原題:GLORIA

愛のために戦う女、グロリア

1998年/アメリカ映画/マンダレイ製作/カラー/ビスタサイズ/ドルビーSR/ドルビーデジタル/SDDS/ ギャガ・ヒューマックス共同配給/ 提供:株式会社ギャガ・コミュニケーションズ、株式会社ヒューマックスピクチャーズ、株式会社ポニーキャニオン 協賛:アルゼ株式会社/特別協賛:荻島商事株式会社

2000年4月19日よりDVD発売 2000年4月19日よりビデオレンタル開始 1999年9月11日より全国東宝洋画系劇場にて公開予定

公開初日 1999/09/11

配給会社名 0025/0145

解説

犯罪組織の女徒、家族を失った少年—。再生を賭けた闘いの幕があがる。

挑発的なミニスカートにピンヒール姿で、屈強なマフィアの男どもに銃口をつきつける度胸の持ち主。その反面、恵まれない人生を歩んできた女の傷つきやすさも、時にうかがわせる。彼女の名はグロリア。一家を皆殺しにされた7歳の少年をマフィアから必死で守るため、マフィアに敢然と立向かう。その姿は、激しい純愛を貫いた『レオン』、泣き虫の殺し屋『ニキータ』を彷彿させ、強気な行動とは裏腹な人間らしいモロさや優しさが観るものの胸を締め付ける。ただ強いだけのヒーローたちとは一線を画した、90年代最後のニューヒロインの誕生である。
フロリダで3年の刑期を終え、故郷ニューヨークに舞い戻って来たグロリア。しかし彼女を待っていたのは、かっての仲間達の冷酷な裏切りだった。組織の男たちに銃口を向けた彼女は、その場に居合わせた7歳の少年を道連れにアジトからの脱出をはかる。組織の秘密を握る少年が、とてつもない爆弾であることもしらずに……。
かくして始まるスリリングな逃亡劇。執拗な追手から少年の命を守るため、さらには自らの自由を勝ち取るために、グロリアは過酷なサバイバル・ゲームに挑んで行く。そのタフな闘いを、名匠シドニー・ルメットが、オールNYロケにて躍動感溢れるタッチで描きあげた。アクション・ヒーロー不在が叫ばれるなか、満を持して登場した本作は、90年代のミューズと謳われるシャロン・ストーンが、堂々のタフネス・ヒロインに挑戦したハードボイルド・アクションだ。
美しさに凄みの加わったシャロンの新境地!

グロリアに扮するのは、いちだんとパワーアップして帰ってきたシャロン・ストーン、『氷の微笑』でスーパースターの座につき、オスカー候補にあがった『カジノ』で演技派のステイタスを獲得。前作の『マイ・フレンド・メモリー』でもゴールデン・グローブ賞にニミネートされるなど、作品ごとに磨きのかかった演技力と美貌で大物女優の道を邁進するストーン。今回、彼女が意気込みも新たに挑んだヘルズキッチン生まれのマフィアの情婦グロリアは、まさにストーン以外の女優は考えられないほどのハマリ役だ。
グロリアと心をかよわせる少年ニッキーを演じるのは、数百人の候補者の中から選ばれたジーン・ルーク・フィゲロア。『ザ・インターネット』に続き、悪役ケヴィンを演じるのは、英国の若手演技派ジェレミー・ノーザム。また、『パットン大戦車軍団』の名優ジョージ・C・スコットが、組織の大ボスに扮し、堂々たる存在感を光らせている。
プラダ、フェンディが衣装提供

監督は、『狼たちの午後』のシドニー・ルメット。彼の過去の作品と同様「一発撮り」のワザを駆使したNYロケは、今回も映画の大きな魅力だ。『レオン』の原型とも呼ばれる80年代のオリジナル(ジョン・カサヴェテス監督)を現代風にアレンジした脚本は、『NYPD Blue』などで俳優としても活躍するスティーブ・アンティンが執筆。撮影は、『愛と哀しみの果て』でオスカーを受賞したデビッド・ワトキン。プロダクション・デザインは、ウディ・アレン作品で知られるメル・ボールン。音楽は、『ゲーム』など数々のヒット作に名を連ねるハワード・ショアが手がけている。また、プラダとフェンディが衣装を提供、ストーンの肢体を艶やかに包む。

ストーリー

フロリダで3年間の刑期を務め、仮釈放された犯罪組織の女グロリア(シャロン・ストーン)。保護観察の身でありながら彼女が真っ先に向かったのは、恋人ケヴィン(ジェレミー・ノーザム)の住むニューヨーク。しかし彼女を待ち受けていたのは、かっての仲間達の冷酷な裏切りだった。愕然とした彼女はとっさに、同じアパートで囚われの身となっている7歳の少年を人質に、組織の男達に銃を向けるのだった。
少年の名はニッキー(ジーン・ルーク・フィゲロア)。マフィアの会計士だった彼の父は、組織を揺るがす秘密を記録したフロッピーディスクを持ち出したせいで、一家もろともケヴィンの手下に惨殺される運命をたどっていた。その直前、父に託されたフロッピーを握りしめて自宅を脱出したニッキーだが、ケヴィンの手下につかまり、いまはこのアパートで最後の時を迎えようとしていた。
そんな事情は知らないグロリアだったが、ケヴィンと手下の男たちに銃をつきつけると、フロッピーを手にしたニッキーを連れてアパートを脱出する。絶望の淵に始まる奇妙なふたり組みの逃避行。グロリアが、とてつもない爆弾を背負い込んだことに気づいたのは、その後のことだった。少年を送り届けるつもりが、アパートからは少年の家族の死体が運び出される場面に出くわしてしまう。ようやく探しあてたニッキーの伯父にも暗殺者の手がまわっていた。惨殺された死体を目のあたりにし、自分達が情け容赦ないマフィアのターゲットとなってしまったことを察知する。
絶縁状態にあった姉の家を訪ねたグロリアだったが、姉は「出て行け」の一点張り。仕方なく、彼女はニッキーと共に安宿に身を隠す。しかし、平和な時も束の間、ケヴィンの一味に居所をつきとめられたふたりは再び逃亡を余儀なくされ、雑踏でグロリアとはぐれたニッキーは敵の手に落ちてしまった。
あの子の命は私が守る。意を決したグロリアは、親友ダイアン(キャシー・モリアーティ)の協力を得て、ケヴィンのボスであるルビー(ジョージ・C・スコット)に、ニッキーとフロッピーの交換を持ち掛けるのだが…。

スタッフ

監督:シドニー・ルメット
製作:ゲーリー・フォスター、リー・リッチ
製作総指揮:G・マック・ブラウン、チャック・バインダー
撮影:デビッド・ワトキン
衣装:ドナ・グラナータ
音楽:ハワード・ショア
脚本:スティーブ・アンティン
美術:メル・ボールン
編集:トム・スワートウート

キャスト

グロリア:シャロン・ストーン
ケヴィン:ジェレミー・ノーザム
ニッキー:ジーン・ルーク・フィゲロア
ルビー:ジョージ・C・スコット
ダイアン:キャシー・モリアーティ
ショーン:マイク・スター

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