ビューティフルピープル

　99年カンヌ映画祭、満場一致、拍手喝采で迎えられた「ある視点」部門グランプリ受賞作、それがこの「ビューティフルピープル」です。カンヌに集まったマスコミ、映面関係者が仕事を忘れ、一人の観客に戻って涙を流し、共に笑った感動作です。そして今その感動の波は世界中に広がり、各国の映面祭で上映される度に、国境、文化の違いを越えて観客を一つに結びつけ、最後にはいつも鳴り止まない拍手と熱い涙が会場を包みます。
「ビューティフルピープル」は、紛争の母国からイギリスヘ逃れてきたボスニアの人々と、そんな彼らを受け入れるギリスの人々の心の交流を温かく、力強く描いた作品です。とはいっても堅苦しい映画ではなく、目尻にシワ目頭に涙、うんと笑えて胸がぐっと詰まって涙がキラリ。最後には極上のハピネスに包まれて、疲れた心によく効く特効薬のよう。このとびきり素敵な映画をプレゼントしてくれたのは、新人監督ジャスミン・ディズダー。監督自身もボスニアの出身です(現在イギリスに帰化)。いくつかのストーリーを同時進行させながら、「戦争によっ人生が最悪にされても、すこしの愛があれは、人は微笑むことが出来る」というメッセージをみすみすしく描いていきます。