンスブール
スタニスラス:クロード・リッシュ
イヴェット:フランソワーズ・ファビアン
ジョセフ:クリストファー・トンプソン
ジルベール:ジャン=ピエール・ダルッサン
アナベル:イザベル・キャレ
ピエール:サミュエル・ラバルト

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