原題:BEING JOHN MALKOVICH

『マルコヴィッチの穴』には 「初めて」がつまっている

1999年第56回ヴェネチア国際映画祭国際批評家連盟賞 1999年第25回ドーヴィル映画祭グランプリ、批評家賞 1999年ナショナル・ボード・オブ・レヴュウ ベスト10 1999年ロサンジェルス映画批評家協会賞最優秀脚本賞 1999年ボストン映画批評家協会賞最優秀脚本賞 1999年ニューヨーク映画批評家協会賞    最優秀助演男優賞<ジョン・マルコヴィッチ>、    最優 秀助演女優賞<キャスリーン・キーナー>、    最優秀処女作賞 2000年第57回ゴールデン・グローブ賞3部門ノミネート    作品賞、    助演男優賞<ジョン・マルコヴィッチ>、    助演女優賞<キャスリーン・キーナー>、    助演女優賞<キャンロン・ディ アス> 2000年アカデミー賞ノミネート    監督賞    助演女優賞    オリジナル脚本賞

1999年アメリカ/ユニヴァーサル・インターナショナル・ピクチャーズ提供/ シングル・セル・ピクチャーズ=グラマシー・ピクチャーズ=プロパガンダ・フィルムズ提供 カラー/1時間52分/ドルビー・デジタル 提供:アスミック・エース エンタテインメント/角川書店 配給:アスミック・エース エンタテインメント

2011年11月02日よりDVDリリース 2000年9月23日より渋谷東急系にて公開 2001年3月23日DVD発売/12月21日DVDレンタル開始 2001年3月23日ビデオ発売

©1999 PLOYGRAM HOLDING, INC.

公開初日 2000/09/23

配給会社名 0007

解説

強烈な想像力に全世界が沸いた。全く新しい才能、天才クリエイター スパイク・ジョーンズが創り上げたあまりにも独創的な世界は各国の映画祭を席巻、初監督作品にしてアカデミー賞3部門にノミネートされるという快挙を成し遂げた。奇妙と斬新と底知れぬ実力を兼ね備えた本作には、無限の想像力を感じさせる「初めて」がつまっている。
(1)この映画はスパイク・ジョーンズ「初めて」の長編監作品である
(2)脚本家チャーリー・カウフマンによる「初めて」の映画脚本である
(3)ジョン・マルコヴィッチにとって「初めて」自分自身を演じた映画である
(4)7と1/2階について説明したのは「初めて」である
(5)愛らしいキャメロンディアスのあのような「初めて」の姿
(6)「初めて」見るチンパンジーの潜在意識
(7)ラブ・シーン(多分)これまで見たこともない「初めて」の視点

奇妙な「初めて」を並べそろえて極めて真面目にそれでいて嘲笑うかのように観る書の「次は!?」を駆り立てる。見事な人形さばき、7と1/2階のオフィス、会話の成り立たない受付、うつ病のチンパンジー、ニュージャージーの郊外・・・そして穴。一見関連性のないモチーフが次々と組み素晴らしい絵を完成させていく。さて、「穴」のその先に見えるものは!?

いったいこの先何が起きるのか!?
しがない人形使いのクレイグは定職に就こうと、7と1/2階にある不思議な会社に就職する。ある日、キャビネットの裏に落とした書類を拾おうと動かすと、壁に大きな穴を発見する。興味を持って穴に入ると、そこは俳優ジョン・マルコヴィッチの頭の中だった…。
奇抜な世界に縁取られながらも、本作の秘密の穴の先には深いテーマが横たわっている。人はどこから来てどこへ行くのか?ここでは「人間の存在」を根底から覆す事態が発生する。人間は肉体という仮の姿を借りながら、内に宿る「個性」や「人格」を実は何かに操られているのではないだろうか。しかし脚本家のチャーリー・カウフマンが「僕は人々にこの映画からそれぞれの体験を得て欲しいと思っている。」と語るように、本作は多くを語らず観客の想像力にその身を委ねる。ここに監督スパイク・ジョーンズと脚本家チャーリー・カウフマンの知性の一端と、世界中を席巻した理由が隠されているのかもしれない。

見逃せないキャスト&特別出演

売れないパペット便いクレイグ・シュワルツを演じるのは『コン・エアー』『シン・レッド・ライン』のジョン・キューザック。冒頭の人形劇の見事な手さばきとこれまでにないむさ苦しさに彼の演技の幅広さを実感する最新作ティム・ロビンス監督作品『クレイドル・ウィル・ロック』では、豪富ネルソン・ロックフェラーを演じている。夫クレイグとは冷え切った関係、いっぽうでチンパンジーに愛情をめいっばい注ぎ、新しい珍恋愛に目覚める妻ロッテを現在ハリウッドて最もセクシーでキュートな女優キャメロン・ディアスが好演。今まで観たこともない×××な彼女の姿に注目。クレイグがひと目ぼれする0Lマキシンに『8mm』『アウト・オブ・サイト』のキャスリーン・キーナー。セクシーでクールな演技が認められ本年度アカデミー賞助演女優賞に見事ノミネートされた。俳優からパペット使いの世界的スターに転身、その名もジョン・ホレイショ・マルコヴィッチを演じるのはもちろんジョン・マルコヴィッチ。自分で自分を演じる難しさ、自分でない自分を演じるおかしさで魅了する超演技は一場面たりとも見逃せない。7と1/2階のレスター社の社長であり、マルコヴィッチの穴の秘密を握るドクター・レスターを『インナースペース』のオースン・ビーン、言語障害学博士号を持つくせ、ちっとも話しの通じないレスター社の受付フローリスを『レインメーカー』のメアリーケイ・プレイスが妙演、捉えどころのなさが笑いを誘うマルコヴィッチ同様、自身を演じて登場するのがチャーリー・シーン。彼の最盛期を知る者には想像を絶する姿で登場する。
また、見逃してはならないのが特別出演の面々。ブラッド・ピット、ウィノナ・ライダー、ショーン・ペン、『セブン』『ファイト・クラブ』の監督デイヴィッド・フィンチャーそしてスパイク・ジョーンズ本人と興味をそそらずにはいられない顔がそろう。だが、全員探し出すのは至難の業に近い。

ストーリー

“マルコヴィッチの穴”
をめぐる、ある体験談

悲しき人形便い

クレイグ・シュワルツは、人生の崖っぷちに立たされていた。街頭芸人の人形使いとして才能があるにもかかわらず、ニューヨークにはその特別な才能を生かす場所がなかった。ペットショップに勤める妻ロッテは、家にまでペットを持ちこみ世話するありさま。そんな妻との10年に及ぶ結婚生活もすっかり冷え切っていた、ふたりの夫婦生活には、お金もなければ愛もなく、そして逃げ道もなかった。

7と1/2階にあるオフィス

ある日、定職に就こうと新聞の求人欄を何気に見ていると「手先の器用な人求む」という広告を見つける。とりあえすクレイグは、マンハッタンのマーティン・フレマー・オフィスビルの7と1/2階にある小さな会社、レスター社の文書整理係の仕事を得る。その後の7と1/2階の説明会で美しい0Lマキシンに出会ったクレイグは、彼女に一目惚れしてしまう。マキシンに振リ向いてもらいたい、愛されたい。クレイグは彼女を追いかけるが、彼女は鼻にもかけてくれない。

マルコヴィッチの穴

相手にされずがっかり肩を落とすクレイグは、オフィスにこもってファイル整理にいそしむ。いらいらして引き出しを勢いよくたたきつけたあまり、ついファイルをキャビネットの裏に落としてしまう。ファイルを拾おうとキャビネットを動かしてみると、そこに上から板をかぶせた小さなドアを見つける。興味をもって開けてみると、何とそこには穴が。慎重に中へ潜りこんていくと、突然穴の奥へ吸いこまれてしまう。明るい閃光が一瞬ひらめいたかと思うと、クレイグは自分かとんでもない発見をしたことに気づく。それは俳優のジョン・マルコヴィッチになるというユニークな体験への穴だった。クレイグは今ジョン・マルコヴィッチになっている!
だが、これは単なる始まりに過ぎなかった・・・。

スタッフ

監督:スパイク・ジョーンズ
脚本・製作総指揮:チャーリー・カウフマン
製作:マイケル・スタイプ、サンディ・スターン、スティーヴ・ゴリン、ヴィンセント・ランディ
製作総指揮:マイケル・カーン
撮影:ランス・アコード
プロダクション・デザイナー:K.K.バーレット
編集:エリック・ザンブランネン
衣裳:ケイシー・ストーム
音楽:カーター・バーウェル
キャスティング:キム・デイヴィス=ワグナー&ジャスティン・バッドリー

キャスト

クレイグ・シュワルツ:ジョン・キューザック
ロッテ・シュワルツ:キャメロン・ディアズ
マキシン:キャスリーン・キーナー
ドクター・レスター:オースン・ビーン
フローリス:メアリ・ケイ・プレイス
J.M株式会社の最初の客:W・アール・ブラウン
ラリーの依頼人:カルロス・ジャコット
レストランの男:ウィリー・ガースン
J・マーティン:バーン・ピヴン
バーの酔っ払い:グレゴリー・スポレダー
チャーリー:チャーリー・シーン
デレク・マンティーニ:ネッド・ベラミー&スパイク・ジョーンズ
ジョン・ホレイショ・マルコヴィッチ:ジョン・マルコヴィッチ
特別出演:ショーン・ペン、ブラッド・ピット、ウィノナ・ライダー、アイザック・ハンスン

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