原題:Another Heaven

地と海とは不幸である。悪魔は怒りに燃えて、お前たちのところへ降っていった。 残された時が少ないのを知ったからである。

2000年/日本映画/131分/ 製作:アナザヘヴンフィルムパートナーズ/ 制作:オメガ・プロジェクト/アナザ・ヘヴンカンパニー

2000年4月29日より丸の内プラゼール他全国松竹系にて公開

公開初日 2000/04/29

配給会社名 0010

解説

緊張!衝撃!興奮!そして想像を超える感動!!
「セブン」「ゲーム」に続くアクションとスリルそして恐怖。
映画と連続テレビドラマ、2つの「アナザヘヴン」
2000年4月GW同時スタート!

 2000年4月GW、映画と連続テレビドラマが同時スタートする「アナザヘヴン」。本作は原作小説の作者にして、両バージョンの脚本・監督を自ら担当する飯田譲治による共通する作品哲学を持ちながら、まったく別の物語がお互い絡みあい影響を与えながら展開して行く。映画の恐怖とテレビドラマの謎。エンターテインメントができる面白さの全てが、ここに提示される。
 作品テーマは〈人間は何故悪いことに惹かれ、刺激として楽しむのか?〉。この現代社会が持つ悪意の連鎖を、強烈に描いていく。映画「アナザヘヴン」は一撃で殺されたうえに脳みそを料理されるという、猟奇連続殺人事件が起こるところから始まる。事件を追う刑事はこの事件を解決したかに見えたが、実はこの猟奇事件は始まりに過ぎず、犯人を追っていた刑事はいつしか得体のしれない〈ナニカ〉から追われるというアクションとスリルがハイテンションに描かれている。
 連続ドラマ「アナザヘヴン〜eclipse〜」は次々と起こる謎の失踪事件。事件を追う停職中の刑事の前で起こる地獄の使者からの啓示、紫に光る石の秘密。そして奪われた自身の時間と記憶の秘密を、知的なパズルを組みたてるかのように描いていく。そして最大の謎は、この二つの物語のそれぞれの結末である。映画と連続ドラマ「アナザヘヴン」はどのように繋がり、また別の世界へと華々を誘うのか?
 「NIGHTHEAD」「らせん」に続く飯田譲治監督最新作「アナザヘヴン」、全てのメディアの枠を越えていよいよ始動する。

〈映画〉〈連続テレビドラマ〉〈インターネット〉〈小説〉〈音楽〉〈ゲーム〉
アナザヘヴンは全てのメディアの枠を越えた、
エンタテインメント・コンプレックスである。

 この「アナザヘヴン」プロジェクトは、あらゆるメディアの垣根を越え、飯田譲治監督による共通するテーマのもと展開される、メディアの複合体=コンプレックスなのである。
 映画「アナザヘヴン」は2000年GWより〈丸の内プラゼール〉他、全国松竹系にて拡大公開される。監督・脚本は飯田譲治。プロデューサーに「スワロウテイル」「リング」の河井真也。主演に「スワロウテイル」、テレビ「ひとつ屋根の下」等若手俳優のトップを行く、江口洋介。モデルとしてファッション誌で活躍し、今回映画デビューを飾る市川実和子。数々の主演賞を受賞しているベララン原田芳雄。岩井俊二監督の「Love Letter」で日本アカデミー賞の新人賞を受賞し、映画テレビで活躍する柏原崇。その他にも岡元夕紀子、加藤晴彦、松雪泰子、柄本明など豪華なメンバーが究極の悪意と対決する。
 連続テレビドラマ「アナザヘヴン〜eclipse〜」は2000年4月20日(木)夜9時よりテレビ朝日系にて放送開始。脚本は飯田譲治(第1話演出)。主演に、「星の金貨」「深夜特急」などで人気を博し、さらに「美しい人」の狂気を秘めた演技で、抜群の存在感を誇る俳優大沢たかお、そして、映画と同様に警察無線を盗聴する犯罪マニアに女子中高生のカリスマ的存在の加藤晴彦、「蘇る金狼」「砂の上の恋人たち」でヒロインを演じ、今やCM女王からトップ女優への仲間入りを果たした本上まなみ、「のど自慢」で日本アカデミー賞主演女優賞にノミネートされるなど個性派女優として映画・ドラマで活躍する室井滋。また、映画で刑事役を演じる江口洋介、原田芳雄が同じ役で出演することも注目される。
 1つの世界で奇怪しくも起こる2つの事件…映画では猟奇連続殺人事件、ドラマでは謎の女性失踪事件…2つの事件はどのように繋がり、どのような謎と恐怖を秘めているのか?尚、今回連続ドラマ初の試みとして、第1話目は全国放送直後のビデオレンタルリリース、そしてインターネットによる再放送が決定している。また映画そしてドラマ共通の主題歌をLUNASEAが提供することが決定。音楽ファンからも熱い注目を集めている。
 その他、原作小説は角川ホラー文庫より12月に出版され、早くもベストセラーを記録、またワンダースワン版オリジナルゲームの開発も始まっている。まさにメディアの複合体、〈アナザヘヴン・コンプレックス〉が2000年4月GWスタートする。

ストーリー

地と海とは不幸である。悪魔は怒りに燃えて、お前たちのところへ
降っていった。残された時が少ないのを知ったからである。
〈新約聖書 ヨハネの黙示録第十二章〉

 物理的な形ではなく、それを意識と呼ぶのだろうか?それとも意志と呼ぶのだろうか?形の無い〈ナニカ〉と呼べばよいのだろうか?ただ炎のような悪意を抱いだ〈ナニカ〉は、天空から落ちて行く。ひたすら、ひたすら、地上へ向かって…この世を焼き尽くすほどの怒りを内に秘め、巨大をひとつぶの涙となって…。
 昼下がりの美術館、水が滴るアポロ像。〈ナニカ〉がアポロ像と共に存在している。その前を通りすぎる人々はその存在に気がつかない。アポロ像の官能的な姿。性器のあたりを水が流れて行く。そして、ひとつの人影がそのアポロ像の前に立たずむ。無垢な魂は一瞬にして汚れて行く。
 夜の街、最初の事件は起こった。2LDKのコーポ、奥の部屋にうつ伏せで倒れている男の死体。刑事達が現場検証を続ける。早瀬マナブ(30)巡査部長がダイニングキッチンのガスコンロに掛けられたシチュー鋼に気がつく。部屋の中はシチューの香りが充満している。被害者は首を無造作に叩き折られて殺されており、しかも頭の中から脳みそがなくなっている。「中身は、何処だ!」刑事たちは回りを見まわす。ぽろぼろの包丁の刃。転がった頭部の骨。キッチンヘと続く血痕。早瀬はとっさにシチュー鍋の中を確認する。そこに、何と!大騒ぎとなる殺人現場。
 コーポの外では飛鷹健一郎(49)警部と検死医の赤城が到着する。「そんなにすごいのか?何だ、このいいにおい」コーポ内に入っていく飛鷹。
 警察署内会議室、検死医より被害者の骨折の状況から、犯人の体格は体重100キロ以上、握力は150キロ以上の男性と思われ、さらに殺される直前にSEXした形跡があることが報告される。そして現場から見つかったのは女性を思わせる小さな指の指紋。
 男?女?怪力?料理?犯人像が絞れない早瀬、飛鷹ら捜査陣。そこに最悪の連絡が入る。脳みそを抜き取られ料理された、第2の被害者が発見されたのだ。

 憔悴して自分の部屋に戻る、早瀬。悪夢を見て飛び起きる。そこに大庭朝子(24)がいる、「鍵開いてたよ、刑事失格」。朝子は以前担当した殺人事件の犯人の女だった。知り合ってからずっと朝子は大きな愛情を注いでいたが、早瀬はその一方的な想いに振り回されていた。勝手に捜査資料を早る朝子。「犯人は絶対女、だってこれ全部花嫁修行で習うような家庭料理ばっかだよ」。
 さらに脳みそが料理される連続殺人は続き、超現実主義者で浪花節的な飛鷹とこの連続殺人は何か科学では解けない謎があることを主張する早瀬は、世界観の違いから対立する。
 そしてついに犯行現場から有力な手がかりが発見される。(ちーちゃん)と書かれた美しい女性の顔のデッサン画である。それでも飛鷹は女がこんな犯罪をできる理由が無いと主張する。警察のコンピューターは、柏木千鶴という女子大生が、最初の事件の3日前に友達と美術館に出かけ行方不明になっていることを示す。そこに緊急の11O番通報が飛びこむ。現場に向かう早瀬と飛鷹。
 この最悪の猟奇事件はたんなるプロローグに過ぎない。犯行を阻むため捜査を続ける二人の前には、想像を絶する世界が待ちうけている。

スタッフ

原作:飯田譲治+梓河人「アナザヘヴン」(角川書店刊)
監督・脚本:飯田譲治
プロデューサー:河井真也
共同プロデューサー:石原真
ライン・プロデューサー:田口聖
撮影:高瀬比呂志
美術:斎藤岩男
照明:小野晃
音楽:岩代太郎
録音:岩倉雅之
サウンド・デザイナー:柿澤潔
サウンド・エフェクト:柴崎憲治
編集:阿部浩英
ビジュアル・エフェクト・スーパーバイザー:松本肇
助監督:野間詳令
釧乍担当:梶川雅也
監督補:大原盛雄
アソシエート・プロデューサー:山下泰英
主題歌:LUNA SEA(UNIVERSAL VICT0R)
エグゼクティブ・プロデューサー:
    横浜豊行、宮島秀司、豊田俊穂、梅沢道彦
制作:オメガ・プロジェクト株式会社、
    アナザヘヴン株式会社
製作:アナザヘヴン・フイルムパートナーズ、
    オメガ・プロジェクト、
    松竹、
    オフィス・トゥー・ワン、
    ポニーキャニオン、
    テレビ朝日、
    博報堂提携作品
配給:松竹株式会社

キャスト

早瀬マナブ:江口洋介
大庭朝子:市川実和子
飛鷹健一郎:原田芳雄
木村敦:柏原崇
柏木千鶴:岡元夕紀子
幕田ユウジ:加藤晴彦
坂木警部:六平直政
両角刑事:井田州彦
熊倉刑事:康喜弼
池上検死医:塩屋俊
笹本美奈:松雪泰子
赤城幸造:柄本明

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