原題:ART MUSEUN BY THE ZOO

こんな恋もあったんだーーーーー。 ソウルから届いた、とびきりキュートなラブストーリー

1998年/韓国映画/韓国語/1時間48分/35ミリ/カラー/ビスタサイズ(1:1.85)/ドルビーステレオSR 日本語字幕:石田泰子/ポニーキャニオン/シネマスコーレ/東光徳間/配給:東光徳間/チャンネルアジアジア 後援:韓国観光公社

2005年03月02日よりDVD発売開始 2000年11月11日より新宿シネマカリテほかにて公開 2001年4月18日DVD発売/2001年4月18日ビデオ発売

公開初日 2000/11/11

配給会社名 0052

解説

 10日間の兵役休暇で、青年が婚約者のアパートを訪ねたところ、そこに住んでいたのはまったく別の女性だった。髪はクシャクシャで化粧っ気はほとんどゼロ。ペットボトルをラッパ飲みし、洗うのが面倒だからと靴下もはかず、歯も磨かないというズボラな性格の彼女。それでも、心ときめく年上の男性の前では満足に口を開くこともできず、密かに書いている映画のシナリオにその思いを託し続ける夢見る女性。やがて二人はそれぞれがお互いに恋する相手をモデルに、共同で一本のシナリオ雇書き上げて行く……。まるで少女漫画の世界のよう、と指摘されるかもしれないが、韓国のいや、すべてのいまを生きる女性たちに軽やかにエ一ルを送っているのが、この『美術館の隣の動物園』。迫りくる自らの死を前に、他者へのたゆまぬ優しさを謳った感動作『八月のクリスマス』を生んだ新世代韓国映画界から再び世界中の映画ファンに送り届けられたこの小品映画は、まさしく『八月のクリスマス』と兄妹関係にある作品と呼んでも決しておかしくはないだろう。
 『八月〜』がどちらかといえば、ハン・ソッキュ演じる主人公、すなわち男性の側の視点を中心に描かれたものだとすれば、その視線の先の「対象」としての女性の内面・本音の部分を、より鋭くストレートに描き出している。2本の映画の橋渡し役となっているのが、両作ともにヒロインを務めるシム・ウナ。現在韓国でナンバーワンの入気を誇る彼女が、確固たる演技力の持ち主であることを再認識させたのが本作なのだ。そう、何と言ってもこの映画はシム・ウナの魅力に尽きる。韓国映画を代表するあの名優アン・ソンギですら、意外にも今回はすんなりと脇役に徹し、一人二役をこなしながら、彼女ののびやかな演技を淡々と見守っているほど。
 チャン・ユニョン監督の『接続ザ・コンタクト』では、互いに見知らぬ男女の心の交流がパソコン通信を通じて描かれたが、ここでも主人公二人の心を徐々に繋いでいくための重要な小道具としてパソコンが登場。また、『八月〜』では相合傘のエピソードが披露されたが、本作でもシム・ウナの揺らぐ女性心を象徴するかのように、雨傘を効果的に使ったシーンが忘れられない印象を残している。
 映画全体のリズミカルな魅力を引き立てているもうひとつの主役が音楽。『八月のクリスマス』でも共同音楽担当として叙情的旋律を聴かせていたキム・デホンが一転して、明朗でユーモラスな4ビートタッチを基調にした楽曲などを提供。女性ヴォーカリスト、ローラ・フィジィの快活な歌声も場面を盛り上げるのに頁献している。
 共演者は新作『ガソリンスタンド襲撃事件』での演技も絶賛されている若手注目株のイ・ソンジェ。監督のイ・ジョンヒャンは、数多くの若手映画人を生み出している韓国映画アカデミーで学んだ後、パク・チョルス(『家族シネマ』)やイ・チャンホ(『旅人は休まない』)といったベテラン監督のもとで助監督を務めたという、女性では数少ない撮影現場出身。青龍賞シナリオ公募部門で入選した自らの脚本をもとに、見事な監督デビューを本作で飾っている。

ストーリー

 チュニは結婚式のビデオカメラマン。式場で見かける代議士秘書インゴンに片思いしている。シナリオライターを夢見る彼女は、〆きり間近の脚本募集に応募しようと、毎晩苦手なパソコンのキーボードをたたいている。テーマは、ラブ・ストーリー。そんな彼女のアパートに、兵役休暇中のチョルスが、突然我がもの顔に入り込んできた。というのもチュニの部屋の元・住人が、このチョルスの恋人タヘだったのだ。しかしタヘは2ヶ月前、別の男と結婚を決め、チョルスの元から逃げ出していた。
 こうしてチュニとチョルスの、奇妙な休暇10日間の期限付同居生活が始まった。
 しかしチョルスとチュニは喧曄ばかり。几帳面なチョルスには、挨だらけの部屋で、ペットボトルからじかに水を飲み、歯も磨かないチュニの行動が気に障る。チュニは生活のだらしなさをいちいち注意するチョルスが耐えられない。挙句勝手にシナリオを読んで、恋愛経験の少なさを指摘され、チュニはチョルスを家から追い出した。
 だが、ひとりパソコンに向かうと、追い出したチ自ルスが気になった。外は大雨。チュニは車中のチョルスを部屋に呼び戻し、再び共同生活が始まった。
 チュニはお気に入りの愛の詩を朗読するが、ふられたばかりのチョルスには慰めにはならない。「君が”美しい”と感じたさっきの詩を”痛い”と感じられな時、初めていいシナリオが書ける。頭の中で愛し、それがすべてだと思い込んでいるから、変われないんだ」愛を知らないチュニのラブ・ストーリーにしびれを切らして、チョルスはシナリオの合作を申し出る。二人は互いの理想を投影したインゴンとタヘを主人公にした。
 「タイトルは『美術館の隣の動物園』で、どう?」…。

スタッフ

製作:シネ2000 プロダクション
エグゼクティブ・プロデューサー:イ・チュニョン
プロデューサー:イ・ミヨン
監督/脚本:イ・ジョンヒャン
脚色:キム・ジン/イ・テキョン
撮影:ジョ・ヨンギュ
美術:シン・ボギョン
音楽:キム・ヤンヒ/キム・デホン
衣装:チョン・ウンジョン
メイク:チェ・ヨン/イ・ユギョン
照明:キム・ドンホ
録音:ユン・イェジン
編集:キム・サンポム
音響:カン・デソン
装飾:オ・サンマン
スチール:ジョン・ソキョン
製作進行:イ・スジョン/キム・ホンベク/ユン・ギョンファン

キャスト

チュニ:シム・ウナ
チョルス:イ・ソンジェ
インゴン:アン・ソンギ
タヘ:ソン・ソンミ

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