原題:Blister!

僕達は"ひとつだけ"を探し出す。 そのフィギュアが、地球の未来を変える。 〜時空を駆けるハイテンションSFムービー〜

☆ゆうばり国際ファンタスティック映画祭2000出展作品::http://www.nifty.ne.jp/fanta/yubari/index.htm

1999年日本映画/1時間48分/配給:スローラーナー 制作:小椋事務所/製作:博報堂、テレビ東京、ブエナビスタポームエンターテイメント

2005年06月08日よりDVDリリース(05年7月29日までの限定出荷) 2001年2月21日DVD発売/2001年2月21日ビデオ発売&レンタル開始 2000年7月1日より渋谷シネ・アミューズほか全国公開決定! タイムテーブル 11:50/1:55/4:20/6:45

須賀監督インタビュー::http://www.nifty.ne.jp/fanta/yubari/comment/suga00.htm 大塚明夫インタビュー::http://www.nifty.ne.jp/rforum/fcinema/topics/200005/12bl/index.htm

公開初日 2000/07/01

配給会社名 0048

解説

熱烈なフィギュアフリークがいて、「ブリスター!」が生まれた。
けれど、これは、ただ彼らの生活を描くだけの映画ではない。

 映画や、コミック、アニメ、ゲームのキャラクターの人形玩具、フィギュア。特に、ハリウッドSF映画やアメリカンコミックのキャラクターをモチーフにした「アクションフィギュア」と呼ばれるストリームは、近年、日本でも大きく注目を集めている。それは、一部のおもちゃマニアから拡がりを見せ、東京では若者たちのカルチャー、ファッションの潮流とさえなっている。
 「ブリスター!」の主人公は、こうしたフィギュアカルチャーの核心部にいるであろう熱烈なフィギュアフリークだ。部屋の天井からは無数のフィギュアがぶら下がり、日々の生活は、フィギュアとともにある。そして、世界中のマニアが追いかけながら、誰も見つけることのできない伝説のフィギュア「ヘルバンカー」を探すために、持てる全てのパワーを注ぎ込む。この主人公の周辺を、それぞれ個性的な価値観を持ったフリークたちが取り巻いていて、独特の魅力を持った彼らの織りなす人間関係が、物語の中心にある。
 しかし、それだけではない。物語は、フィギュアをめぐって、いとも簡単に、時間と空間を越える。
 「ヘルバンカー」の原作本で繰り広げられるストーリー。未来の砂漠でたかだか一体のフィギュアをめぐってハイテンションな口論を続ける戦士たち。韓国宮廷秘伝の技術を受け継ぐ謎の老人。いくつものストーリーが交錯する。
 そして、これらのストーリーが、絡まりあい、積み重なり合っていく中から、一つのサイエンスフィクションストーリーが、新たに浮かび上がってくるのである。
 この複雑なストーリーを、監督須賀大観は、あくまで軽快に語っていく。テンポの速い編集は、監督自身によるもの。広告業界での経験をべ一スに、独特のリズムを持った映像世界を創りだした。そして、「自分自身、フィギュアフリークだ」という監督が、登場人物たちに送る暖かい視線が、この映画に、見るものを楽しくさせる独特の温度を与えている。

オリジナルフィギュア、音楽。
新しい才能たちと、様々なコラボレーションが実現した。

 映画の中に登場するフィギュア違。伝説のフィギュア「ヘルバンカー」はもちろん、マニアを悩ませる偽物フィギュアや、ユーモラスなパロディフィギュアなど、数多くのフィギュアが、この映画のためにオリジナルで製作された。これらのオリジナルフィギュアは、「ヘルバンカー」を手がけた原健一郎をはじめとして、複数の若手デザイナー違によってキャラクターデザインがおこなわれた後、日本で実際にフィギュアの製造を手がける玩具メーカーの協力で製作されたものだ。また、「ヘルバンカー」の原作本のイラストレーションを含め、全体のキャラクターデザインを未だ20台の新鋭デザイナー小口達也が監修している。
 出演者は、伊藤英明、真田麻亜美と、日本国内の映画、テレビドラマで活躍する若手の実力派が中心。ネールアーティスト「イルマ」役の関川陽子はモデル、未来のストーリーで「フリーボーン」を演じる鮎貝健はミュージシャンと、異なるジャンルで活躍する若手も加わっている。
 また、音楽も、出演する鮎貝健が提供する一部を除いて、多くがメジャーデピュー前の若手アーティストによるものだ。監督は、レコード会社の協力のもと、インディーズのCDはもちろん、持ち込まれたオーディションテープまでも選定の対象とし、映画の世界にマッチする21の楽曲が提供された。
 「ブリスター!」には、それぞれに得意分野を持つ新しい才能たちの、様々なこだわりと挑戦が満ちあふれている。

ストーリー

そのフィギュアが、地球の未来を変える。
〜時空を駆けるハイテンションSFムービー〜

 熱烈なアクションフィギュアのコレクター、ユウジ(伊藤英明)。彼は、今、『ヘルバンカー』を探している。それは、世界中のマニアが必死に探している伝説のフィギュア!多くのことが語られながら、まだ、誰も見たことがない。ユウジは、ケットすると決めたフィギュアのためなら、すべてを忘れて突っ走る。『ヘルバンカー』を追いかけ始めてからの彼の生活は、さすがに彼女のマミ(真田麻里美)にも理解できない。一緒に暮らしてきた二人だけれど、最近、口喧嘩ばかり。マミは、カメラマンアシスタントの仕事を元気にこなしながらも、時々ふと寂しそうな表情を見せるようになった。

 でも、ユウジは「ヘルバンカー」を探す。探す。探す。

 ロボットマニアのグラフィックデザイナー、ハサモト(山崎裕太)。レアものコレクターで、ヘルバンカー探しのライバル、キム(櫻田宗久)、ネイルアーティストのイルマ(関川陽子)と、ユウジを取り巻くのは個性的なクリエイターの卵達。そして、彼らの溜まり場のバーの店長テラダ(大塚明夫)は、これまた折り紙付きのSFマニア。ユウジのちょっとイカれた生活は、まだまだ続きそうに思えた。

 だが、ユウジは、ある日、一人の科学者の存在を知る。「ヘルバンカー」の行方を知るに違いない、その科学者スーン博士と、コンタクトを試みるユウジ。そして、それは彼の運命を思わぬ方向に変えていくことになる。ほどなく事件が起こり、スーン博士が暗殺された。「ヘルバンカー」には、秘密が隠されていたのだ。

 現代へ、そして未来へ、物語は時空を駆ける。
 近未来の砂漠。そこでは、たかだか一体のフィギュアをめぐって、戦士達がハイテンションな口論を続けていた。
 とある、海辺。韓国宮廷秘伝の造型技術を受け継ぐ謎の老人は。叙しげに余命いくばくもない自分の未来を憂いた。
 ストーリーは、それぞれに謎をかかえたままに進行していく。しかし、それらの物語はかすかに重なり合い、やがて、一つの真実が明らかになる。

スタッフ

製作代表:大塚康高、宮川鑛一、星野康二
製作監修:安永義郎、石川博、長澤一史
製作補:福田一平、岸本光司
プロデューサー:藤巻直哉
制作プロデューサー:小椋悟
キャスティングディレクター:石山武彦
ラインプロデューサー:齋藤寛朗
脚本:猪爪慎一
撮影:西久保維宏
照明:赤津淳一
録音・整音:中村淳
音響効果:柴崎憲治(アルカブース)
美術:野尻郁子
キャラクターデザイン監修:小口達也
ヘルバンカー&ヘルポンパー・デザイン:原健一郎
ヘルバンカー・イラスト カラーリング:小川真
クラッシュオブトラッシュ&ジュラシックパンク・デザイン吉沢成友、松村岳男
キウイ・デザイン:大庭晋一朗
フィギュア制作監修:慶田明稔(REDS,INC.)
監督:須賀大観

キャスト

ユウジ:伊藤英明
麻美:真田麻里美
ハサモド:山崎裕太
キム:櫻田宗久
クミポ:つじしんめい
イルマ:関川陽子
アキオ:大岩サチヲ
レン:PAUL RAUDKEPP
バーのオーナー:今村明宏(コンボイハウス)
H.R.スーン博士:PATRICK MARTIN
ジーン・カルポーナン:MATTHEW MEERSBERGEN
フリーボーン:鮎貝健
フィンク:DENNIS GUN
カンダーク:PATRICK HARLAN
アトレイデス:CLAIRE TANNER
スケクシス:岩永ヒカル
テラダ:大塚明夫

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