原題:HEART

近年最高の衝撃的ブリテッシュ・サイコ・スリラー! スタイリッシュなカメラワークが貴方をねらう!

1998年イギリス映画/84分/カラー/シネマスコープ/ドルビーステレオ/配給:シネカノン

2000年6月23日よりDVD発売 2000年6月23日よりビデオレンタル発売 1999年10月16日より渋谷シネアミューズ、銀座シネ・ラ・セットにて公開

公開初日 1999/10/16

配給会社名 0034

解説

情事を重ねる妻への嫉妬のあまり心臓発作を起こしたゲイリーは、ある若者からの心臓移植によって一命をとりとめる。やがてゲイリーが自分の中に別の誰かが存在していると感じ始め、その心臓の出所に興味を持って若者の母親マリアと接触した時、出会うはずもなかった人間たちの歯車が噛み合い始める。他人の中で息づく心臓に馳せるマリアの悲しいぼどの強い愛が、ゲイリーたちを予想もしなかった事態に飲み込んでいく!
本作は、世界各国でセンセーションを巻き起こした前作「司祭」(アントニア・バード監督)、英国TVドラマ史上最大のヒットシリーズといわれる「心理探偵フィッツ」など、数々の代表作、話題作をもつ英国随一の人気脚本家ジミー・マクガヴァンの最新作。独特のエネルギッシュなストーリー展開によって、我々の心に潜む暗い情熟を秘めた願望や衝動がひとつの強いうねりとなり、喉元を掴まれるような驚惜のラストまで突き進む。近年最高の衝撃的ブリティッシュ・サイコ・スリラーが登場した!
妻への激しい嫉妬から妄想に取り懸かれてしまうゲイリーを演じるのは、若手実力派NO.1といわれるクリストファー・エクルストン。ダニー・ボイル、マイケル・ウィンターボトム、デヴィッド・クローネンバーグ監督らがこぞって起用している。そして愛する者を失った深い悲しみを負い、強迫観念に捕らわれてゆくマリアには「バタフライ・キス」(ウィンターボトム監督)のサスキア・リーヴス。全身で表規される過剰なぼどの愛と悲しみが、深く強く迫ってくる。冷酷無比にゲイリーを挑発する作家を演しるのは「ツイン・タウンj(ケヴィン,アレン監督)でアクの強い兄弟を演じたリス・エヴァンス。これら一癖も二癖もある個性派キャストが、一触即発で運命を狂わせていく様を完壁に演じきった。
平原を横切る列車を空撮のカメラが追う、疾走感溢れるオープニングから全編を貫くスタイリッシユなカメラワーク。マクドガル監督の新人とは思えないダイナミックで完成度の高い演出が、驚偶のラストに至るまで見る者を引き込んで離さない。そしてもうひとつの仕掛けは、ブラック・ユーモアに満ちた巧みな選曲。移植手術にオーヴァーラップするディオンヌ・ワーウィックの「anyone who had a heart」、その他アイズレー・ブラザーズの「this old heart of mine」、ス二一カー・ピンプス「spin spin sugar」など、いずれもストーリ一とシンクロした絶妙な効果をあげ、耳について離れなくなってしまう。

ストーリー

先天性の心臓疾患を持つゲイリー(クリストファー・エクルストン)は自家用機での運搬業を仕事にしている。彼の妻テス(ケイト・ハーディー)は、テレビ局のプロデューサーとして多忙な生活を送っている。この二人の言い争いから物梧は始まる。ゲイリーは彼女の浮気への妄想に駆られて激怒したはずみに心臓発作を起こし、一命はとりとめるものの車椅子に頼る体になってしまう。テスは後ろめたさを覚えながらも、作家のアレックス(リス・エヴァンス)と激しく情事を重ねるようになる。
回復の術は心臓移植に頼るしかない。ゲイリーは自分が健康になりさえすれば、妻との関係もつなぎとめられると信じていた。やがてある惨事が彼に希望の光をもたらす。コカイン中毒のニコラ・ファーマー(アンナ・チャンセラー)が引き起こした交通事故に巻き込まれ、17歳の若者ショーンが脳死状態に陥ったのだ。ショーンがドナーカードを持っていたため、母親マリア(サスキア・リーヴス)は息子の心臓を提供することに合意し、ゲイリーがレシピアントとして選ばれる。クレイトマン医師の執刀のもと、心腹移植手術は見事に成功した。ゲイリーはめざましい回復を遂げ、テスはアレックスとの関係に終止符を打ち、ゲイリーのもとに戻る。一方、マリアにとってはショーンを失った哀しみを癒す術もないまま、出口のない日々がつづいていた。
テスとの関係が復活したかに見えたのも束の間、ゲイリーは彼女の浮気が続いているのではないかという疑惑を振り払うことができず、アレックスの家に怒鳴り込んでしまう。その場は銃で脅されて逃げ出してしまうものの、次第にゲイリーは自分を粗暴な行為へと走らせる心臓の出所に興味を抱くようになった。
ゲイリーは、ショーンの交通事故についての裁判を傍聴する。事故を起こした張本人であるニコラにわずか10ケ月の実刑という判決が下り、呆然と席を立つマリア。そんな彼女を追ったゲイリーは、自分の身元を明かしてしまう。ショーンは次期オリンピックにも出場が決まっていたほどの将来有望なボクサーで、当然のごとくその心臓は並外れた強さを持っていた。ゲイリーは二人の出会いをその場限りととらえていたが、マリアの方はそうではなかった。10代でシングル・マザーとなり、ショーンに限りない愛情を注いでいた彼女はゲイリーのそばにいることで束の間の安心を得るが、やがて自分の最愛の息子が他人の体の中で息づいているという事実にとりつかれていく。次第に尋常でない行動を取りはじめた彼女に対し、テスはクレイトマン医飾を呼んで通告させるが、ゲイリーはそんなマリアを疎ましく思うことができない。
ある夜、クレイトマン医師を囲む会が開かれた。医師に祝辞を贈るレシピアント達。ゲイリーもその中にいる。そこにマリアがやってくるが、彼女の不穏な態度を察知したパターソンは彼女を連れ出し、なだめるためにあの心臓はショーンのものではないと嘘をつく。パニックに陥ったマリアはメスをとってクレイトマンの額を切りつけてしまう。ゲイリーはマリアを助けて病院から連れ出すが、そこである事実を目撃し、彼の嫉妬と復讐心は一気に燃え上がる。事態は予想もしなかった方向へ暴走を始めた・・・。

スタッフ

監督・・・チャールズ・マクドガル
脚本・・・ジミー・マクガヴァン
製作・・・ニコラ・シンドラー
編集・・・エドワード・マンセル
撮影・・・ジュリアン・コート
キャスティングディレクター・・・シモーヌ・アイアランド&ヴァネッサ・ペレイラ

キャスト

ゲイリー・・・クリストファー・エクルストン
マリア・・・・サスキア・リーブス
アレックス・・・リス・エヴァンス
テス・・・ケイト・ハーディ
クレイトマン医師・・・ビル・パターソン
ニコラ・ファーマー・・・アンナ・チャンセラー

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